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【あらすじ】家綱の将軍宣下が8月18日と決定し、徳川頼宣(西村雅彦)は決起日を7月24日と定める。柳生十兵衛(村上弘明)は紀州和歌山城入りし、頼宣と面会。由比正雪(和泉元彌)との関係を問い質すがかわされる。自分の御墨付きも偽物だと言い張る頼宣。十兵衛は母:りん(富司純子)と再会。妻:るい(牧瀬里穂)の説明によって、互いに誤解していたのだと知る。
泣いて詫びるりんだったが、松下兵衛(大沢樹生)の恨みは消えず、兵衛は十兵衛に襲い掛かる。間に入った佐山寛平(苅谷俊介)が斬られ、十兵衛は小刀を抜いて兵衛を突き刺す。
兵衛「母上、私は何者だったのです?柳生の男になりたかった」
十兵衛「お前は柳生の男だ。俺の弟の柳生兵衛だ」
頼宣は船で江戸に向かい、十兵衛も決起を防ぐため江戸に向かう。同時にこれが最後の務めだとるいに誓う。十兵衛を襲おうとした国家老:鈴村播磨(大森啓嗣郎)を木村助九郎(江原真二郎)が止める。決起の万一の失敗に備え、お家安泰のため柳生に恩を売っておくべきだと。
江戸の張孔堂では正雪が公儀と頼宣の裏を掻いて23日決起の準備を進めていた。江戸を火の海にする計画を聞いた丸橋忠弥(照英)は密かに十兵衛に相談。正雪を斬ろうと戻るが、やはり斬れず、十兵衛に決起日を教えて袂を別つ。23日決起を伝え聞いた松平伊豆守信綱(西郷輝彦)は厳戒体制を急がせる。
【感想】×
母との和解、寛平と兵衛の死、決起を巡る情報の攻防、正雪と十兵衛のどちらが速いか対決で最終回へ。終盤なので色々と盛り上がりの要素を詰め込んであるものの、一つ一つに不自然な点が目立つ上に、母方との再会と決起との闘いという二本柱が何ら噛み合っていない。
柳生十兵衛はようやく紀州に辿り着き、頼宣と対峙。#4で御墨付きという証拠も握っているのに言葉であっさりとかわされる。そして母というニンジンに釣られて引き下がる弱腰。
母との再会と誤解の解消は感動要素となるべきなのに、視聴者には既に前回、るいによって誤解だったと判明しているので、りんと十兵衛のやり取りはおさらいになってしまい、感動も何も沸き起こらない。
兵衛との対決も、#5記事で指摘したとおり笙の運命と同じで、これもまた繰り返しとなる。しかもこの回で十兵衛は兵衛の存在を知ったのに、なぜか今回、弟がいた事に衝撃を受けていたのも不可解。
寛平の死に際も拙い演出。寛平は十兵衛と母との仲を割いた原因を作ったとの自責の念があり(#3)、それは違うと慰められつつも、自分が斬られて因果応報なのだというような事を言って死ぬべき所を、十兵衛への感謝を述べるだけで息絶えてしまった。
木村助九郎は父:宗矩の配下であり、十兵衛と敵対と言って良いほど相対してもおかしくない存在として#5で登場したのに、何ら見せ場もなく従い、十兵衛を助ける行動にまで出ている。
由比正雪は、今まで何年も掛けて幕府転覆の準備をしてきたのに、突如として荒唐無稽な計画を口にし、正気を失った人物として描かれ始めた。十兵衛を斬る事にあれほど執着していたのに、そしてそれがことごとく失敗したのに、決起が近づくと十兵衛の事など気にも留めない。
丸橋忠弥の葛藤からくる優柔不断は、行動としては分からなくもないが、結局は正雪側に付いてしまう。つまり十兵衛よりも正雪の魅力が上回った事になり、迷い続けた十兵衛との共感よりも一本気な正雪の方が人は付き従う事を意味する。主人公:十兵衛の人間性やカリスマ性が丸橋によって否定されてしまっている。
そして今回、最も意味不明な流れは、最速の船で江戸に向かった頼宣より後に徒歩で出立した十兵衛が、江戸の丸橋と二度も会い、時間的猶予すら与えている点だ。頼宣はまだ駿府沖に居るのに。母との再会を頼宣が画策したのは、十兵衛を紀州に足止めする意図もあり、今回はその目的が達成され二本柱がようやく噛み合ったかに見えたが、全て無にする俊足十兵衛。都合良すぎ。
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【あらすじ】新庄由美子(矢吹春奈)は娘:理沙(北山向日葵)を幼稚園に迎えに行き、逆上がりを健介(大熊啓誉)に教えてもらおうと話しながら帰宅。そこへ義弟で警官の清志(牧田哲也)が現れ、美少女戦麗舞パンシャーヌの正体が角の家の寝たきりのおばあちゃんだと告げる。怒った由美子は清志を追い出す。
理沙「ママなのにね。美少女戦麗舞パンシャーヌの正体」
正体がバレたらナマコにされてしまう条件のため、由美子は理沙に口止めを要求。しかし理沙はケータイで友人に正体を話してしまう。神様(猫ひろし)が現れ、懇願も叶わず由美子はナマコに。その頃、町内ではケータイ怪人(佐藤正宏)が出現していた。
悪口の電話や留守電、メールが持ち主の女子高生(石井祐奈)に届いてばかりで、女子高生はケータイを捨てた。悪い心だらけの体を浄化するため、良い心の子供を襲うしかないと考えたケータイ怪人は、理沙の友達:浩二(松本大空)の良い心を吸う。理沙はパンシャーヌを呼びに家に帰るが由美子はナマコになっていた。
神様は理沙を美少女戦麗舞(セレブ)パンシャーヌミニに任命。コスパで衣装を作ったミニが出動。
「花も嵐も踏み越えて。戦う愛のエレガント!美少女戦麗舞パンシャーヌミニ参上!!」
しかし、良い心を吸い過ぎたケータイ怪人は腹痛に倒れ、悪い心だけになった浩二が怪人を襲っていた。神様が止めに入るも、浩二は神様をもボコボコにする。
「どっちを倒して良いのか分からなーい」
当てずっぽうでパンシャーヌミニの放ったシロガネーゼアタックミニは神様に命中。やむなく神様は由美子を戻し、美少女戦麗舞パンシャーヌを出動させる。パンシャーヌミニはバニラアイスをケータイ怪人にぶつけ、良い心を奪い返す。だが再び悪い心だらけになった怪人は、パンシャーヌへ「ケータイ不携帯」「バリ三チョップ」「ケータイキック」「バイブアタック」を繰り出す。
シロガネーゼアタックを食らってバッテリー切れしたケータイ怪人。ピュアウェーブは持ち主の心にしてくれ、との要望を受けパンシャーヌは女子高生にピュアウェーブ。改心した女子高生は寝たきりの祖母の見舞いに行く。添い寝をするが、老婆(沢田幸子)は寝たふりをしていただけであり、「バカにするな」と怒り、止めに入った清志共々、女子高生を叩きのめす。
【感想】◇
他者とのコミュニケーションツールとして急速に普及したケータイ電話。生活が格段に便利になった一方で、悪意の伝達手段としても使われる。その問題は個人ツールであるがゆえに家族などに伝わらず発覚しにくい。仲間内でのコミュニケーションの発達は、相対的に仲間外とのコミュニケーション能力の低下をもたらす。
特にケータイ文化圏から外れた老人との断絶は、老人への理解を低め、やがて社会的・政治的・経済的格差をも引き起こす。単なるケータイ(物理的情報装置)の格差問題は、そこから派生した文化の違いから、文化的情報装置の格差へと広がり、社会関係・社会構造などを変える事になる。
逆上がりについて話す由美子と理沙。逆上がりの出来ない理沙は健介から教えてもらう事に。逆上がりも出来ない理沙だが、未来ある理沙にはそれを手助けする存在がいる。一方、老婆の方は歳を取って出来なくなる事が増えたが、誰も手助けする存在はいない。
由美子は、自分がパンシャーヌだとバレてしまってナマコにされる。ナマコになると家事も出来ず、家族とのコミュニケーションも取れない。相手にされず、忘れられた存在として寝たきり老人と同等になってしまう。今回、由美子はこの辛さを身をもって感じた。子供と老婆とナマコの境遇。これらの差を生み出すものは何か。
女子高生はケータイ依存の生活を送っており、そこから来る悪口に悩まされていた。自分の悪い心がそうした悪口を呼び込む側面も自覚できない。仲間内コミュニケーションのケータイでの悪意の連鎖を断ち切るために、女子高生はケータイを捨てるという極端な方法を取るしかなかった。
ここに、この女子高生が悪事から離れたい・善い事に近づきたいとの意思を持っている事が覗える。ピュアウェーブで改心できたのはこのためである。しかし、仲間内だけのケータイに浸った生活を送っていた女子高生は、老婆への理解が足りずその善行は的外れなものとなる。今回は改心の限界も示された。
「疲れたから一緒に寝かせて」
そう言って老婆の布団に入る女子高生。だが老婆は疲れて寝たきりになっていたのではない。老人だから体力が無くなって寝たきりになっていたのでもない。老婆は元気でちゃんと活動ができる状態だった。バカにされたと感じた老婆は暴れる。
