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【あらすじ】「神に見放された堕天使。人間界での名は榊」
榊拓海(津田寛治)は神崎澪(阿井莉沙)の切人俊司(笠原紳司)への憎悪を確かめると同時に、澪の母:那美(大西結花)の死の真相を語る。
「那美は世界平和のために戦ったんじゃない。君は悪魔である私の子。那美はその宿命を断ち切るために私と戦った」
榊は澪に炎を見せ、術を掛ける。澪の瞳は赤く染まる。
森岡涼子(川合千春)は迷い続ける切人俊司(笠原紳司)を説得し、澪を救出するため榊のアジトに向かう。しかし切人は思念で重岡辰巳(大和琢也)に行動を教え、涼子と切人は出迎えを受ける。澪が既に悪魔に目覚めた事を知った切人は降伏の構え。まだ諦めていない涼子に氷室沙耶(吉沢キヨ)が斬り掛かる。
腕を負傷した涼子に重岡が銃でトドメを刺そうとするが、切人の思念に操られ重岡は自殺させられる。さらに那美の力によって澪・涼子・切人はアジトから外へ瞬間移動。澪に掛けられた術も解けたものの、澪は自分の存在理由を見出せないでいた。
「私は何のために生まれてきたの?善のため?悪のため?自分が自分じゃない。誰かに突き動かされている。本当の私は何なのよ!」
切人が答える。
「どんな心を持とうが、どんな心に支配されようが、全ては自分自身」
澪の心が一つになった所で森の精霊(高橋幼奈・声:浅木勝)も現れ、魔神剣の下への案内を申し出る。一方、榊はまだ諦めていなかった。
「一度目覚めた悪魔の血は、そう簡単には戻らない」
【感想】○
澪に悪魔の子である事が明かされ、切人への憎悪から澪は悪魔に目覚める。天使:切人は観念したかに思わせておいて逆転を狙う。見事に澪を救出し説得したかに思えたが、澪自身は完全に決意が固まったわけではなかった…という話。
悪魔と神の両方からの引き入れ工作が激しくなり、澪の身柄確保を廻っての攻防が繰り広げられるが、根本である澪の心はどちらの陣営に付くとも決まっていない。澪の心と身体の分裂と、両陣営の内実を知っての進むべき道、そのための心構えなどがまだまだである事がセリフと阿井莉沙の表情で説明される。
榊は澪に出生の秘密を教え、那美が父の存在を否定するために戦ったと語る(これは榊の解釈であって那美の本心とは言い切れない)。さらに澪の憎悪を利用して榊は悪魔の血を目覚めさせる。一応、榊は澪の心を汲んだ上で術を掛けたが、澪の悪魔的な心を最大限に利用しただけであって、完全なる悪魔にはできなかった。
切人はお得意の「敵を欺くためには味方から」戦法を発揮。澪を助けると見せて涼子に内緒で榊に降伏するふりをする。だが榊の言う「切人のスキルの分裂」はその事を指すものではなかった。天使の使命の放棄=悪魔への降伏ではなく、天使自らが戦う事を意味していた。
那美によって強制的に救出された澪だったが、その事がまた彼女の心を混乱させる。悪魔の実態を知り、今また目の前で天使が重岡を殺す所を見た澪。裏切り者の重岡は簡単に殺されたのに、同じく裏切りをした自分は、天使の子でもあるという理由で救出された。
天使も悪魔も、自分の血と力を欲している。そのために何人も人が死んだ。いったい自分はどうすべきなのか。どちらのために戦うでもなく、普通の人間・何もない生活に戻りたい。そんな澪に切人は、全て受け入れろと説得。涼子は人間のために戦ってと言う。森の精霊も精霊達の魂や世界のためにと言う。
この辺りのセリフは非常に青臭いものがあったが、それ自体で評価を下げる必要はなく、若干の空々しさと、言葉と心の理解の違いを際立たせるためだったと解釈する。その解釈を成立させる阿井莉沙の演技が上手かった。皆と魔神剣の下に向かう身体と、はっきり納得したわけではないやや虚ろな表情。それに被さる榊の執念。津田寛治も上手い。
神と悪魔の戦いを描きつつ、実は思春期でよく悩む両親との関係、世間と自分の折り合いのつけ方などが根本のテーマだという気がしてきたが、これは最終回を迎えてから書くべき事のような気もするのでその時に。
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