その時歴史が動いた:白洲次郎

その時歴史が動いた:白洲次郎 あらすじと感想
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2006年04月09日(Sun)
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その時歴史が動いた:白洲次郎

【あらすじ】兵庫県芦屋市に生まれ英国留学し貿易の仕事に携わった白洲次郎は、吉田茂と出会い反戦で共鳴。太平洋戦争中は食糧不足を見越して農業に隠棲。戦後、吉田から請われて終戦連絡中央事務局でGHQとの交渉役。天皇からのクリスマスプレゼントを雑に扱ったマッカーサーをも叱り付け「従順ならざる唯一の日本人」と称される。

憲法改正では、日本側の松本案に「生易しいのではダメ」と述べ、GHQのマッカーサー草案に硬直する。主導権を握れぬまま英文の翻訳。
「今に見ていろという気持ち抑えきれず。ひそかに涙す」

第二次吉田内閣では貿易庁長官に就任。綱紀粛正と貿易立国を目指す。米国からの援助物資売買で得た金を補助金とし、輸出入にその補助金を充てる米国依存経済からの自立を模索。商工省から白州監視のため送り込まれた永山時雄を味方にし、米国から来たドッジの政策をも利用し、通商産業省を創設。

通商産業省主導の輸出の拡大で経済復興を成し遂げた日本。サンフランシスコ講和会議で顧問として出席した白州は、吉田の英語原稿を日本語に改めさせ、内容も独自のものに急遽書き換えた。

【感想】◇
若き日にベントレー3リッターを乗り回し、日本人として初めてジーンズを履き、晩年は長身と甘いマスクでモデルとしても活躍した白洲次郎の、政治に果たした役割を描いた回。

24という歳の差を越え吉田と友情で結ばれ、吉田の懐刀としてGHQ相手に一歩も引かない姿勢を見せる白州。プリンシプル(原則)を信条に誰に対しても間違っている事は間違っていると主張する。米国に従順な日本政府に憤慨したかと思えば、日本を奴隷扱いする米国にも激怒する。確かに格好良いがこういう人はあんまり仲間が増えない。下手すると相手にされない総スカンを食らう。吉田という大人物の力添えがあったればこその活躍だったのでは。

とはいえ宮澤喜一の証言から、実はその弁も計算して演じていた面も覗わせる。
「必要以上に抵抗しないと後で批判を招く。これだけやったんだと示しておけば納得してくれる」
憲法改正で日本案が通りそうに無いと認識しつつも、無抵抗に受け入れたのではないという記録を作っておきたかったのか。しかしこれが「押し付け憲法」と呼ばれる元にもなる。

押し付けだから憲法九条改正を主張する今の勢力もいるが、当の白州本人は憲法、特に九条は素晴らしいと評価している。憲法の内容の押し付けではなく、憲法作成の主導権を握れなかった事に白州は悔し涙を流したのだろう。この辺、すごく微妙だが歴史の重要部分の気がする。

政治から、経済で自立を目指すと転換した白州。商工省の外局に過ぎない貿易庁から独自路線を打ち出す白州を危険視した商工省。監視要員として送り込まれた永山時雄に貿易立国構想を語り、その場で味方に付けた所がスゴイ。

商工省を改め貿易を重視し、外務省からも人を呼んだ通商産業省の電撃的な創設(昭24年5月25日)。ここがその時であったが、この辺の経緯が駆け足気味で、商工省と貿易庁の役割と通産省との違い、吉田やドッジといった上の人々との関係などは説明不足だった。

あと「マッカーサーを叱った男」との副題も、それが今回のその時に影響を与えたわけでも無いし、単なるキャッチコピーで騙された感じ。超有名とはいえない人物の隠れた業績を取り上げる回で、視聴者を惹き付けるための苦肉の策なのだろうが。
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白洲次郎 占領を背負った男(今回の解説:北 康利 著)
風の男 白洲次郎
プリンシプルのない日本(白洲 次郎 著)
白洲次郎(白洲 正子 著)

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