老婆は、ケータイを持たない物理的情報装置の格差の下にあっただけ。その、いわゆるデジタル・デバイトは、今や社会や政治経済との格差に広がりつつある。それは、情報機器を使いこなせないがゆえに、社会の要請に応えられなくなった老人の抗議の声を上げる手段が、これまた情報機器によってしか出来なくなった事、及び、他の社会階層が情報機器ばかりに頼るがゆえに、そうした老人の声に気付かずに過ごしてしまうからである。
老婆は社会的に追い詰められ、政治からも重要視されなくなり、年金という経済面でも打撃を受ける。もはや外に出ての消費活動や金の掛かる文化活動も無理となり、家で寝たきりになるしかない。当然、ケータイなどという継続的出費も不可能。孫の女子高生との繋がりも絶たれる。
さて、由美子と共にパンシャーヌの仲間入りした理沙。だがその存在は二人だけの秘密であり、由美子と理沙との間にはパンシャーヌという仲間内コミュニケーションが成立する。独自の口上・マニアックな衣装・神様から授かった不思議な力を武器に、町内の平和を守るため陰ながら戦い続けるスーパーヒロイン達。
母娘共闘とは聞こえが良いが、その内側には仲間内コミュニケーションという他者との断絶を孕み、さらには仲間外れの形となった夫:健介との家庭内不和の危機も含んでいる。外側には人知を超えた力の発動による、今回のような誤射の危険性や、強制的に改心させる事の社会的影響の是非も問われる事態になるのではないか。
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大人の知らない子どもたち―ネット、ケータイ文化が子どもを変えた
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「寝たきり老人」のいる国いない国―真の豊かさへの挑戦
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【あらすじ】もんじゃでメジャーな街:月島で、もんじゃなしのブラブラ散策開始。自分の尻尾を噛む犬発見。もんじゃTシャツ売ってる「トーアクリーニング」。買うとダーツ、命中すると月島仮面Tシャツプレゼント。練習で大江麻理子アナが命中。本番という事にする。その場で着たらタダなので全員着る。大江アナ着替えセクシーアングル。
駄菓子屋「ゑちぜんや」でステッチが当たる玉入れ。打った玉がそのまま出てくる。ステッチって何?人形のスティッチの言い間違い。盗聴器のガチャガチャに挑戦。しかしテレ東のケロロ軍曹人形ばかり出る。大江アナ指錠を引当て。「夜に彼氏から使われ、取れないって言ってる間に色んな事されちゃう」軽いセクハラ。
もんじゃ店の客から味の感想を聞く。銘菓:かちどきワッフル売ってる「つきしまテレビ」。イチ押しがコード類。閉店?した小平洋服店で「御自由にお持ち下さいワゴン」発見。上半身マネキンなど。路地を入り、更に極細の路地に進入。「強く何回も押してください」ブザーの家。三村が押すも無反応。表通りに出ると「まみです。噛みつきます」の猛犬注意。
とれ高サイコロで「7万円使え」。ふとんの「遠州屋」で枕・おねしょシーツ・ベットパット・バスタオル購入。37450円。さらにテンピュール枕・ぬいぐるみ追加で65500円。残り4500円で盗聴器ガチャガチャ再挑戦。ケロロだらけの中、ガサ入れセット・警視庁捜査二課の立入禁止テープが混ざる。7万円遣い切って自腹突入。4000円かけて遂に盗聴器ゲット。試すが何も聞こえない。
医学部受験個人塾「寺子屋MEDICO」の授業参観。難解。元代ゼミ講師:鞠子先生はお洒落な香水でも「普通です」。「サンマが不味い」と言って帰る泥酔客がいた、もつ煮込み屋「牛もつ げんき」でバージョン?注文。フワ・軟骨・腸に、卵・煮豆腐・煮卵が付くバージョン。蒼井そらポスター貼ってある立ち飲み酒屋「枝村酒店」で乾杯ホッピー。とれ高OKで終了。
【感想】○
もんじゃ以外はモヤモヤしている月島で掘り出し物を探すさまぁ〜ず。見どころとしては、大竹が食い付いた盗聴器ガチャガチャ攻略。三村の家族孝行ぶり。大江アナへのセクハラ。
盗聴器が出るまでガチャガチャで粘る三人。怪しいモノ好きの大竹が食い付き、小イベント好きの三村が乗って成立した挑戦。もんじゃの街:月島でのシュールな構図だが、正月や北新宿の1000円自販機と比べると面白さは劣る。
何が出るか分からない自販機に対し、こちらは盗聴器目当てで、機械本体から中身がケロロ軍曹ばっかりだと事前に予想できていたから。1200円+4500円+自腹4000円注ぎ込んでのゲットは意地の段階。その盗聴器が何の性能も発揮せずに終わるダメダメなオチはこの番組らしさを発揮。三村がケロロ人形を家族のために持ち帰ったり、集まった子供達にあげる姿は微笑ましい。
お金使え指令が3連続の奇蹟を受けての、ふとん屋での三村の家族孝行ぶり。三人平等に金を使おうと遠慮していた三村に大竹が「お前んち家族なんだから お前ばっか使っていいじゃんか」と真顔で怒ってたのが印象的。水臭いだろと。ものすごい袋の量になって店を出た三人の姿がテレビの絵とは思えない。大竹が大江の持ってた袋を持ったが、あれはもともと大竹の買った枕が入っていたので、大江への気遣いとはやや異なる。
「この番組やってて大江は何にも要らない事が分かった」と三村が言ったが、確かに大江は自販機の挑戦回数も、購入品も少ない。でもこれはアナウンサーとしてのタレントへの遠慮に思える。そんな遠慮こそ要らないよという意味で三村は言ったのだろう。優しい三人さん。
でも今回、さまぁ〜ずが取った大江の引き立て方法は、セクシーアピールだった。コートを脱ぐシーンでチーフカメラが大江の胸に寄った時点で、さまぁーずのセクシー押しスイッチが入った模様。指錠セクハラ・最近の性生活を尋ねるなど、カタイ・上品イメージの大江にイメチェン攻め。
極細路地への大江の誘導は、この番組にしては珍しい「非・行き当たりばったり」な感じがしたが、ブザー無反応というオチでらしさを取り戻す。さらに大江のクシャミで駄目押し。NG大賞でもないのにアナウンサーのクシャミが流れるのは、バラエティー番組の中でも珍しいのでは。
前回指摘した住民との触れ合いも若干あり(客のいた立ち飲み屋でとれ高OKとなったのはこのためか?)、深夜枠に移ってのサービスも取り入れ、何も考えてないようで少しずつ進化している印象を受けた。
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タママ二等兵(個人的にはこれが良い)
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【あらすじ】金剛山中に由比正雪(和泉元彌)に味方する可能性のある一派がいると聞き、柳生十兵衛(村上弘明)は山に入る。彼ら山の衆は、どの勢力にも属さず独自の生活文化の中で暮らしていた。謀反に加わる気配無しと下山した十兵衛だったが、山中で父:宗矩(夏八木勲)の亡霊を見た十兵衛は再び山に向かう。
山の衆は麓の武士らに襲われ血気に逸っていたが、十兵衛は丸橋忠弥(照英)の言葉から正雪の仕業と推理。山の衆の首領:槐(白竜)に待つよう頼む。十兵衛の読みどおり正雪は金井半兵衛(五宝孝一)の策により、麓の武士に扮して山の衆を襲撃したのだった。正雪を斬ろうとした十兵衛を丸橋が止める。
その間に新庄藩郷奉行:黒川元右衛門(永田耕一)が幕府に従わない山の衆を襲撃。戻った十兵衛に山の衆が詰め寄り、槐と十兵衛は勝負する。勝った十兵衛は宗矩の亡霊から誉められるが、十兵衛はその亡霊を斬る。
紀州に着いた十兵衛の妻:るい(牧瀬里穂)は母:りん(富司純子)と会い、十兵衛との確執が誤解であったと判らせる。徳川頼宣(西村雅彦)の企みを問い詰めたりんは、十兵衛の人を活かす剣が解決すると言うが、それを聞いた松下兵衛(大沢樹生)は十兵衛を斬ると宣言。
【感想】×
何だかもう、真面目に見るのも馬鹿馬鹿しい感じで、あらすじも結構適当に書いてしまったが、それぞれのキャラがブレて軸がなく、屈折していて行動が支離滅裂、今回の敵役の存在意義も不明とあっては、何を評価して良いものやら。
十兵衛が政事と剣士の間で迷って揺れ動く…というのは第一シリーズから変わらない基本線なので良いとしても、今シリーズはそれに対する軸が弱すぎる。父:宗矩の政事が死去により無くなり、代わって母:りんとの確執が浮上しているものの、それは政事と剣士の問題とは殆ど無関係。
しかも今回、るいとの対話であっさりとそれが誤解だと判ってしまう。せめてそれは十兵衛との直接対話で明らかとすべきなのでは。これでは次回の母との再会の重みが薄れるだけ。
