テレビ批評的視聴記 - 2007/09/18

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2007年09月18日(Tue)▲ページの先頭へ
ホタルノヒカリ(最終回)

【あらすじ】雨宮蛍(綾瀬はるか)は手嶋マコト(加藤和樹)のマンションで同棲を始める。干物女:蛍のありのままを受け入れるマコトは蛍に「無理しなくていい」と言う。蛍はシネマライブラリーカフェのプレス内覧会チーフを任され仕事が忙しくなり、高野誠一(藤木直人)部長に相談する時間が増える。帰宅してもマコトと楽しもうと努力する。

そんな蛍の様子にマコトは限界を感じ、同棲解消を申し入れる。
「頑張らなくても、部長と居る時は楽しかったんでしょ。俺と居ると蛍がホタルじゃなくなる」
そんな時は仕事が救うと山田早智子(板谷由夏)。マコトと恋愛をした今だから出来た仕事だと高野。

蛍はウィークリーマンションに入り、一ヶ月後の内覧会を成功させる。その打ち上げで二ツ木昭司(安田顕)から高野の家の取り壊しが嘘だと聞いた蛍。それでも蛍はアパートに移って一人暮しを続ける。クリスマスパーティでは家で寝て過ごす。

翌年の夏。「ビールが旨い季節がやってきましたね」と高野に告げた日、蛍は縁側に帰ってくる。
「部長に会いたくて。だから来ました」
高野は蛍にビールを渡し、縁側に座らせる。
「そこが君の居場所だ。おかえり」
蛍と高野は去年の夏のように楽しく、掛け合い漫才のようなやりとりをするのだった。

【感想】◇
落ち着く所に落ち着いたという事で。本当に、それ以上でもそれ以下でもない。色々と考察もできるが、すればするほど外れた見解になりそうなので、深く考えずに概要だけ捉えれば良いのだと思う。そういうドラマなのだから…という事に最終回になってやっと気付いた。

蛍は干物女としてマコトと暮らし始めるが、全てを受け入れる姿勢のマコトは、高野のようにツッコミを入れてくれず張り合いがない。これは蛍にとって逆に緊張を強いられる生活だった。

さらに蛍は仕事を任され、会社でも忙しくなる。そうなればなるほど家での干物生活が不可欠となるのに、恋愛相手のマコトの前ではどうしても干物っぷりを出せない。残業での高野部長とのやりとりの楽しさが、さらに玄関の扉を鉛の重さにさせる。

マコトは蛍の事を理解し、自分が部長のようには出来ないと分かっているから、自ら同棲を解消し身を引いた。ここですぐに蛍が戻らなかったのは意外。蛍としてはすぐにでも戻りたい気持ちはあったが、部長はあくまでも巣立った蛍を見守る姿勢を示し、山田も寄り道していいと助言。

一人暮らしを続け、干物生活を取り戻した蛍。縁側での一人暮らし→部長との二人暮らし→マコトとの同棲→ウィークリーマンション・アパートでの一人暮らし…と経験した結果、干物女として一番しっくりくるのは部長との二人暮らしだった。縁側と部長の揃った高野の実家が蛍の居場所だった。

…蛍とマコトの同棲失敗は、マコトのマンションに蛍が入った形なのでテリトリーをしっかり築けなかったからとも言える。早々に二人で住む予定だった新しい部屋に入っていれば、干物テリトリーも少しは築けただろうし、あんなに早く終わりを迎えなかっただろう。いずれ終わるとしても。

一人暮らしの蛍は干物テリトリーも築いた一年間を過ごせた。しかし蛍は縁側のある暮らしと、部長の居る暮らしも経験しており、自分の干物っぷりだけでは満足できない女になっていた。だから再び夏を迎えて縁側と高野の所へ戻る。

だが蛍はマコトとの恋愛経験も踏まえて、高野とは恋愛ができない事も知っている。縁側が好きという感情と同質の好きの感情しか高野に持てない。高野も恋愛の好きという感情では、自分は女性と上手く行かない人間である事を妻:深雪(黒谷友香)との経験で学んだ。よって高野もまた、縁側と蛍(というよりアホ宮)のセットが好き。

