テレビ批評的視聴記 - 2007/09/02

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2007年09月02日(Sun)▲ページの先頭へ
さよなら絶望先生 #8

【あらすじ】臼井影郎(うすい かげろう)の影の薄さは尋常ではない。親にも気付かれず育ち、写真は見切れ、中学は皆勤賞でも欠席扱いで登校拒否と思われていた。でも、しがらみ高校で影の薄さを解消しようとクラス委員になった。しかし委員長は木津千里だと思われている。

糸色望:絶望先生は、ノーベル賞のキュリー夫、新撰組吉村、インド10億人などから、影の薄いのは宿命だと言う。木村カエレの水着姿も新井知恵先生の影に隠れ、千円拾って届けた糸色も風浦可符香の大金届けで霞む。
「絶望した。凄い事が影に隠れてしまう社会に絶望した!」

新学期。夏休みロスタイムで来ない絶望先生。新井先生が首に縄を付けて連れてくる。避難訓練ではなく、社会に出て傷付かないようにするための「非難訓練」。消防署の方からやって来た指導員が非難開始、絶望先生が非難誘導。ネットアイドルにブス、木津に安いガムの匂い、藤吉晴美にマンガメガネ、小節あびるにドMミイラ、常月まといにおかっぱ背後霊。

風浦は非難するなら低い姿勢だと指摘し、低姿勢非難へ。ここでも臼井はスルーされ非難されない。しかし風で頭の地肌が露出し臼井影郎の存在に皆が気付く。非難される前に自分で自分を「薄毛」と非難。
糸色「人は自分を非難する時、ダメージを少なめに言うものなのです」

ハゲと言いたい一同。このままでは妖精さん(臼井)が危ないと考えた風浦は、美人の新井先生に非難してもらう事を思いつく。新井先生に非難された臼井は喜びを覚える。また風で臼井の地肌は隠れ、存在感が消える。新井先生からの非難希望の男どもが東京ドームを埋め尽くす。

【感想】◇
生まれつき影が薄く、何をやっても存在感のない臼井影郎の回。頭が輝いた時にしか皆に認識されない。「薄い」がキーワードで、薄まったり薄めたり。

臼井の影が薄いのを出発点に、生い立ちの様々な薄さを強調。功績を上げてもそれを上回る人や出来事があれば、影に隠れて人々の記憶に残らず存在感が薄くなる。影が薄いとか存在感が薄いといっても、本人は努力しているのかもしれない。相対的に見るか絶対的に見るかの違い。

風浦は日時計・陰干し・影踏み・スルエットクイズなどから、影を評価する姿勢を示すが、光があるからこその存在のものが多く、影のマイナスイメージを払拭できたとは言い難い。「影が薄いのは宿命」という糸色の方が説得力がある。

避難訓練よりも非難訓練の方が教育には必要かもしれない。社会に出た時のダメージを薄めるための非難訓練。災難を避けて逃げる避難ではなく、あえて非難の渦中に身を投じてみる訓練。攻めで責めの教育ですね(笑

非難によって自分の勘違い・思い込み・奢りに気付くかもしれない。他人からの視点を知り、現状をしっかりと認識させる非難訓練。非難されて非に気付いた時は己を改め、自己認識と異なる場合は他者認識とのギャップを埋める努力をせよという事か。

避難では煙に巻かれないように低い姿勢をとるから、非難も低姿勢ですべきとの風浦の指摘は面白い上に卓見。非難する側にも節度を求めているようでいて、低姿勢非難の方がグサりと来る事もあったりする。一方、非難誘導する糸色は非難をワンフレーズに短縮していたが、短縮形は使いやすい・言いやすいレッテルになりやすく、こちらも危険な行為。

臼井を妖精さんだから見えたり見えなかったりすると解釈した風浦。ファンタジックだが残酷な位置付け。見えてる時はハゲで見えない時は曲がりなりにも髪があるというのも、駄目な時しか他人に認識されない皮肉な状態。やはり「日陰者は日陰に居るもの」という糸色の言葉に説得力がある。

臼井は自分で非難した方がマシだと薄毛と言うが、それはダメージを薄める言説に過ぎないと糸色。そういえば自虐ネタなんかも、笑いに転化する事でダメージを薄めている。日本人は自虐ネタ好きだが、謙譲語の精神から来ている部分があるから仕方ない。

自分でダメージを薄めるのが駄目なら、美人から非難されて、違った喜びを感じさせる事でダメージを薄めようとの風浦の作戦。美人なら低姿勢でなくても良いという凄い価値観でもあるが、M性の発動でもっと非難してほしいと思う心もまた、逆にダメージを薄める効果はある。で、今回は誰のエピソードだったのかしら。
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