【あらすじ】榊拓海(津田寛治)は天界と人間界を結ぶ聖域を訪れる。結界師(愛染恭子)は神埼那美(大西結花)が女神になったのかとの質問には答えず、全てを司るのは神なので榊が力を持っても無駄だと言って攻撃。だがシールドに阻まれ動けなくなり絞殺される。
榊「神が定めた運命を、地獄で呪うがいい」
神崎澪(阿井莉沙)・森岡涼子(川合千春)・切人俊司(笠原紳司)の三人は森に到着。キャンピングカーに泊る事にするが、澪は切人の手回しの良さにも疑念を持つ。切人は那美と再び交信。澪の父である鬼頭真澄(渡辺健)を消せと命じられる。
館では榊が18年前を思い起こしていた。那美にキスする榊。だが氷室沙耶(吉沢キヨ)の内偵で悪魔だとバレ、薔薇十字団の会合が開かれる。抹殺を主張する鬼頭だったが、総長:神崎源三(野上正義)は榊の力を恐れ、共存である追放を選択。榊は那美に一緒に来るかと尋ねる。
那美「裏切り者には、いつか天罰が下るわ!」
翌朝、榊の察知し得ない森の精霊に会うため樹海に入っていく澪達。そこを榊の力で蘇った悪霊が襲う。切人とはぐれ、涼子は澪を先導して戦う。澪もついに剣を抜く。一方、館では重岡辰巳(大和琢也)がどうして魔神剣の話を知ったのか詰問されていた。覚えていないと答える重岡を榊が思念で窒息させる。
【感想】◇
第二部に突入し戦いは樹海へ。そして夏の予定が6月に早まり、DVD-BOXの発売が決定!
神の使い(つまり天使であり人間ではない)切人に不信を募らせる澪。重岡の立場を疑う榊。双方は疑念を抱えて森に入っていく。視聴者としては澪の父が鬼頭ではなく榊では?という疑いを持ってしまう。
冒頭の結界師だか占い師のシーンの意味する所がやや不明。てゆーか聖域に愛染恭子がいますか?(笑)。結界師を榊が殺したのは、善と悪の均衡の崩壊や、榊の天界への侵入も可能になったという事なのだろうか。
澪の切人への疑念は前回の源三の遺言から発したものだが、人間ではない=悪魔かも?という疑いのようだ。魔神剣を澪に見つけさせて正体を現すのではないかと。でも切人は那美の命令のままに動いている。「澪を覚醒させ魔神剣を与えるのが使命」だと。今までの源三・水穂・木田の死に心を痛めているが、使命のためだと割り切ろうとしている。
今回は榊が澪の父親?との疑惑が浮上。当ブログでは#4記事にて若干の指摘済み。那美も鬼頭を消せと命じてる事だし、榊父親説が一気に確定的になった。とすると澪は最強の戦士(今は女神)の子であり悪魔の子。両方の血を引く澪が魔神剣を手にしてどちらの世界を望むか?というのがクライマックスか。
次回予告で重岡は切人に教えられたと吐いていたが、当ブログで重岡スパイ説はさらに早い#3記事から指摘し続けている。重岡を思念で窒息させる榊の目が。津田寛治になら目で殺されてもいいw
悪霊との戦闘シーンは間が抜けていたが(この辺がすごくB級の匂いがする)、だんだんと緊迫したものになると信じてるよ。
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【あらすじ】テレビ東京正月の「2007年最も売れる芸人決定SP」内にて、これまでタブーとされてきた板尾創路に24時間完全密着した待望の企画:クイズ板尾24伝説。だがその短さに板尾が激怒。スタジオにも現れない。「やりすぎコージー」にて、未公開シーンも加えたディレクターズカット版として放映。
正月との違いは下記の通り。
クイズ形式の廃止。名古屋での喫茶店シーンを別の店での食事シーンに差し替え。上着を脱いだ直後に寒がり、「寒ない?」とディレクターに聞く。とり鍋を注文した際、3人前との説明だったが、出てきたのは1人前。
蔵野のシーンがやや長め。場面切り替え時に蔵野の笑顔がサブリミナル挿入。夜のホテルで鼻うがいの後、鼻パック。とれた毛穴の汚れをまじまじと眺める。
板尾がスタジオに到着しないままシーズン2へ。代官山での散髪シーンが若干長く、店名は「代官山ニューヘアノグチ」と判明。雑貨屋で鶴の首の形状をした電気肩こり解消グッズのデザインが「腹立つな!」
