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【あらすじ】アスリートタレント:森脇健児が1年かけて北海道洞爺湖から沖縄首里城まで走って日本縦断。コースやペースは自由で、1キロ走ると500円がジョギング貯金され、そのお金で食事・宿代を払う。
走る男のブログではジョギング情報がリアルタイムで更新され、視聴者・読者からの書き込み情報を元に食事や宿泊場所を決める時もある。1日のスタート・ゴール地点での出迎えや伴走者も、来る者拒まずの姿勢。
青森湾で海に別れを告げ、ねぷたの里見学。秋田県で満開の桜に遭遇するも、走る事に初めて疑問を感じる。
しかし山形県で声援や応援を送られ復活。山形城北高校陸上部とも出会う。テレビ・ラジオに出演し、銀メダリスト有森裕子も出場する白川ダム湖畔マラソン大会5kmの部に参加。結果は総合8位・40代の部1位・自己ベスト更新。
放送地域でもある北信越の新潟県に入り、胎内フィッシングパークで釣り堀。農家民宿でフキ・ミョウガ採り。
福島県では人に遭遇しない事態に。会津中央乳業の二瓶さんが新聞を呼んでくれて取材を受ける。これがきっかけでテレビ取材も入り、声援も送られる中、塔のへつり・大内宿などの名所を堪能。無事関東入りを果たす。
【感想】○
森脇が「新たな県に入ると県民性が変わる。転校生の気分」と言っているように、県によって人々の声援・応援・対応が確かに違う。だがそれは走る男のメディア露出度の強弱に比例する面もある。さらにテレビ・ラジオ・新聞の既存メディアと、ブログ・HPの新興メディアと人々の関係性の面から考えると、非常に興味深い番組になっている。
放送地域でない青森・秋田では知名度がなく、声援も殆ど無い。青森は縦に走る距離が短かった分、あっという間に通りすぎて辛さを感じさせなかったが、長い秋田の行程でもそれが続き、ついに弱気になって口数も少なく夕方前に切り上げる森脇。
さらに秋田では天候にも恵まれず、平野で景色の変化もない点が追い討ちをかける負の連鎖。「走る事が面白くなくなった」との心境も分かる気がする。人との出会いもなく、悪天候の中ただ走るだけではやってられないだろう。それでも過酷な修行のようなおかげか、1日の走行ペースが20キロ台から30キロ台へと伸びる成長を見せる。
逆に放送地域の山形に入ると人々の反応がガラリと変わる。地元民からブログに食事処や名所情報の書き込みが増え、放送局への出演もあり、さらに声援が大きくなる正の連鎖。生放送の出演まで間に合うか、マラソン大会出場など企画めいた事もやってバラエティ豊か。運も向いてきたのか名門:山形城北高の練習に遭遇したり。
秋田と山形のコントラストがメディア露出度の大切さを気づかせてくれる。その違いが秋田の人は冷たく、山形の人は温かいという印象まで抱かせてしまう。決して秋田県民が冷たいわけはなく、山形県民だって皆がみな温かいわけではないが、テレビに映る森脇の姿を通して、イメージが多少なりとも作られてしまうメディアの怖さを再認識。
山形での正の連鎖を教訓に、放送地域だからとの理由で遠回りになってでも入った新潟県。やはり応援はあり、伴走を志願する人も続く。山形の人は朴とつな直球の温かさがあったが、新潟の人は伴走志願の積極性(少数派)と脇から見守るサポート姿勢(多数派)の二種類な印象。
非放送地域の福島では、新聞記者と知り合いだった二瓶さんをきっかけに、こちらからメディア露出を増やそうと攻勢に出る。一旦、京都に戻ってからの再開では新聞掲載の効果も温まり、応援が相次ぐ。後追い取材のテレビも入るほどの成功を収める。
この番組はローカルネットな放送のために、県によって人々の反応にはっきりとした違いが出る。非放送地域では負の連鎖、放送地域では正の連鎖になると分かり、非放送地域ではメディア露出を増やす努力をしないと苦しい事も分かった東北編だった。
既存メディアの発信力はローカル局・ローカル紙といえど絶大で、逆に世界中からアクセスできるブログの力は既存メディアに触発されて大きくなったり、既存を補完し正の連鎖を大きくする役割に留まる。県民性の違いは、メディア露出で同じ条件になって初めて計れる部分が出てくる。それも走る男:森脇健児と出会った範囲内での違いに過ぎない。