敵の大将(に祭り上げられた)徳川頼宣は最初は決起に同意していたが、途中から政治工作に切り替え、今回再び決起を選択するなどブレまくり。やたら明るい笑顔と裏の顔の使い分けキャラとしては面白いが、その裏の顔部分でブレていては骨の無い人物としか映らない。
由比正雪は今度こそ幕府転覆を成功させたいとの意志を持っていながら、十兵衛の排除に重きを置きすぎていて、幕府よりも単に十兵衛を倒したいだけの人物に思えてしまう。今回は演出面でも粗があり、からくり扉で逃げたと思いきや、次のシーンで追いつかれてしまってるし。追いつかれた時点で丸橋と合流していた形になっていればまだ納得できたが。
丸橋は正雪の一番の協力者でありながら、正雪の汚さに気付き、裏切り伏線が張ってあるようにも見えたが、今回は「しるべ」とやらを持ち出し、どこまでも正雪を守る構えを見せた。そもそものキャラ設定からして間違っていたのでは。
るい・兵衛は、十兵衛を挟んでの対極キャラであるが、家族レベルの信念しか持ち合わせておらず、敵味方にあっても政事や剣士といったレベルに関係してこない。大筋に割り込んできてドラマ時間を消費する厄介者。
これまでは、迷う十兵衛とそれに対峙する迷いの無い強い敵役が基本構図で、敵役には敵の中の敵と、味方の中の敵がいる部分が面白さを出していたが、今シリーズは敵役がブレているか、単純(私怨)のどちらかで、ドラマ全体に骨が無い。さらに母との再会という要素を詰め込んで散漫になり、繋ぎ合わせるための脚本に無理が生じている。
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【あらすじ】明治30年代は都市化が進み、新聞小説が脚光を浴びた。平井太郎は新聞小説から文学に興味を持ち、大学生時代にエドガー・アラン・ポーの「黄金虫」を読んで感銘を受ける。探偵小説の本場:アメリカへの夢を抱くが、渡航費用がなく断念。しかし大正11(1922)年に探偵小説を特集した「新青年」が創刊され、平井は江戸川乱歩として「二銭銅貨」でデビュー。
その後2年間で短編28・長編4本を執筆し、大正14(1925)年には「D坂の殺人事件」で名探偵:明智小五郎を登場させる。100万部以上の発行部数の雑誌への連載も積極的に行い、昭和4年の「芋虫」で乱歩はエロ・グロ・ナンセンス時代を代表する作家となった。しかし、猟奇的な殺人事件が起きると乱歩が犯人だと投書され、乱歩自身が猟奇的人物であるとの虚像が独り歩きし、乱歩は大衆に嫌気が差して執筆を絶ってしまう。
昭和10(1935)年、少年倶楽部から少年向け小説の依頼を受けて書いた「怪人二十面相」の少年探偵団が大人気となる。だが翌年からの日中戦争で「探偵小説は反体制的」とされ、警察や内務省の検閲は激しくなり、太平洋戦争開始後に乱歩作品は全て絶版にさせられた。
終戦後、乱歩は疎開していた福島での就職を取り止め11月に帰京。昭和21(1946)年4月に探偵小説専門誌「宝石」の刊行を手伝う。ここで乱歩は自らは執筆せずプロデューサーとして小説の審査員や海外作品紹介をする。昭和22(1947)年6月21日に探偵作家クラブ(日本推理作家協会の前身)を設立し、講演や座談会、人材の発掘と育成に力を注いだ。戦後も書き続けたのは「少年探偵団シリーズ」だった。
【感想】◇
日本での探偵小説の先駆者であり、ミステリー小説界を発展させた人物である江戸川乱歩の、大衆との関係性を追った回。
初めは自分がアメリカに行ってそこで執筆活動をしようと思っていた乱歩。費用がなく断念したが、日本でも探偵小説誌が創刊し、受け入れられる素地が出来たと見るや多数の作品を世に出し、たちどころに人気作家となる。しかし大衆は、作品から乱歩も猟奇的だと連想し、その慮像に乱歩は押し潰され大衆を信じなくなる。
そんな乱歩を救ったのが少年倶楽部であり、純粋に話の筋を楽しむ読者:少年少女達だったのだろう。だが大人達が始めた戦争のために、乱歩は書きたくても書けない状況に追い込まれていく。
戦後になると乱歩は一転して作品を審査する側に回る。山田風太郎・横溝正史・仁木悦子・松本清張などの新人発掘に関わる。それでも「少年探偵団シリーズ」だけは執筆を続けた…というのが大まかな流れ。戦前と戦中の二度の断筆は意味合いが異なり、戦前は自ら書くのを辞め、戦時中は書くのを禁じられた状況だった。
乱歩の活動は、戦前と戦後で執筆からプロデューサーに変わったと見るよりも、「少年探偵団」の前後にこそ転機があったように思える。大衆によって作られた乱歩の虚像は、乱歩自身を相当深く傷付けたのではないか。
論理的な筋で犯人を特定する推理小説の書き手にとって、非論理的な邪推で自分が犯人だと投書されるのに耐えられなかったのだろう。戦後の団体設立や人材育成も、傷付いた自らの経験を他人に負わせたくない…との思いがあっての事のように思える。
探偵小説の第一人者として走ってきたが、だからこそ非難も一身に受けた乱歩。業界団体を設立し、仲間を増やして誤解を招かないようにする。その団体内での交流を大事にして作家仲間を守ろう…との意識があったのではないだろうか。「少年探偵団」の継続執筆も、すそ野を広げての後継育成の一環であると同時に、乱歩が邪推のない少年少女を好きだったからだと思う(ま、この記事も邪推だけど)。
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探偵小説四十年(上)、(下)
うつし世の乱歩 父・江戸川乱歩の憶い出
江戸川乱歩と少年探偵団
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【あらすじ】お茶を飲んでくつろぐ新庄由美子(矢吹春奈)と夫:健介(大熊啓誉)。娘:理沙(北山向日葵)は連休にモルディブでダイビングをしたいとねだる。断られた理沙は土手で丘ダイバー(パパイヤ鈴木)から声を掛けられ、丘ダイビング教室の無料講習を受講し始める。
理沙を尾行した由美子はセーラー服姿に変装して潜入。そこは丘ダイバーとアシスタント(渡部彩)が海の危険性を訴え、丘での準備:イメージトレーニングをする道場だった。理沙や義弟:清志(牧田哲也)らは、泳ぎや甲羅干しのシミュレーションやシンクロ、水無しビーチバレーなどを練習。
突如として自宅で理沙が倒れ、その首に魚のヒレが付着。医者によると、やがてエラ呼吸でしか生きられなくなるという。由美子は丘ダイバーを倒すため美少女戦麗舞パンシャーヌに変身。
「海の危険を皆に伝えるフリをして、こんな危険な目に遭わせるだなんて、この私が許しません!」
丘ダイバーは乱獲されたマグロの怨霊で、釣り上げられ空気中でエラ呼吸を強いられたマグロの苦しみを、人間に知らしめようとしていたのだった。水無し水球で勝負するパンシャーヌと丘ダイバー。動きづらい丘ウエットスーツ(8万円)や丘ボンベ(115万円)、丘水中メガネ(300円)で身を固めた丘ダイバーはボールを受けられず突き指。
「あぁ、指がっ!指がぁっ!!!」
しかし舟盛サンダーランドでパンシャーヌは倒れる。
「どうするパンシャーヌ?どうするっ!?」
さらに丘ダイバーは、お刺身用中トロのムーンライトセレナーデで攻撃。必死に交わすパンシャーヌ。
「はっ、速い!なんて素早い攻撃なのっ?!」
ここでパンシャーヌはムーンライトセレナーデを口で受け止め食べ尽くす。シロガネーゼアタック、ピュアウェーブで勝利。海に帰っていく丘ダイバーにパンシャーヌは誓う。
「約束します。これからマグロを食べる時は、あなた達のためにこの言葉を贈ります。
いただきます!」
【感想】◇
丘で暮らす人類を魅了して止まない海。ストレスにまみれた日常から離れ、マリンブルーと白い砂浜のコントラストが目に飛び込む。ビーチに寝転がり、海で泳ぎ倒す。そしてダイビングで色鮮やかな熱帯の魚と戯れる。死の危険すらある海に人は入って行き、溺れ・さらわれ・海上保安庁のお世話になる。
そんな快楽とリスクがある海だが、それらは全て人間の側からの視点でしかない。丘で生活し海で遊ぶ人間とは別に、海には海で生活し丘に釣り上げられ死んでいく魚がいる。人間は海で遊ぶだけでなく、丘の生活を豊かにするために海の魚を獲って食べている。
マグロは手頃で美味しい食材として漁獲されており、近年は世界中で日本食ブームが起き、寿司用のマグロが乱獲されている。年々マグロ漁業環境は厳しくなっており、漁船用の原油価格高騰と相俟ってマグロの価格も高騰。日本人が手軽にマグロを食べられなくなる日もそう遠くないと言われている。この高まる希少性が更なる乱獲を生む悪循環になっている。