水玉れっぷう隊・ケンと居酒屋で飲む。
「嫁さんにクリスマスプレゼント買わなあかんなぁ思て…」
と言って取り出したのは、あの肩こり解消グッズだった。居酒屋を出る時にそのプレゼントを忘れそうになる。
板尾がスタジオにタクシーで到着。タクシー内に荷物を忘れそうになる。スタジオの方向を間違えそうになりつつ、板尾登場。3月26日発売の「板尾日記2」を告知。今田が板尾のバッグをチェック。謎の黒い小袋、ダイレクトにティーパックを発見。東野が板尾にシーズン3の出演交渉。温泉旅行密着を勧めるもニューヨーク行きで応じる板尾。
【感想】◇
正月に放送したクイズ板尾24伝説の再編集版。といってもそんなに変わり映えもなく、本質的な事はそちらの記事で書いたのでそっちを読んでもらった方が良い。
正月の放送内容に板尾は不満を持っている模様。2日間密着された割には尺が短すぎた。大幅カットするなら「24」と言うなと。スタジオ入りも遅らせて怒りを表現。
約30分のコーナーでは「短すぎ」とは書いた。あの生放送の他の面白さレベルを考えると、板尾24にもっと時間を割いても良かったとは思う。という事で今回の再編集版となったのだろうが、VTRの尺は正月と大差ない長さだった。
では内容が大幅に変わったかといえばそうでもなく、差し替え・追加シーンで笑える所はあまりなかった。つまり正月時の内容はかなり完成度の高いものだったと言える。だからこそ大反響になったわけで、今回は見逃した人のための再放送という位置付けと捉えて良いだろう。
板尾が怒っていてスタジオ入りが遅れるというのは、わかりやすい仕込み。登場した板尾も冒頭では怒っていたものの、仕込みだからその怒りが長続きせず、でも怒ってる感じを出そうと乱暴な言動をしていた所が逆に可愛かった。
怒っている設定だったのに、その怒りが受け入れられて尺が長くなったり、内容がガラリと変わった訳ではない所は、この設定を活かし切れていない印象が残った。というか、尺を長くするなら、怒り設定や遅れて到着などの仕込みは不要なわけで…。唯一、居酒屋とタクシーで忘れ物をしそうになる所は、VTRと収録の同一性で笑えた。やはり板尾は天性のものがあるのか。
あとはやっぱり、肩こり解消グッズ。パッケージの女性の後ろ姿が嫁に似てたから購入した所。いわゆる「板尾の嫁」ではなく本当の嫁さんはかなり綺麗な人らしい。ダウンタウン松本もそんな話をしていた。そして板尾の結婚式の時、嫁はやたら胸元の開いた花嫁衣裳だったらしいw
板尾は嫁に似たパッケージを見て手に取ったものの、それがふざけたデザインだったから腹が立ったのだろうか。でもそれを購入する。プレゼントとして渡す時の話のネタにするのだろうか。これは正月時でも垣間見えた板尾流の照れ隠しなのだろう。
何にせよクリスマスプレゼントを嫁に買う板尾の優しさが出ていた。チャドとのお揃い靴下での笑顔とも併せて、板尾創路のお茶目さが感じられる。
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【あらすじ】明治初期、欧米を視察した使節団は、文明繁栄の秘密は鉄にあるとし、伊藤博文は明治7(1874)年に鉄の国産化計画を提出。明治13(1880)年には官営釜石製鉄所が完成するが、2年後には閉鎖に追い込まれる。政府は再度の製鉄所建設のための委員会を設けるが、留学中に近代製鉄を学んだ教授:野呂景義はまず釜石の失敗を究明すべきと主張。
野呂は釜石に足を運び、原料調査不充分と設備・技術の輸入が失敗要因だと突き止める。新高炉は小規模導入で漸次拡大の方針を打ち出すが、政府は明治34(1901)年2月に官営八幡製鉄所を大量生産を前提に完成させた。野呂は去り、その弟子達が操業に当たる。しかし11月の作業開始式で鉄は出来ず、出席の議員や大臣は茫然となった。