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DVD
走る男 北海道・東北編
知識ゼロからのジョギング&マラソン入門(小出義雄 著)
ジョギングから始めるフルマラソン
GARMIN(ガーミン) フォアアスリート205(森脇健児が番組内で使用してる腕時計)
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【あらすじ】アスリートタレント:森脇健児(41)が1年かけて北海道洞爺湖から沖縄首里城まで走って日本縦断。コースやペースは自由で、1キロ走ると500円がジョギング貯金され、そのお金で食事・宿代を払う。コースを離れる時は「走る男の小旗」を立て、戻った時はそこから再開。
まだ雪の残る中、サミットの開かれる洞爺湖からスタート。いきなり急な山道へ迂回せざるを得なくなった豊浦、役所の皆さんからも歓迎された長万部、小学生の合唱に涙してしまった八雲、内浦湾側から函館湾側へ一気に激走し、函館見物を楽しんでから船で北海道に別れを告げる。走破距離157.3キロ。
【感想】◇
いわゆる旅モノ番組の一つだが、電車や自転車・リヤカーなどよりもっと過酷なジョギングで日本縦断しようという企画。しかし過酷さを極力感じさせないように出来ている。番組中では走るシーンよりも出会った人々との触れ合いや景色、食事・宿泊風景の方が多い。もちろん走る姿だけでは画面が単調になる制作上の理由もあるが、伝えたいのは走りを通じた人情や喜びなのだろう。
こうした旅モノは人の親切が前面に出て、一定の心地良さを味わえる。あとは誰が走るかの問題だけ。幸いにも森脇健児という絶妙な知名度・ポジションの人物が走ってくれ、この企画の成功は約束されたも同然。
…と思っていたら、函館見物のシーンで森脇が「自分で企画した」と口走った。なんと本人の持ち込み企画だったのだ。その前の回などでも「好きで走ってる」との言葉もあったが、本人持込とは驚いた。
森脇健児はかつて『笑っていいとも!』レギュラーで黄色い歓声を浴びるほどだったが、いつのまにかテレビから消え、過去の人と思っていた。久々に見た森脇はあの頃よりも健康そうに見えた。以前と変わらず、もしかしたら以前よりも腰が低く「突然お邪魔してすいません」と言いつつ、走りながら気になった場所へ入っていく。
孤独な走りと住民との触れ合いがコントラストになり、また1人の走りに戻って感想を述べる森脇。ここでやや教訓めいた事をずっと呟くのでちょっと鼻につく(笑)。1日走り終えた後の晩飯では本当に美味そうな表情と仕草をする(1日走ったから何食べても美味いのは当然だが)。
ルールで面白いのはジョギング貯金。1キロ走ると500円とのシステムが丁度良くできてる。その土地の名物を選んで食べるようなので目安としては1日20キロ(1万円)か。30キロ走るとスタッフにも奢ったりする。あと、距離換金が切り捨てなのが潔い。例え10.9キロで走り終えても5000円。次の日に10.1キロだとしても昨日の0.9キロ分を足したりしない。
ただ、ずっとこのジョギングで旅するわけではない所はドキュメンタリー性を失わせている。森脇に別の仕事があれば関西・関東に帰ってしまうし、何らかのアクシデントがあっても休養が可能なわけだ。長万部に着く前、足を痛めてスプレーをしながら走り歩きになっていたが、そのスプレー代などは貯金から出ていないように見えた。
ラジオに電話出演した直後、車・トラックから声援(クラクション)が送られる。蛍光のタスキが自分の目印と言っていた割りには、そのタスキを掛け忘れて走っているシーンも散見。ロゴ入りジャージ・シャツがあってもいい。
これから南下するとともに季節的に気温も上がって来る。別にアクシデントを期待するわけではないが、それより大きな感動や人情など色んなドラマが生まれそうな予感のする番組。
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走る男 北海道・東北編
知識ゼロからのジョギング&マラソン入門(小出義雄 著)