丘ダイバーは、海を単なるリゾートの場としてしか認識せず、海の恵みを当然のものと考え、そこで起きているマグロの危機に思いを巡らす事のない人間への復讐に立ち上がった。金さえ出せばマグロ寿司が食べられると思っているエコノミーども(違w)。その金を求めて乱獲されるマグロの、空気中でのエラ呼吸の辛さを解らせてやりたい。スコー。
理沙は#5で祖父母から寿司屋に連れて行ってもらっている。そこでマグロをたくさん食べたはず。それなのに理沙はマグロへの感謝の念を抱いていない。由美子を祖父母から守るという面もあったにせよ、由美子の料理でない高級食材が食べられるという打算でマグロ寿司を食した。祖父母も理沙のご機嫌を取るためにマグロ寿司を食べさせた。
そして由美子は主婦として毎日の食事を作っている。様々な料理のバリエーションの中で、マグロの刺身は高級感が味わえる上に料理の手間が掛からない一石二鳥のメニュー。由美子もまた、手軽にちょっとセレブな気分になれる食材としてしかマグロを見ていなかった。さらに健介・理沙と囲む食卓こそが由美子にとって幸せの象徴であり(参照解釈#1)、そこに出す食材への思いなど二の次だったのだ。
食材を獲る人と流通させる人や作る人・食べる人の分離は、分業によって発展する人類にとって不可欠な手段だった。分業の対価として金銭を払う。その金銭すら、食べる人が獲る人に直接払う事はない。それらの徹底した分離が、何も考えずに食べる行為を生み出した。そしてより良い食感と味覚を求めたり、他人との交流のために食べる行為にふける現代人。
美少女戦麗舞(セレブ)パンシャーヌは、マグロの怨霊である丘ダイバーが、身を削って繰り出したムーンライトセレナーデを食べる事で勝った。自分が食べるとは他の命を奪う事であると気付かされた。食べるという行為そのものの持つ重みを知った。思いを至らせる事なく食べていた己の傲慢さを反省した。食べる前にはその恵みに感謝しなければならない。
いただきます。
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日本の食卓からマグロが消える日―世界の魚争奪戦
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【あらすじ】柳生十兵衛(村上弘明)は徳川頼宣(西村雅彦)を追って尾張入り。道中、家老の成瀬正虎(鈴木一功)を松下兵衛(大沢樹生)が襲う所を目撃。それを柳生の小太刀を持つ笙(水野美紀)が退ける。しかし尾張柳生家の柳生兵庫(吉田栄作)はその女の存在を否定する。
由比正雪(和泉元彌)は尾張家当主:徳川光友が頼宣を将軍に推挙するという偽の印状を、用人:蒲原主水(斉藤歩)に書かせる。頼宣と面会した十兵衛は、母:りん(富司純子)の命は父:宗矩(夏八木勲)が紀州に遣わした木村助九郎(江原真二郎)が握っていると聞かされる。
兵庫から尾張を勘ぐるなと言われた十兵衛。剣と政事について論争となり、木刀で手合わせ。兵庫がかつての自分のようだと呟く十兵衛。一方、兵衛は剣によって柳生家に認めてもらおうと稽古する笙に自分を重ね合わせていた。正雪はこれを利用し、笙に十兵衛を斬るよう依頼する。笙は「何事かを為す=己を生きる」ために十兵衛に立ち向かう。
二刀流で攻める笙だったが、十兵衛に剣を跳ね飛ばされ斬られる。十兵衛はその手に剣を握らせ、自分の腕の中で笙の最期を見届ける。十兵衛一行が印状を奪い、江戸では家綱の将軍宣下の日程が決定、頼宣と正雪には決起の道しか無くなっていた。
【感想】△
尾張柳生当主が戯れに生ませた娘:笙は、誰からも認められない人生を送る中、柳生の剣士である事だけが支えだった。笙は剣術を磨いて生きるため、十兵衛を斬ろうと戦いを挑む。
落とし種という出生、女という性別で笙は蔑まれ、柳生家に迎え入れられない。当主が代わって兵庫の時代になり、普通の娘としてなら迎え入れると言われても、笙は剣士として柳生家に入る事に拘っていた。
こうした境遇が十兵衛の弟でありながら、その存在すら隠された松下兵衛と重なる。今回はこの兵衛の人物像を説明するために笙を登場させたと解釈できる。だが笙の運命の顛末まで描かれてしまっては、今後の兵衛の運命すら説明する事にならないだろうか。兵衛に別の答えが用意されているなら話は別だが。
剣と政事について論争する十兵衛と柳生兵庫。柳生の剣を政事に利用する者がいるからこそ、剣のみに生きる事が肝要とする兵庫。だからこそ政事も兵法だとする十兵衛。だが十兵衛自身、この考えには絶対の自信がなく、なぜ父:宗矩が積極的に政事に関わったのか知りたいと思っている。
その答えを見つけるためにも剣術を磨き、立ちはだかる者を斬り、そして母と再会する日を目指している。母が何らかの答えなりヒントを握っているのではないかと。そんな絶対的存在でない十兵衛に戦いを挑んで斬られる笙。そして母の側で育ちながら、柳生全否定の思考しか持たない兵衛。どちらも虚しい。
殺陣は女性の二刀流にそもそも無理があったが、剣士と普通の娘という二つの道を表現していたと思われる。その内の一つ(剣士)が跳ね飛ばされ否定された。そして、剣士の道を選んだ笙は斬り殺される。剣士の道は生死を賭けた厳しいものだと十兵衛が教えたのだろう。普通の娘としての道があったとしても、剣士の敗北は死あるのみ。
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【あらすじ】平治元(1159)年の平治の乱で平清盛と戦った源義朝は、関東武士に動員を掛けるが、拒否されて兵力不足で敗れる。その子:源頼朝(14歳)は捕らえられ伊豆の蛭ヶ小島(韮山)へ流罪。平家は隆盛を極め、「平氏にあらずんば人にあらず」とまで言われる。治承3(1179)年には後白河法皇を幽閉し反対派を一掃した。
治承4(1180)年、以仁王の乱が起き、全国各地の源氏に平氏追討の令旨が発せられる。対して平氏は令旨を受け取った者を追討する事を決め、令旨を受け取った頼朝(34歳)はやむなく決起。各地の豪族に参加を促すが40騎しか集まらず、8月23日の石橋山の戦いで敗れる。箱根山中をさ迷い、真鶴から海路で安房に逃れるが、首を狙う豪族に襲われる。
9月1日、頼朝は以仁王の書状に「東国各地の土地支配権は頼朝に任せる」とあると主張。しかしこれは全くの嘘で捏造だった。それでも4日には安房国の安西氏、17日には下総国の千葉氏(3百騎)が合流。日和見だった上総広常(2万騎)も19日に頼朝の気迫に負けて服従。
広常「頼朝は大将軍なり」
隅田川の交通支配権を握る秩父平氏は、平治の乱以降に平家と結んでいたが、4代前の源義家から恩賞を与えられていた。頼朝は源氏の白旗70本を岸辺に掲げ、秩父平氏に過去の恩義を思い起こさせた。頼朝の軍勢は10万騎に膨れ上がり、10月11日に鎌倉入り。
「平家は今の主、頼朝は4代相伝の君なり」
9月5日の朝廷による頼朝追討の宣旨を受け、清盛の孫:平維盛(24歳)を総大将とする平氏軍は駿河に到着。駆武者という兵の現地調達を行ったが、見返りの無い平氏軍に加わる者は少なく、3万騎しか集まらなかった。一方の頼朝軍は20万騎で富士川に到着。10月20日夜半、水鳥の飛び立った音で平氏軍は逃げ出し頼朝勝利。23日、頼朝は約束どおり兵達に土地を恩賞として与えた。
【感想】◇
囚われの身から40騎で決起し敗れた頼朝が、わずか2ヶ月後には20万騎の大軍を集めて勝利したのはなぜか、兵力5千倍の秘策に迫る回。
執筆者は小学校時代に鎌倉へ社会科見学に行った関係で、頼朝について事前に結構学んだ記憶がある(小学生にしては学んだという意味)。その頃から「なぜこれほど短期間に大兵力となったのか」が疑問だった。その時読んだ本には「平氏に不満を持つ源氏がどんどん集まったから」との理由が説明されていた。それでは石橋山の数十騎で敗れたのは何だったのかという疑問はずっと残っていた。
今回、それらの疑問が解消されるのかと期待して見たが、納得できたようなできないような。石橋山の時の頼朝は拙速で兵(つわもの)としてのカリスマ性にも欠けていた、との事。でも死線を越えて強くなり、知略にも長けていったという説明。そして肝となる部分が以仁王の書状のハッタリだった。どうも石橋山の頼朝と安房に着いてからの頼朝が、武勇でも知略でも別人のように思えて仕方がない。
それはそれとして、平氏に取り入った一部の源氏のみが栄え、大部分の源氏は現状に満足していなかった…という状況を読んで以仁王の書状の、土地支配権に関するハッタリを持ち出した下りは、ある程度納得の行くものだった。関東の所領を守る事しか頭に無く、父:源義朝の動員に応えなかった東国武士という気質を理解した上での知略とも言える。
