テレビ批評的視聴記 - 2007/05/23

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2007年05月23日(Wed)▲ページの先頭へ
柳生十兵衛七番勝負 最後の闘い #6

【あらすじ】金剛山中に由比正雪(和泉元彌)に味方する可能性のある一派がいると聞き、柳生十兵衛(村上弘明)は山に入る。彼ら山の衆は、どの勢力にも属さず独自の生活文化の中で暮らしていた。謀反に加わる気配無しと下山した十兵衛だったが、山中で父:宗矩(夏八木勲)の亡霊を見た十兵衛は再び山に向かう。

山の衆は麓の武士らに襲われ血気に逸っていたが、十兵衛は丸橋忠弥(照英)の言葉から正雪の仕業と推理。山の衆の首領:槐(白竜)に待つよう頼む。十兵衛の読みどおり正雪は金井半兵衛(五宝孝一)の策により、麓の武士に扮して山の衆を襲撃したのだった。正雪を斬ろうとした十兵衛を丸橋が止める。

その間に新庄藩郷奉行:黒川元右衛門(永田耕一)が幕府に従わない山の衆を襲撃。戻った十兵衛に山の衆が詰め寄り、槐と十兵衛は勝負する。勝った十兵衛は宗矩の亡霊から誉められるが、十兵衛はその亡霊を斬る。

紀州に着いた十兵衛の妻:るい(牧瀬里穂)は母:りん(富司純子)と会い、十兵衛との確執が誤解であったと判らせる。徳川頼宣(西村雅彦)の企みを問い詰めたりんは、十兵衛の人を活かす剣が解決すると言うが、それを聞いた松下兵衛(大沢樹生)は十兵衛を斬ると宣言。

【感想】×
何だかもう、真面目に見るのも馬鹿馬鹿しい感じで、あらすじも結構適当に書いてしまったが、それぞれのキャラがブレて軸がなく、屈折していて行動が支離滅裂、今回の敵役の存在意義も不明とあっては、何を評価して良いものやら。

十兵衛が政事と剣士の間で迷って揺れ動く…というのは第一シリーズから変わらない基本線なので良いとしても、今シリーズはそれに対する軸が弱すぎる。父:宗矩の政事が死去により無くなり、代わって母:りんとの確執が浮上しているものの、それは政事と剣士の問題とは殆ど無関係。

しかも今回、るいとの対話であっさりとそれが誤解だと判ってしまう。せめてそれは十兵衛との直接対話で明らかとすべきなのでは。これでは次回の母との再会の重みが薄れるだけ。

敵の大将(に祭り上げられた)徳川頼宣は最初は決起に同意していたが、途中から政治工作に切り替え、今回再び決起を選択するなどブレまくり。やたら明るい笑顔と裏の顔の使い分けキャラとしては面白いが、その裏の顔部分でブレていては骨の無い人物としか映らない。

由比正雪は今度こそ幕府転覆を成功させたいとの意志を持っていながら、十兵衛の排除に重きを置きすぎていて、幕府よりも単に十兵衛を倒したいだけの人物に思えてしまう。今回は演出面でも粗があり、からくり扉で逃げたと思いきや、次のシーンで追いつかれてしまってるし。追いつかれた時点で丸橋と合流していた形になっていればまだ納得できたが。

丸橋は正雪の一番の協力者でありながら、正雪の汚さに気付き、裏切り伏線が張ってあるようにも見えたが、今回は「しるべ」とやらを持ち出し、どこまでも正雪を守る構えを見せた。そもそものキャラ設定からして間違っていたのでは。

るい・兵衛は、十兵衛を挟んでの対極キャラであるが、家族レベルの信念しか持ち合わせておらず、敵味方にあっても政事や剣士といったレベルに関係してこない。大筋に割り込んできてドラマ時間を消費する厄介者。

これまでは、迷う十兵衛とそれに対峙する迷いの無い強い敵役が基本構図で、敵役には敵の中の敵と、味方の中の敵がいる部分が面白さを出していたが、今シリーズは敵役がブレているか、単純(私怨)のどちらかで、ドラマ全体に骨が無い。さらに母との再会という要素を詰め込んで散漫になり、繋ぎ合わせるための脚本に無理が生じている。
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