【総評】◇
上記感想でそれなりにまとまったので総評など書く必要はないが、執筆者の間違いだらけの今までの記事を自己批判するために振り返る。読者は想定しない。

#1◇ は原作知らずなのを良い事に、好き勝手に予想し放題。高野に関しては当たらずも遠からずだったが、マコトは外れ。というかこの後もずっとマコトの不可解さに悩まされた。

#2○ が最高評価の回。メールという今時のアイテムで会話しないのと、干物女だから会話できないのを組み合わせ、高野と妻の音信不通も絡めた。高野と妻の物語があるのではないかと予想して、高野に感情移入した記事を書いたが外れた。

#3◇ は周囲の思惑と本人達の本意の話。手紙の消火で上手くまとめたように見えるが、高野と妻の復縁があると期待している。高野と蛍で終わりという安易な結末はならないだろうと思っていたが、そうなってしまう所が一般向けドラマだと分かっていなかった。

#4◇ はとにかく綾瀬はるか誉めまくり。最後の涙のビールが良かった。これは最終回にもあって、この綾瀬を見ていた藤木直人は素で笑っているようにも見えた。他にも階段を一段抜かしで降りてコケそうで焦りまくってたり、綾瀬はどこまで演技なのか時々分からなくなる女優だ。

#5◇ は好きな思いを忘れる・忘れないでまとめた。これを登場人物すべてに当てはめていって、マコトの特異性を浮かび上がらせたが、それが何?と問われればそれまで。まだ復縁があるとか書いてる自分がアホすぎ。

#6◇ は「自分の出した答え」がテーマとした。色々と書いても基本構図が変わっていない事に気付き、無意味・どうでもいいとか投げやりになりかけてる執筆者。それがこの手のドラマなんだとまだ分かっていない。

#7◇ ではさらに今回が最終回でもOKとか書いてるし。自分が終わらせたいからといってドラマが終わるわけではない。何とか残された課題を見つけようとし、それでも足りなくなって昔の綾瀬の話で誤魔化した。

#8◇ は自分の都合の良いように一方的に解釈した蛍の話。のはずだが、執筆者も深く考える気力が失せていたので都合よく解釈。ツカミとオチに気を取られ、重要なマコトのシーンを決定的に外した。一方、神宮司要(武田真治)と三枝優華(国仲涼子)のサブストーリーは意外とよく捉えていた。

#9△ は外した悔し紛れからか、マコトの見たものは何だったのかを検証。あのシーンからは何も見出せないと導き出すが、直接描写よりも間接的に想像力を膨らませるテレビでは、細かいカットの検証など負け犬の遠吠えに過ぎない。細かい矛盾点の指摘で低評価を下すのも間違ってる。徹底的に負け路線で当たらない結末予想を書いたり、スネ夫の領域。

そして最終回◇ となる。蛍がマコトと別れて高野と暮らす・高野が妻を諦め蛍と暮らす、という最もありがちな結末予想をどうしても書けなかった。心の中で予感していても、そんな安易で良いのだろうかという躊躇が最後まで邪魔をした。

色々と予想もしたような気がするが、そもそもこのドラマの売りは蛍と高野の漫才コンビのようなやりとりで、その継続なしでは成立しない。それを視聴者が望み、製作側もそれを押したので、結末も蛍と高野の漫才で終わりで何ら不自然ではない。

最初から最後まで変わらないようにも見えるが、それこそプライムタイムのドラマの手法であり、途中から見た視聴者への配慮でもあるし、大それた冒険など出来ない原作付きドラマの事情なのだろう。

とはいえ、3話4話を過ぎた頃から視聴者側が圧倒的に結末のネタバレを欲し、当ブログにもそれを求めてアクセスがあった事は、このドラマが失敗だった事も意味する。視聴率でも初回や終盤と、中盤で5〜7%も差が出たのは、頭と尻だけ見れば良いと判断した視聴者がたくさんいた事を意味する。その視聴態度で充分だった所にホタルノヒカリの弱さがある。

でも、蛍と高野の軽妙なやりとりの面白さは、結末が分かった今こそ安心して見ていられる。もう一度このドラマを見たら大いに笑える事だろう。何度も鑑賞に堪えうるドラマだとの評価も可能だ。
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ホタルノヒカリ(コミック:ひうら さとる)
ホタルノヒカリ サウンドトラック
横顔(エンディング曲:aiko)
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