頼朝の大兵力の出発点がこうした嘘に拠るものだからこそ、頼朝は信頼という感情に懐疑的で、後に云われるドライな政治を行っていったのだと解釈できる。番組最後に石橋山の戦いで死んだ者の墓前で涙した頼朝が紹介されたが、信頼に値する人達はあの40騎だけだったという事か。
あと、今回に限らず少々疑問に思うのは「騎」という表現について。騎は馬に乗った兵士の事であり、普通はその他に馬の世話係や食料・武器持ち、家来の足軽などが付くので、1騎には4〜5人を伴う(と理解しているが)。つまり20万騎というと100万人が源氏軍として参加していてもおかしくない計算になるが、そんなに居たのだろうか。鎌倉から富士川まで4日で100万人も移動できるほど兵站が進んでいたのだろうか。
4万騎・20万人と考える方が正しい気もする。または「騎」という表現がこの時代の記述と今の漢字の意味で違うと考えるべきか。はたまた、20万騎というのが誇張された数字なのだろうか。こういった所が、歴史に詳しくない身としては何時までも変な疑問として残ってしまう…。
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【あらすじ】新庄由美子(矢吹春奈)は娘:理沙(北山向日葵)の散らかった部屋を片付け、ボロボロになった人形を見つける。理沙は浩二(松本大空)との幼稚園の帰り道、白い箱に入った生き物を見つける。だが由美子は理沙が壊した人形を見せ、ペットを飼う事を禁じる。
「ママの意地悪!」
警官の新庄清志(牧田哲也)は川原で泥団子を作る不審人物:土男を尋問するが、泥団子を壊してしまい逃げる。生き物に餌をやろうとした理沙は由美子に見つかり家を飛び出すが、土男(ウクレレえいじ)も理沙の白い箱を追い掛ける。由美子は、遥か地の底数mから来た土男が飼い主だと思い込む。
理沙は橋の下に生き物を隠して帰宅。由美子はあの生き物には地底人の飼い主がいると理沙を説得する。
「ママの嘘つき!ママなんか嫌い。大っ嫌い!!」
母親失格だと落ち込む由美子。夫:健介(大熊啓誉)は「頑張りすぎ」と慰める。翌朝早く、理沙は生き物「ちゃう」の餌やりに行くが、土男に見つかり追い回される。
「ママ助けてー!!!」
パンシャーヌに変身した由美子。土男と泥団ゲートボール勝負。エレガントフォアで土男のサングラスを粉砕、ゴージャスジュエルフラッシュで光を浴びせる。さらにシロガネーゼアタックで土男は完敗。実は土男が地底人のペットであり、白い箱の地底カーに乗った「ちゃう」が地底人だった。土男は地底人に捨てられた復讐をしようとしていたのだ。
だが地底人は、土男を捨てたのはオカンで、自分は土男を捜しに地上に来たと弁明。それを信じようとしない土男に、パンシャーヌはピュアウェーブを浴びせる。幸せな主従関係を思い出す土男。世界一良いペットになると誓う。理沙は地底人と別れる。
「ちゃうー、ペットを大切にしてねー」
帰宅した理沙は由美子にペットはやめると伝え、代わりにパンシャーヌグッズ(ブランドジュエリーやバッグ)が欲しいと言う。由美子と一緒に健介にグッズをねだるのだった。
【感想】○
御主人様とペットの主従関係、由美子と理沙の母娘関係の近似性と異質性を描く回。今まで、矢吹春奈は成りたてのヤンママにしか見えなかったが、この回ではセリフ回しも仕草も完全に主婦に見えた。家族が危機に陥った#4から演技向上が目覚しい。その他のキャストの演技も向上し、皆が板に付いてきた感じ。
前回、散らかった部屋でくつろいでいた由美子の遺伝からか、娘の理沙も部屋の片付けは苦手。おまけに人形(これは前回の後、祖母に買ってもらった人形だろう)をすぐに壊し、今度はペットを飼いたいと言い出す。そんな理沙ではペットの世話は出来ず、飼ってもすぐに飽きたり、死なせて悲しい思いをさせてしまうのではないか。由美子は理沙を思えばこそ、きつく叱る。
しかもあのペットには飼い主がおり、その人に返してあげるのが正しいという由美子だったが、理沙は納得しない。捨てられていたのだし、自分が最初に見つけたのだから、自分の方が世話できると思っている理沙。でも理沙はそれが上手く説明できず、由美子に対して心無い言葉を発してしまう。
一方、土男は地底人の御主人様のために食事:泥団子を用意し、命令を守って仕えていたのに、突然地上へ捨てられてしまった。理不尽な仕打ちに土男は怒り、「復讐するは地底人にあり」と決意する。だが、地底人は土男を捨ててはいなかった。土男を地底カーで必死に捜していたのだ。
大きな土男が飼い主で、小さな「ちゃう」がペットだと思い込んでしまった由美子。だが大きな由美子自身、小さな理沙のために食事を作り、一緒に遊んでいる。由美子は自分の行動を棚において、土男と地底人の関係を誤解したのだ。
土男は地底人への復讐のために地底人を捜し回った。でもその行動の裏には地底人と関係を戻したいとの願いがあった。美少女戦麗舞(セレブ)パンシャーヌはピュアウェーブでそれを明らかにした。そして由美子は理沙にペットを止めさせようと捜し回った。その裏には娘の行方を純粋に心配する母の心があった。
土男と地底人は互いを思いやる「ホンマもんの主従関係」があった。それは互いを信じる信頼に基づく。その信頼が崩れると復讐関係になってしまう。しかしそんな関係でない絆が母娘関係である。「ママなんか嫌い」と言った理沙だが、土男に襲われて出てきた言葉は「ママ助けて」だった。どうなっても切れない関係が理沙と由美子にはあった。
娘が「ママ助けて」などと言う状況は現実にそうそうあるものではない。これは一大事である。由美子は理沙の叫びが聞こえない距離に居ても、眠りから覚めてその危機を直感し、迷わずパンシャーヌに変身した。絶対の絆で結ばれた母娘関係だからこその離れ業であった。
理沙は土男と地底人の主従関係を見せられる。地底人は光の危険を犯して土男を捜しに地上へ来た。土男は世界一のペットになるためにトリミングすると誓った。そして理沙は、何度も自分を助けに来てくれるパンシャーヌに憧れを抱く。トリミング(Trimmings)には装飾品の意味がある。理沙はブランドジュエリーで飾り付け、パンシャーヌになりたいと願うようになる。ここから、理沙が変身する日も近いと推測できる。
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【あらすじ】北新宿から歩いて東中野へ。「東京土建一般労働組合中野支部」が桜も咲かぬうちに花見してる。神田川の橋を渡って中野区入り。熱唱する銅像があるカラオケスナック「富士の里」。田中栄子ママはさまぁ〜ず知らない。「前回歌って局内中から音痴と言われた」大江麻理子アナは「豪腕!コーチング」で特訓を受け、その成果を見せるため「つぐない」を再度熱唱。
家庭料理「帆里」で昼食。皿を回し合い互いの料理を食す3人。東中野駅を目指すもののネタが尽き、トレ高サイコロで「8万5千円使え」が出る。お茶屋「大黒園」を一旦出たがやっぱり戻って買い物。急須と湯呑を各人一個ずつ購入。内田和夫さんは2万5891円を2万円にマケてくれる。でも2万5千円で落着。
バッグハウス「ムラタ」はアド街でも紹介された店。でも大江アナ記憶に無し。村田誠治さんはそのアド街を見ていない。大竹:ステンレスバッグ、三村:スーツケース、大江:ショルダーバッグを5万8950円で購入。宅配便代理店「斉藤商店」の店内の白黒テレビで偶然にも「つぐない」が流れてる。しかもテレ東。趣味の焼き物(失敗作?)をタダでくれようとする斎藤さん。
スナック乱立の「ムーンロード駅前飲食店」。ありえない細さの店。メインロードでは、ぐったりした食品サンプルが並ぶ「喫茶ルーブル」。日光で溶けたとの事。上原高司さんは仕草が可愛い。大江アナが食したローヤルプリンは絶品らしい。
三村「この番組、もう一回オンエアで見たい番組」
大竹「あの親父たちにもう一回会いたい、みたいな」
【感想】○
北新宿から歩いて行ける隣だからという理由でチョイスされた模様の東中野編。客がママのために建てた銅像がある「富士の里」。このテレ東「モヤモヤさまぁ〜ず2」と曜日違いの同時間でやってる番組に「シンボルず」がある。みうらじゅんが都内のヌード銅像(ヌー銅)を見学、お相手はまさかのレギュラー(笑)であるMEGUMI。
例によってみうらのマニアックな世界説明(多分に下ネタを含む)をMEGUMIが一端は受け止め、最後に「バカじゃねぇの」「興味ねーから」と綺麗さっぱり流すやりとりが面白い番組。そのみうらじゅんがきっと興味を示すであろう熱唱銅像だった。しかもモデルが店のママときてる。