ジョギングから始めるフルマラソン
GARMIN(ガーミン) フォアアスリート205(森脇健児が番組内で使用してる腕時計)
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【あらすじ】トリノ五輪。日本からは金メダルを公言した佐々木明、怪我から復帰した皆川賢太郎、ルーキーの湯浅直樹、そして初の大舞台に挑む生田康宏が出場。
一回目、100名近い選手達は難コースに苦戦し、優勝候補も含めた3分の1が途中棄権する波乱の展開。皆川、佐々木は好順位、湯浅も入賞を狙える順位に。生田はコースアウトするも登坂して滑り直し2回目へ。
2回目も途中棄権が続出し完走したのは全体の約半数。湯浅7位、皆川4位、佐々木は棄権、最終滑走者の生田はまたもやコースアウトしたが滑り直してゴール。
【感想】◎
日本勢(皆川、湯浅)50年ぶりの入賞や皆川メダルへあと一歩、佐々木まさかのコースアウト…などが後日の報道で伝えられているが、執筆者の目を釘付けにした生田選手の滑りが忘れられないので記事にする。
トリノの雪やコース状態が悪いのか、リュージュやスケルトン、ボブスレーでも転倒が続出していた。そしてこの男子回転でも転倒・コースアウトによる途中棄権が相次いだ。地元イタリアの4人の内、3選手が次々に棄権で観客も意気消沈気味。
選手は一回コースアウトしてしまうと集中力が切れるため、その場で棄権するのが普通なのだが、生田康宏選手だけは違っていた。一回目の序盤から中盤にかけての場所でコースアウト。しかし通過していない旗門の所を目指して登っていく。なにせ棄権せず滑り直す選手は今までいなかったので、コースの網を張っている係員も最初は何をしているのか分からない様子だった。生田選手が滑り直しを試みていると気付き、どよめきが走っているようだった。
その時にはもう生田選手は滑り直していて、失格にもならず2回目進出が認められた。解説者も「棄権せずタイムは掛かってもゴールすれば2回目へ行ける」と言っていたので、執筆者も生田選手の意図がそこにあるのだと思った。2回目に上手く滑る事を期待した。
感動的だったのは2回目。メダルを確定した上位陣の滑りが終わり、順位など重要ではない生田選手は最終滑走者である。生田選手は中盤の急斜面で再びコースアウト。しかも前のめりに転倒。だがまたしても彼は登坂し始める。スキー板を履いているため普通に登るのではなくカニ歩き状態である。ゆっくりではなく急いで必死に登っている。係員から声援が送られているのがネットが揺れている事から分かる。1回目では驚いたたけの係員も、2回目となれば応援の気持ちが素直に出たようだ。
そして生田選手は猛然と滑り出す。後に周囲に「必ず完走する」と約束していたからと知ったが、ただ完走するだけならそんなにスピードを出さなくてもと思う。でも彼はぐんぐん加速している。そんなにスピード出したらまた転倒するのではと心配になるほどだ。旗門のポール際ギリギリを通過する「攻め」の滑り。
加速するためストックを雪に突き立て、さっきまで倒れていたとは思えないほどのスピードになる。普通、旗門のポールはストックを持った手で受け止めながら進むが、生田選手はストックを使っているのでポールは顔面を直撃している(ほどに見える)。それを物ともせずに突き進んでいくのだ。
ゴール直前にトップスピードに到達し、少しでもタイムを上げるためか、前傾姿勢で片足を前に出してゴールゲート通過。そして生田選手は高らかにガッツポーズ。観客から大歓声が沸き上がる。メダルが決まった瞬間よりも観客は盛り上がっている。競技の大トリを見事に務め、最高のシメを見せた生田選手であった。
完走が目的、最後まで諦めないなど、それも素晴らしい事だがそんなものとは次元の違う滑りが生田選手にはあった。執念か信念か。可能な限りのベストを尽くす、競技に対する真摯な姿勢などといった事も思い付いたが、まだ何か違う。自分が見た生田選手の何に心を動かされたのだろう。
競技後、生田選手は地元の山形新聞(2月27日)との一問一答にこう答えている。
「一般の観客でも拍手や声援を送ってくれる。すごく励まされた。そうした人たちに対する感謝の気持ちを大切にしたい」