テレビ批評的視聴記 - 2007/07/24

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2007年07月24日(Tue)▲ページの先頭へ
ホタルノヒカリ #2

【あらすじ】雨宮蛍(綾瀬はるか)が昼食のパンをよく買いに行く「朝倉屋」。手嶋マコト(加藤和樹)はそのリノベーションを提案。蛍は賛成の声を上げ、高野誠一(藤木直人)部長も認める。マコトから御礼メールが入るが、蛍は「了解」と素っ気ない返事を出してしまう。

マコトは蛍の対応がよく分からないと三枝優華(国仲涼子)に相談。優華は恋愛に不器用なマコトの恋を応援すると約束。高野部長の妻:深雪(黒谷友香)はマンションを引き払いメアドも換えて音信不通。マコトのデザイン案は煮詰まり、見かねた蛍は徹夜で参考資料作り。しかし渡し方が分からずそのまま帰宅してしまう。

高野の指示でメールで参考資料の件を知らせると、マコトは蛍の家に取りに来ると返信。蛍と高野が同居だと知られないため、高野は玄関掃除、蛍は着替える。だが蛍は信じられない格好をしてしまい途方に暮れる。高野が最初に受け取った事にして、偶然を装ってマコトと接触する作戦に出る。

高野は台風の中、無事にマコトに資料を渡して帰宅。高野は妻の愛妻弁当とそれを食べなかった過去を思い出していた。干物女と良い夫でなかった男。人は変われるのか。
高野「君は…無理。未来永劫、君は干物女だ」
ムキになった蛍はマコトに仕事系でなく恋愛系のメールを送って翌朝後悔する。
「私は…あなたに逢いたいです」

【感想】○
何気にスゴイのかもしれないこのドラマ。何がスゴイって、今回は蛍とマコトが面と向かって会話を一切していない。メールのやりとりのみという、いかにも今風の作りになっているが、そのメールの出し方に悩む蛍。さらにリアル世界でも資料一つ渡せない蛍。恋愛から遠ざかっていた干物女の生態がまた一つ明らかとなる。

蛍もマコトも互いに恋は始まっているのに、蛍とマコトのやりとりはなく、蛍と高野、マコトと優華の関係で物語は進んでいく。恋の予感だけで何も起きていない状況で一話を使い、その中でしっかり笑わせてくれる。干物女という設定が細かい所まで根付いているからこそ、あり得るドラマとして見られるものになっている。

恋愛から遠ざかっていた蛍は、急にマコトを意識したために会話も出来ず、メールも出来ず、仕事のやりとりも出来ない。蛍が誤って仕事系で返信してしまったメールを見て、マコトの方も蛍の人柄を判断できない。「大人の女性って感じ」って勘違いでしょマコト。

会話もメールも仕事のやりとりも出来る環境にありながら、出来ない蛍が面白おかしく描かれる一方、高野部長と奥さんの環境は音信不通となって最悪に近づいている。二ツ木昭司(安田顕)の言う様に、向こうから連絡が来るのを待つしかない。意味合いの違う「したくても出来ない」状況が上手く対比されている。

ドラマの主軸は高野にありそうな気もする。蛍が徹夜して参考資料を作った様子と、妻:深雪の手作り弁当の記憶が重なる高野。深雪がどんな思いで作っていたか、高野は蛍の頑張りから教えられる。

だが、深雪の弁当を仕事の忙しさのせいにして高野が食べる事はなかった。そして今、蛍の資料もマコトに届かず、無かった事になろうとしている。当の蛍はアホミヤと自嘲しダメな自分に嫌気を差しつつ、諦めて縁側でマンガを読み「人生ままならない…」などと呟いている。

深雪にもこんな思いを何度も味あわせていたのだろうか。その結果の諦めが別居という形で表れたのだろうか。高野は失った過去を取り戻すかのように決意を固めて嵐の中へ飛び出していく。深雪とは何の関係もない世界の事であり、自己満足でしかない行動だとしても。

いつあるかもしれない、あるのかも分からない深雪からの連絡があった時、過去の自分と変わっていなかったら意味がない。だから高野は蛍とマコトのために行動した。そんな思いあっての高野からすれば、蛍などは変われない人間だろうし「未来永劫、君は干物女だ」と言いたくもなるだろう。

深雪役に黒谷友香というこれまた名のある女優を起用したので、今後の話にも絡んでくると予想しているが、どうなる事やら。外れだとしても今回くらいは高野部長を掘り下げた記事を書いても許されるよね。

ちなみに、蛍が送ったメールを消す方法はないかと訊いていたが、Webメールならniftyが「消せるメール」というサービスを開始している。
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