さて、そのスナックでアイスコーヒーを注文する大竹。テレ朝深夜に「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」というスタジオトーク番組がある。ダウンタウンの「ガキ使」のさまぁ〜ず版と思って良い。そこで大竹は「朝は必ずアイスコーヒー」と喋っていた。まだ午前中なので大竹はアイスコーヒーを所望したのだろう。だが、無いと返される。残念がる大竹だったが、その様子から三村が「さまぁ〜ずは自然に人を傷付けてるからイマイチ突き抜けない」と反省。無いと言われて落ち込み、すぐに変更注文できない所がダメなのか。
一番の見どころと言っていい大江アナの熱唱。しかし局内中から音痴と言われたトラウマからか、正月の時のように自ら進んで歌おうとしない。でもテレサ・テンに失礼だから曲が掛かると入り込む。前半は哀愁も出ててなかなか、しかしサビになると外れだす。オマケで流れた松浦亜弥「桃色片想い」は……コメント不可w
昼食は「非」食べ物番組らしさを発揮。無言で自分の料理を他の二人に食べさせる各人。三人とも無表情で何も言わないから不味いのかと一瞬錯覚してしまう。おいしいから勧めていた模様。この無言さが「素」っぽくて良い。
お茶屋さんでは実直な主人が対応。最後に店を出る時のショウ君のナレーションにミスあり。「873円値引き」と言っていたが、891円の間違い。文字読み上げソフトのショウ君に罪はあるのか。ドンマイ、打ち込んだ人。
対照的にムラタの主人は、さまぁ〜ずと妙に張り合う絡み辛さを発揮、斉藤商店の主人は過去に作った物には無頓着で、クレと言えばクレる柔らかさ。喫茶ルーブル主人は外見より中身で勝負の物を出す。どの主人も全く異なる性質を持っていて見飽きない。というか、その性質をスッとすぐに引き出すさまぁ〜ずの庶民性がスゴイのかもしれない。
とれ高サイコロで「8万5千円使え」が出たせいなのだが、店を回るだけで終わってしまったのは少々残念。地域住民との触れ合いも今後は見たいかも。
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モヤモヤさまぁ〜ず2 特別版
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テレサ・テン つぐない(大江アナが熱唱した曲)
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【あらすじ】昭和21(1946)年11月3日に公布、翌年5月3日に施行された日本国憲法。象徴天皇制・国民主権・戦争放棄を柱とし、徹底した平和主義から生まれた憲法だった。憲法九条では、国権の発動たる戦争・武力の行使を永久に放棄、陸海空軍その他の戦力の不保持、国の交戦権も認めないとされた。
憲法作成に当たってGHQのマッカーサーは、天皇が日本の統治に必要と考え、天皇の戦争責任回避のため、戦争放棄と戦力不保持を明確にしようとした。日本政府(吉田茂首相)も国体護持・天皇制存続のためにこれを受け入れ、議会も新憲法案を可決した。(参考:その時歴史が動いた:白洲次郎)
しかし東西冷戦・朝鮮戦争の勃発により、アメリカは日本を「反共の砦」と位置付け方針転換。講和交渉のダレス全権大使は日本に再軍備を求めた。吉田首相は保安部隊創設を決断し(参考:その時歴史が動いた:吉田茂)、昭和26(1951)年9月8日、サンフランシスコ講和条約、日米安全保障条約に調印。そして昭和27年に保安隊、昭和29年に自衛隊が発足。吉田は苦しい解釈で「戦力に至らしめない軍隊」と答弁。(参考:その時歴史が動いた:サンフランシスコ講和条約)
国を守る軍事力が持てるよう憲法で明記すべきとする改憲論を唱えた岸信介らは、改憲に必要な衆参両院での3分の2以上の議席を確保するため、保守系合同を進めて昭和30年(1955)年に自由民主党を結成。一方、改憲は軍備増強に繋がるとする護憲論の浅沼稲次郎は、同年に左右の社会党を統一した。翌年の参院選では護憲勢力が3分の1以上を確保し、国民は改憲を否定した。
昭和32(1957)年に発足した岸内閣は、不平等な安保条約の改定によって世論を味方に付け、改憲を目指すとの方針を出す。米軍に用地を接収された東京立川の砂川では、基地反対運動(砂川闘争)の末、昭和34年に東京地裁が在日米軍を違憲と判断。最高裁でこの判決は破棄された。
昭和35(1960)年1月に日米新安保条約は調印され国会審議されたが、第五条(一方が攻撃を受けた場合の共通対処)から戦争に巻き込まれる危険性があるとして社会党は猛反発。ソ連領空による米U2偵察機撃墜とフルシチョフの基地攻撃警告によって、その懸念は現実のものとなったが、岸は安保条約改定を強行採決(5月19日)。国民の間に安保闘争が沸き起こった。
安保条約の自然承認(6月19日)の1ヶ月後、岸は退陣し池田勇人内閣が発足(7月19日)。9月7日、池田内閣の方針記者会見において池田は「憲法改正は いま考えていない」と表明。以来、経済成長に注力し、改憲は戦後60年なされていない。(参考:その時歴史が動いた:所得倍増計画)
【感想】○
憲法9条の成立過程から、池田が改憲論議を封印するまでの13年間を、国際・国内情勢を踏まえつつ、改憲・護憲勢力の闘いとして描き出す1時間の拡大版。NHKらしいバランス感覚を発揮しつつ、VTRとスタジオ解説も普段どおりの進行で、良く1時間でまとめたなとまずそこに感心した。
憲法記念日に合わせ「NHKスペシャル:日本国憲法誕生」「ETV特集選:焼け跡から生まれた憲法草案」も放送され、それらも視聴した上での記事を書いていく。これら3本から言えるのは、改憲論者の強力な論拠の一つである「押し付け憲法」というのが誤りである事だ。
GHQの憲法草案は、日本の憲法研究会が発表した憲法草案に大きな影響を受けて作成された。そして憲法研究会の憲法草案は、大正デモクラシーとその後の弾圧を経験した人物らから生まれた。さらにそれは、明治期の自由民権運動での憲法草案をも参考にしていた。もっと遡ると、自由民権運動はアメリカ独立・フランス革命での宣言を基にしたものである。日本国憲法の平和主義は突如としてGHQが出した物ではなく、世界史・日本史の中で脈々と受け継がれてきた思想から誕生したのである。
太平洋戦争で無条件降伏した大日本帝国だったが、裏では国体護持を条件として求めていた。そしてロシアと戦い続けるよりは国体護持の可能性があったからこそ、米主導のポツダム宣言を受諾した。終戦後、マッカーサーはすぐに天皇制存続を決め、幣原・吉田両首相との利害も一致している。
ここで肝心なのは天皇制であって、憲法9条はむしろ取引条件ともいえる重要度だった。取引は押し付けとは違い、双方の合意に基づくものである。さらに憲法草案は日本の国会審議で修正も加えられた上に、明治憲法の改正手続きに従って可決成立したものだ。
この当初の、憲法9条の重要度の低さが今日までの複雑な問題を生み出したとも言える。マッカーサー、GHQ、極東委員会、憲法研究会、幣原・吉田首相、国会…などなど、日本国憲法作成に携わった人々にはそれぞれ思惑があったが、共通して言えるのは2つあり、1つは天皇制を優先して検討した事、もう1つは共産主義の拡大・伸張を予期していなかった事である。
ここから憲法9条の問題は国際情勢を抜きには考えられなくなる。そして憲法9条に存在する作成時からの曖昧さは、国内的な対立構造を生み出していく。
朝鮮戦争を受けてアメリカは方針転換し日本に再軍備を求めた。世界には「平和を愛する諸国民の公正と信義」が通用しない勢力が存在し、日本の「安全と生存」は保持されないとアメリカは結論付けた。その頃、講和条約を締結し国際社会への復帰を目指していた吉田内閣は、これを逆に利用し、自衛権に基づく最小限の実力を保有する事を日本から提案する形でサンフランシスコ講和条約を結んだ。
これが解釈改憲の始まりであるが、憲法9条の曖昧さが幸運に作用した。一読して理想論ととれる憲法9条は、曖昧さによって可能となった解釈により、現実でも充分に通用する事となった。
自衛権の有無は作成当時から明確にされていない。GHQ内で作成に携わった人物の間では、自衛権も放棄すると考えていた人もいれば、自衛権は当然持っているから明文化するまでもないと考えていた人もいる。日本側でも自衛権の問題が将来出てくると指摘した委員もいれば、自衛権なんて概念すら考慮しなかった委員もいた。憲法9条はどちらともとれる要素を当初から含んでいた。
このような内部事情が、証言により詳細に明らかとなったのは戦後だいぶ経ってからであり、その前の改憲・護憲論争がこれらをどこまで把握した上でのものだったかを考えると、時系列的連関が怪しくなってくる。だからこそ「押し付け憲法」との主張も大手を振ってまかり通り、一文一句変えない護憲論も一定勢力を保ち続けたとも言える。
