| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【あらすじ】島原の乱より8年、柳生十兵衛(村上弘明)は柳生の郷で妻:るい(牧瀬里穂)と穏やかに暮らしていた。長宗我部盛親の子と名乗る丸橋忠弥(照英)などが武名を上げるために勝負を挑んでくるが十兵衛は軽くあしらう。そんな中、父:柳生但馬守宗矩(夏八木勲)死去の報が入る。
江戸に立つ前日、十兵衛は父との思い出をるいに語る。柳生家の嫡男として幼き頃より剣術を厳しく叩き込まれ、稽古の怪我で隻眼となった。何としても跡目を継がせたいと願う宗矩と、剣術は無理だとする母:りん(富司純子)は対立。りんは十兵衛を出奔させようとするが、佐山寛平(苅谷俊介)の密告により宗矩の知る所となる。
母を助けるため自ら申し出て登城する事にした十兵衛。徳川家光・頼宣の剣術相手を務めるが、十兵衛を捨てて母:りんが家を出たと宗矩から聞かされる。4年後、家光の辻斬り疑惑が持ち上がった際、十兵衛は家光に代わって罪を被る。母が死んだとも聞かされた十兵衛は、そのまま柳生家を出て今に至った。
江戸に向かった十兵衛は、家光(寺泉憲)から8300石の旗本に任ぜられる。4000石の弟:又十郎(森岡豊)に全てを任せ、再び柳生の郷に戻った十兵衛に「母が生きている」との文が届く。槍ヶ淵に出向いた十兵衛を待っていたのは、母に仕えた茂平(俊藤光利)と忍びの者達だった。釣り橋の上での戦いとなった十兵衛は茂平に拘束され、兵衛(大沢樹生)に狙撃される。茂平共々川に転落した十兵衛。
その頃、江戸で軍学塾を開く軍学者:由比正雪(和泉元彌)は家光が病に倒れたと知り、幕府転覆の計画を練っていた。茂平の出現は決起の前に十兵衛を殺す必要があると考えた正雪の計略だった。そして正雪の黒幕は紀州藩主:徳川頼宣(西村雅彦)。その頼宣の庇護の下、母:りんは本当に生きていたのだった。
【感想】○
最高傑作と言って良いほどの出来だった前シリーズ:島原の乱から1年、村上弘明の十兵衛最終章。今シリーズは慶安事件(由比正雪の乱)が舞台。それだけでなく十兵衛と母:りんの物語も絡める展開になりそう。殺陣の方は剣だけでなく色々な物が登場するらしく、今回は早速、槍と銃が使われている。
前シリーズで「殺陣に物語展開を組み込み、意味を持たせる」という画期的な事をやってのけたので、やはり今シリーズの殺陣もそういった見方をしてしまう。冒頭の丸橋忠弥との決闘は、剣よりも遠距離からの攻撃となる槍が使われる。田舎で穏やかに暮らしていた十兵衛に再び戦いが近づいて来るといった事を表現していたのだろうか。
そして十兵衛が剣を持たずに丸橋忠弥と戦ったのは、まだその気が無い事を意味している。この決闘はドラマの掴みとして使われたが、兵衛が監視していた所から考えると、後半の正雪の陰謀の一環として行われたのだろう。兵衛は丸橋よりも先に計略を聞かされ、丸橋を使って歳を取った十兵衛の力を探った。
丸橋では無理だと分かり、今度は茂平と忍者を使う。狭い釣り橋で十兵衛を拘束し狙撃する。地の利を活かしたようにも思えるが、釣り橋には十兵衛の事情も反映されている。死んだと聞かされていた母:りんが生きていると知り、さらに茂平が現れた。そして茂平は「りん様の恨み」と言って斬りかかって来る。十兵衛の動揺そのままに釣り橋は大きく揺れた。
父から斬られそうになった母を助けるため隻眼の剣を身につけた十兵衛。しかし母は去って死んだ。母の死で自分が政事には必要なくなったからこそ十兵衛も去った。政事に生きる父:宗矩と剣術に生きようと決めた十兵衛の決別は母の死にあった。そして父の死とほぼ同時に届いた母存命の知らせ。これで剣術の十兵衛が政事に巻き込まれる理屈が上手く出来ている。
母の真意と正雪との対決、頼宣の陰謀など、今シリーズも身近な所から大舞台まで扱う展開になりそう。エンディングでは十兵衛が子犬を拾って母犬を見つけ、返してやる映像が流れる。十兵衛とりんにも和解が訪れるのだろうか。
←Top
柳生十兵衛七番勝負 最後の闘いDVD
柳生十兵衛七番勝負 島原の乱DVD
柳生十兵衛七番勝負DVD
柳生十兵衛七番勝負(原案)
Sunrise:小柳ゆき(エンディング曲)
前作:島原の乱のレビュー
by Amazon