その後も銑鉄は計画の10%しか出来ず、明治35(1902)年7月には作業中止命令も下る。弟子達は野呂を迎え入れ、野呂は失敗の原因究明に乗り出す。野呂は細かい国産コークスに合ったノズルに改修し、高炉全体に熱風が通るようにした。これで生産量は日を追って増大、国産の鉄道レール生産が本格化する。
だがそのレール破損が相次ぎ、児玉晋匡は破損現場を歩く。寒冷地で破損が多く、英国製は破損しないと分かり、英国製と八幡製を比べた結果、不純物が原因と判明。昭和4(1929)年に八幡製鉄所は不純物を減らした新レール規格を作り上げた。昭和5(1930)年には鉄道レールの完全国産化を実現。日本の技術立国の礎となった。
【感想】○
鉄の生産によって貧乏国から近代国家となった英国を見て、同じ島国日本でも鉄を作ろうとした明治政府。だが急ぐあまりに釜石製鉄所は失敗し、大量生産を目論んでの八幡製鉄所も失敗寸前に。それを救ったのが現場で学んだ野呂景義だった。鉄道レールの改良はその弟子達が成し遂げた。完全国産化に成功したものの、その技術は満鉄や戦車・砲弾にも転用された歴史を持つ。
1960年代の鉄鋼業界を描いたTBSドラマ「華麗なる一族」の好調さにあやかっての放送だとは分かりきった事。鉄鋼で何かないかと探したら八幡製鉄所があり、野呂という人物が浮かび上がったと。でも野呂は途中で死んでいる(大正14年)から野呂イズムの伝達で繋げて「その時」まで持たせようと。でもでも鉄全体の国産化はできていない。だから鉄道レールの国産化に絞って「その時」にした。
…そんなうがった見方をしても仕様がないので、番組の運び方で評価して見ると、「成功は失敗から学ぶ」「現場を見て歩く」という野呂イズムが弟子達に受け継がれ、鉄という物の技術確立と、技術者という人の養成ができたからこそ、レール国産化ができたのだと筋道が立っていた。
釜石の失敗から学ばず八幡を作ろうとする政府に盾突く野呂。委員会を去り案の定、八幡は失敗寸前になる。釜石は急いでとにかく何でもいいから導入して失敗した面があったが、八幡はさらに、大規模に作ってしまったぶん性質が悪い。ここでの野呂の迎え入れと政府の対応などに興味を引かれるが、番組では説明されず。
ともあれ野呂は自分のやり方を変えずに原因究明を優先し、改修に成功する。鉄道レールの破損では野呂のやり方通りに弟子の児玉が実践し、原因を突き止め、独自の改良を加えて国産化に成功する。
野呂が最初に釜石で指摘した原料の不充分な調査は、後の鉄道レールの不純物に繋がるものがあり、設備の輸入(借り物)というのは、国産コークスに合った高炉ノズルでなかった事に繋がる。野呂の釜石調査が活かされていればその時はもっと早かったかもしれない。
この八幡製鉄所の技術があったからこそ、満鉄や戦車・砲弾で中国に侵攻していった日本。そしてあまり知られていないが、マリアナ諸島からの本土空襲より早く、八幡製鉄所はB-29の空襲を受けている。そのB-29の発進基地は中国の奥地からだった。米軍は何よりもまず、八幡製鉄所の破壊を目指したのだ。この辺も歴史のダイナミズムと言うべきか。
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官営八幡製鉄所の研究
八幡製鉄所史の研究
鉄道の語る日本の近代
日本人は「鉄」で何をつくってきたか
米軍資料八幡製鉄所空襲―B-29による日本本土初空襲の記録
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【あらすじ】神崎源三(野上正義)は重岡辰巳(大和琢也)と共に榊拓海(津田寛治)の所へ向かう。
榊「なぜ悪魔は虐げられねばならぬ」
源三「人の心を蝕むからだ」
榊「神はその人の心を弄んでいるではないか」
その頃、切人俊司(笠原紳司)は神埼那美(大西結花)と思念で交信。
切人「なぜあそこまでする必要があったんだ」
那美「サタンを倒す事だけを考えろ。大天使ミカエルよ」