岸信介の進めた安保改定は、改憲への搦め手であり、その戦術の小ざかしさを国民は感じ取り、純粋に平和を唱える浅沼稲次郎が共感された。2000万人の反対著名やデモに自衛隊出動が真剣に検討されるなど、はっきり言って憲法9条クンも泣くというか笑うしかない状況である。
砂川闘争の伊達判決で法律面でも安保条約の根底が揺るがされる可能性が示され、安保闘争での国民の怒りを目の当たりにした政府自民党には、岸退陣以降に改憲の「信念」とやらを表立って言う者はいなかった。池田は国内問題を軍事から経済重視に切り替え、改憲論を封印した。
それにより改憲・護憲論争も下火になり、その後の様々な国際要因も絡まって問題が複雑化、日本が経済成長で発展を続け、国民からも第9条を含めた憲法は遠い存在になった。
護憲勢力は、戦後日本が戦争をしなかったのは憲法9条のおかげとの思想で満足し、理想論の平和主義に安住した。一方の改憲勢力は、国民と憲法の意識乖離を現実的なチャンスと捉え、その乖離をも改憲の理由に据えて、自分達に有利な改憲論議を進めようとしている。
世界の歴史の流れの一端から生まれた日本国憲法は、戦後世界の影響を受け、解釈改憲で対応しつつ60年間の不変を保った。憲法9条は成立当初には想像もつかなかった役割を担わされる事態に直面した。それでも、成立過程から存在した両義にとれる曖昧さによって国内政治を二分しつつ、国民は結果的にそのバランスをとった世論と投票で政治を動かしてきた。
憲法9条の問題の解消策は、一個人の理解も能力も超えたものになっている。よって単純な改憲・護憲の二分法で結論し主張する人物を執筆者は信用できない。その主張の裏には、不純な動機や単純な平和思想があったりする。ただ、吉田は憲法9条をもドライに駒として使って上手かった、岸はやり口も汚い、浅沼は良くも悪くも国民レベルを理解していた、池田は新たな夢の提示で巧妙だったなとは思う。
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新憲法の誕生
憲法九条はなぜ制定されたか
日本国憲法・検証1945-2000 資料と論点 九条と安全保障
日米同盟の絆―安保条約と相互性の模索
岸信介証言録
浅沼稲次郎―人間機関車
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【あらすじ】自宅で気ままに過ごしていた新庄由美子(矢吹春奈)。そこへ電話が掛かり、義理の父母がやってくる事になった。パンシャーヌに変身して散らかった物を片付け、掃除して料理を作る。そして娘の理沙(北山向日葵)を迎えに行った帰り、義弟で警官の清志(牧田哲也)と出会う。清志はパンシャーヌの正体が同じ加齢臭の佐々木のおばあちゃんだと言う。引きつって笑う由美子。
理沙「ママの作り笑顔、大好き」
新庄正子(森沢早苗)と一郎(ジジ・ぶぅ)が来訪するが、由美子の料理を食べず理沙を連れて駅前の御寿司屋へ。喜んで出ていく理沙を笑顔で送り出す由美子。
理沙「ママ、声出して笑わないと体に毒よ」
料理をヤケ食いする由美子。食べ過ぎでベッドに横になる。寿司を食べアイスクリームも買ってもらい帰宅した理沙・正子・一郎。しかし理沙の
「おじいちゃんとおばあちゃんは熟年離婚しないの?」
との問いからケンカとなり、正子はスケバン、一郎は番長姿になってしまう。体育館で決着をつけようと出ていく二人。理沙も追いかける。由美子はパンシャーヌに変身。
戦う正子と一郎を止めに入るパンシャーヌだったが無視されバカにされる。その時、ご町内の皆様が物を投げつけて来る。若い頃、スケバンや番長にカツアゲやヤキを入れられた復讐だった。正子は美容院で髪をむしられ、一郎は無理矢理飲み代を払わされたりしているらしい。
「もうこの辺で許してあげても宜しいんじゃないでしょうか」
そう説得するパンシャーヌだったが、ご町内の皆様は構わず物を投げる。
「このエコノミーども!!」
ファーストクラスビームで座らせ、スケバンと番長から感謝されるパンシャーヌ。しかしそれはフェイクでパンチを繰り出す二人。シロガネーゼアタック・ピュアウェーブで改心。
「これからも理沙ちゃんの素敵なおじいちゃまとおばあちゃまでいて下さい」
しかし正子と一郎は、理沙にお人形かゲームのどちらを買い与えるかで再度ケンカに。飽きれて帰るパンシャーヌだった。理沙は人形もゲームも買ってもらう事になる。新庄健介(大熊啓誉)から、清志が蓄膿症の手術を受ける事になったと聞いた由美子は独り納得する。
【感想】◇
過去を直視しない者は未来に向かって進む事は出来ない。だが、過去に囚われる者もまた、未来に向かって進む事は出来ない。スケバンと番長という過去を持つ正子と一郎。その二人に酷い目に遭わされたご町内の皆様。未来を信じるパンシャーヌは未来の象徴:理沙の前で、この過去の怨讐を解きほぐした。
正子と一郎にとって、長男の健介は大切な存在だった。しかし由美子が嫁に来て健介を取られてしまった。現在、正子と一郎の一番大切なものは孫の理沙。歳をとった自分達を疎ましく思っているに違いない由美子や、親離れしてしまった健介・清志たち。しかし理沙だけは喜んでくれる。正子と一郎が生きる希望は理沙にあった。
理沙はこの事をきちんと理解し、祖父母の好意に甘える。一方、母:由美子への気遣いも忘れない。作り笑いが大好きと言ったり、体に毒だと心配してあげる。すし屋に素直に向かうのも、どんなに由美子が料理を一生懸命作っても、祖父母がそれをけなすのが予想できたからだった。
熟年離婚しないの?との問いは、「未来」である理沙からすれば当然の質問。正子・一郎の未来の可能性として熟年離婚がある事を提示しただけ。未来を考えた正子・一郎は、スケバンと番長だった過去を振り返る。そして現在、その過去のために虐げられているストレスを互いにぶつけ合った。
過去に拘るのはご町内の皆様も同様だった。スケバンや番長にやられた過去を根に持ち、現在になってから復讐をする皆様。パンシャーヌは、この過去に囚われた人々の現在に心を痛めた。皆、これでは未来を生きていく事はできない。
スケバンや番長の過去を捨て、未来の理沙に投資しようとしている正子や一郎の現在を、つまらない過去の復讐をつまらない仕返しで晴らすケチなエコノミーども。美少女戦麗舞(セレブ)パンシャーヌはセレブな未来を信じる戦士。ケチな感情で動くエコノミーな精神を忌み嫌っていた。このエコノミーどもにファーストクラスな夢を持たせ黙らせる。
正子と一郎には、未来である理沙のためにも、熟年離婚せずに良き祖父母でいて欲しい。それが二人の未来ではないか。ピュアウェーブ後の二人のケンカをパンシャーヌが止める事はない。このケンカは熟年離婚のケンカではなく、ケンカするほど仲が良い状態だと分かったからだ。
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【あらすじ】柳生十兵衛(村上弘明)と共に旅をしていた妻:るい(牧瀬里穂)は柳生の里へ戻る。江戸では家光(寺泉憲)の葬儀後、堀田と阿部も殉死。松平伊豆守信綱(西郷輝彦)は自害せず家綱の後見となる。しかし紀州藩主:徳川頼宣(西村雅彦)を次期将軍に推す声も高まり、家綱の将軍就任は一時見合わせとなる。
京への道中、十兵衛一行は織田家元家老・志賀清兵衛(石橋蓮司)と出会う。跡取りがなく取り潰しとなっていた丹波織田家が旗本として再興する事になり、息子に家老職を譲るため京に迎えに行くのだという。だが息子の志賀道場は軍学者:由比正雪(和泉元彌)の張孔堂となっていた。
清兵衛は息子:次三郎(浜田学)に御家再興を伝えるが、逆に正雪の新たな幕府の計画を聞かされる。元織田家家臣500人も正雪に加えさせるという次三郎。その話を十兵衛の指示で潜入し聞いていた西岡大次郎(高野八誠)は丸橋忠弥(照英)に追われながらも脱出。これで正雪の後ろ盾が頼宣だとの情報が幕府に露呈。だが伊豆守は下手に動くと危ういとして様子見。
その頼宣は、決起せずとも将軍になる芽が出てきたため、正雪を軽んじ始める。正雪は次三郎に清兵衛を斬るよう命じるが、次三郎は斬れない。代わりに十兵衛を斬るよう命じる正雪。出来なければ京都は加藤市右衛門に任せると伝える。翌朝、十兵衛と次三郎は決闘となるが、十兵衛は剣を置き、父と丹波に帰るよう説得を試みる。
構わず斬り掛かる次三郎との間に清兵衛が割って入る。だが清兵衛の必殺技が失敗して倒れると十兵衛は剣を抜く。そして次三郎を斬るのだった。頼宣は尾張の徳川義直の菩提を弔うとして尾張に出立。伊豆守は尾張で事が起きると予想し十兵衛を向かわせる。
【感想】△
禄高が激減(3万6000石から3000石)しても御家再興を喜ぶ父と、それでは家臣の身が立たぬと反対し、浪人を救済する武士の世を実現する由比正雪に与する事にした息子の悲劇。互いに互いを説得しようとして失敗し、剣での決着を防ぐため十兵衛が割って入ったが、結局は父の目の前で息子を斬る事になる。
主君第一の父:清兵衛と、家臣救済の息子:次三郎という題材で、父と子・主君と家臣がテーマとなっているのだが、そのどちらにも十兵衛が絡んで来ない所が拙すぎる。父と子ならば宗矩と十兵衛の関係を重ね合わせ、主君と家臣ならば家光と十兵衛のエピソードでも持って来るべきではなかったのか。
宗矩はとっくに死んでいるし、十兵衛は一匹狼だから絡めないとも言えるが、それでは本当に十兵衛がただの偶然の仲裁屋となってしまい、物語上の必要性が薄れてしまう。最後に十兵衛が決闘するのも、親子対決に巻き込まれただけになってしまう。そうではなく十兵衛が幕府の象徴だからとの理由で正雪が決闘の差し金をするのだが、そうなるとそれはそれで正雪がただ十兵衛を倒したいだけになってしまい、敵役正雪の人物像も薄っぺらいものになっている。
主君と家臣で考えると、十兵衛は旅を続ける事が家光への奉公だとの部分で辛うじて繋がる。一方、頼宣と正雪は主従関係ではなく、しかも互いに不信感を持ち始めたという部分が対比関係にはなっている。十兵衛と家光、頼宣と正雪は直接の主従ではないものの、その信頼関係は対照的に展開し始めている。
今回は殺陣のシーンも意味を持たせるという事はなく、父と子・そして十兵衛が混ざっての斬り合いという点のみが新味だった。妻:るいの願いに従って最初は剣を置いて説得を試みた十兵衛だったが、次三郎の覚悟を変えられず、清兵衛のピンチにやむなく剣を取る事になる。
真剣白刃取りの部分が斬新。振り下ろされる剣を両手で受け止める(実際にはほぼ不可能)技を繰り出すのではなく、振り下ろされて剣が一瞬止まった所で両手で挟む十兵衛。妙に現実的でハッとするシーンだった。
(…あんまり書いてはいけない事だが、今期時代劇はNHKの柳生十兵衛七番勝負よりもテレビ東京の藤沢周平時代劇「よろずや平四郎活人剣」の方が肩肘張らずに観られて、それでいて娯楽に走ってるわけでもなく、無理のない展開で良く出来てる。十兵衛、島原の乱で終わらせた方が良かったかも。そうじゃない、と思わせてくれるよう十兵衛の今後に期待したいが…)
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【あらすじ】黒船来航の直後に急死した13代将軍家慶に代わって将軍となった家定。その正室として選ばれたのは島津斉彬の養女:篤姫(役:岩崎ひろみ)だった。篤姫は斉彬から次期将軍を慶喜とするよう密命を帯びて安政3(1856)年12月に大奥入り。しかし大奥を批判する水戸藩は大奥から嫌われ、篤姫の政治工作は失敗。1年半後には夫:家定が死去し、紀州藩の家茂が将軍となる。
天璋院となった篤姫。家茂の正室には公武合体の象徴として孝明天皇の妹:和宮(役:吉井怜)が降嫁する。天璋院は自分と似た境遇の和宮を支える事を新たな使命とするが、公家の和宮は武家の天璋院から姑として指図されるのを嫌った。しかし和宮と家茂の間に愛情が芽生え、和宮は武家のしきたりに従うようになる。
攘夷を求める朝廷と通商条約を結んだ幕府の関係は悪化し、改善のため家茂は上洛。天璋院は若い家茂が朝廷に丸め込まれると懸念した。その不安は的中し幕府は実行不可能な攘夷の約束をさせられる。家茂は第二次長州征伐の陣中で病死、天璋院には和宮の胸中が痛いほど理解できた。
慶応4(1868)年1月3日、鳥羽伏見で天璋院の実家:薩摩家は幕府軍と衝突。幕府は朝敵となり、その倒幕の命を朝廷から出して指揮したのは、和宮を降嫁させた岩倉具視だった。天璋院(と和宮)は、実家が嫁ぎ先を攻めて来るという事態に直面する。形勢は著しく幕府に不利で、慶喜は江戸に逃げ帰り、天璋院と和宮の勧めで助命嘆願書を書く。
倒幕軍は江戸に迫り、江戸攻撃を3月15日と定める。天璋院も城内からの退去を勧められるが、これを敢然と拒絶。和宮と共に短刀を構えて自害の姿勢を見せる。勝海舟はこれを知り
「天璋院は貞婦というか烈婦」と評した。
天璋院はかつて自分の監視役で現在は倒幕軍を指揮する西郷隆盛に書状を出し、徳川家存続と平和的解決を一命にかけて訴えた。これが西郷の心を痛撃し、西郷は3月14日の勝海舟との会談で「江戸城総攻撃中止」を決定する。そして4月11日、江戸城は無血開城された。
天璋院は大奥の解散を見届け、身一つで退去。島津家の支援を断り、女中の再就職・縁談に奔走。着る物にも困る生活を送りつつ、明治16年に48歳で逝去。静寛院宮となった和宮は明治10年に32歳で亡くなっている。
【感想】○
フジテレビのドラマ「大奥」や2008年NHK大河ドラマ「篤姫」の題材である天璋院篤姫の江戸城無血開城の回。その生涯はあまりにもドラマチックで、感想など改めて書く必要も無いほど。
女性が主役でその視点から歴史を捉える回は、どうしても情緒的になってしまうが(別にそれが悪いとかではなく)、今回は天璋院が西郷に出した書状がどういった経緯から生まれたのかを、一人の女性の境遇からきちんと説明できていた。
将軍の後継に隠然たる影響力を持つ大奥で、そのトップとなる正室の地位についた篤姫。島津家は一橋派として慶喜擁立を篤姫に託す。政治的に利用された結婚であり、篤姫は武家の女としてその密命を果たそうと努力する一方、自分の夫:家定が将軍として何も期待されていない事を不憫に思う。そして実際、家定は将軍として政務を司れる器でない人物だった。
家定が早々と死に、次期将軍も井伊直弼の力で家茂となり、天璋院は使命を失う。ここで和宮という自分と似た運命を背負う女性が大奥に来る。公武合体という政略と望まぬ結婚。武家と公家、嫁と姑という対立関係にあった天璋院と和宮だが、同じ女性として和解していく。
しかし幕府の凋落を止める事ができず、薩摩長州が手を組み、朝廷の方針も転換し、倒幕軍が結成される。天璋院と和宮は実家から裏切られ攻撃を受ける立場になった。政治的に利用し、失敗だと分かると嫁ぎ先を滅ぼしに掛かって来る理不尽さ。天璋院は和宮と共に女の意地を見せ始める。
徹底抗戦を叫ぶ幕臣を説得し、とにかく無抵抗を貫く事で薩長の理不尽さを際立たせようと考えたのか。だが西郷らは慶喜の嘆願書を無視して進軍を続け江戸に迫る。パニックに陥る150万人の江戸の庶民。天璋院の憤りは頂点に達し、西郷への書状となる。
島津は自分を将軍家に嫁がせておきながら、その姫の居る江戸城を攻撃するとは何事か。朝廷も和宮を降嫁までさせながら、その徳川家を滅ぼして良いのか。薩摩も朝廷も、その一部を徳川家に捧げ、自分は望みもせずその一部となったのに、その徳川家を攻撃するのか。では自分は何だったのか。
自分達は絶対に江戸城に残り、その江戸城が攻撃されるなら城と共に死ぬ。それは薩摩も朝廷も、己自身を殺す事に他ならない。なぜなら薩摩と朝廷の一部だった天璋院と和宮が居るからだ。「私を殺す覚悟で攻撃しなさい」とはこういう意味なのだろう。
これだけの決意を突き付けられた西郷は進撃を停止するしかない。もちろん、民衆の支持が得られず騒動が多発していたとか、江戸での戦闘が長引けば欧米列強の介入を招くなどの判断も大きかった。だが天璋院の出した人間の尊厳やアイデンティティーへの問い掛けに、攻撃はその答えとならなかったのも確かだろう。
その後も天璋院は島津家の支援を断固拒否し生活する。滅んだも同然の徳川家の人間として生き、その悲惨さを身をもって表現するかのような困窮の生活を送る。死ぬまで実家へ抗議し続けたとしか思えないような晩年。薩長の世の影でひっそりと亡くなっていった。
天璋院は嫁いで徳川家の人間として江戸を救った形となったが、実は薩摩人としての拘りが強かったのではないだろうか。その行動の底流には常に、薩摩人がここまでしているのだという意識が働いている。将軍正室として大奥で工作したのも、和宮と和解したのも、嘆願書を出したのも、薩摩出身の自分だからこそを体現している。
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参考記事:その時歴史が動いた:天英院煕子
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天璋院篤姫(上)、(下)
和宮御降嫁
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