森岡涼子(川合千春)を佐久間が襲う。眠っている神崎澪(阿井莉沙)の存在に気付き、澪を刺そうとする佐久間だったが、シールドに跳ね返され、そこを涼子に攻撃され消滅。
源三は思念の扉を開けると見せかけ、榊を攻撃。しかしシールドに跳ね返され瀕死の重傷を負う。トドメを刺せと重岡に命じる榊。
「命の終焉と共に思念の扉が開く」
死の瞬間、榊と切人は源三の思念を見る。その後、重岡は木箱を見つける。その中には水穂の母:氷室沙耶(吉沢キヨ)が入っていた。
源三の魂は眠っている澪の元へ。澪は夢の中で源三・氷室水穂(藤岡範子)・木田と会う。
木田「黄泉をさ迷う精霊達を救って下さい。僕達の力を受け取って下さい」
源三「神の使い:切人には注意しろ」
目を覚ました澪。深い森・5つの湖・大きな山・深い霧…。鬼頭真澄(渡辺健)は通信衛星システムを使うが、源三が神から受け取っていた思念は魔神剣の場所を特定するものではなかった。
【感想】◇
源三の命を懸けた榊への攻撃は通用せず、皮肉にも源三の死によって魔神剣の思念は榊の知る所となった。だが同時に切人と澪もその思念を受け取る。それでもデビルシャドーを呼び起こす魔神剣の場所は特定できない。そして仲間の切人の正体が人間ではないと教えられた澪。
どうもこのドラマでは人物の死に重みがないというか、上手く描けていない面がある。前回の木田と水穂もあっさり死んだし、今回の源三と佐久間の死も、その意味する所がいまいち伝わってこない。
源三が榊を攻撃しても無意味だと前回ではっきりしていたはずなのに、今回も源三は同じパターンの攻撃を仕掛け、返り討ちにあって死んでしまった。そして死んだら思念で魔神剣の行方が知れるという設定。だったら死の危険を冒す源三の行為は何だったのか。
もしかしたら源三は全てを分かった上で、魔神剣を澪に託すために敢えて死んだと解釈できる。精霊になっても澪を通して悪魔と戦えるのだから。孤児で一人だと思っていた澪に、精霊となった源三・水穂・木田の力が加わる。これで一人じゃない…という理屈は安易だが、ここの場面の雰囲気はモノトーン風の映像と静かなセリフで良い感じに仕上がっていた。
佐久間の死もかなり呆気なかったが、澪の力を示すのと、涼子の腕前披露の意味合いがあったのだろうか。悪魔に魂を売って人間を喰う事に没頭していった末路とも解釈できる。榊に付いても幸せにはなれないという事か。
今回は、現実世界とは別に精霊世界での戦いがある事を示すものがあった。切人が精霊:那美の指令で非情な作戦に出ていた事も明かされる。しかも那美は精霊の魂を鎮めると語っており、切人は大天使ミカエルだと。この二人は薔薇十字団でも悪魔でもない別の企てを持っているのだろうか。
精霊となって黄泉をさ迷う源三・水穂・木田。この他に水穂の母:沙耶もいたはずだが、沙耶は榊の操り人形になっている。榊は精霊の魂を引き入れる力もあるのだろうか。澪に付いた源三・水穂・木田と榊に付いた沙耶。そして精霊を鎮めると言う那美。やはりデビルシャドーが全ての混沌を終息させる鍵というわけか。
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【あらすじ】南北朝時代の応安元(1368)年に11歳で三代将軍となった足利義満は、南朝勢力の北九州を攻めた際、懐良親王が「日本国王」として中国:明と貿易していると知る。室町幕府が正統政府だと訴えるため明に使節を派遣しようとする義満だったが、幕府内には90年前の蒙古襲来からの中国への不信感、日本を属国とみなす明の洪武帝への反発などがあった。
義満はそれを押し切って応安6(1373)年に派遣したものの、将軍は天皇の家臣に過ぎず代表ではないと撥ね付けられた。6年後に再度派遣するも、傲慢・臣下の礼がないとして交渉できなかった。義満は唯一の代表になるために永徳元(1381)年に九州を制圧し、明徳3(1392)年には南北朝を統一させた。
当時、貨幣不足の日本はデフレ状態にあり、明との貿易によって銅銭を輸入する事で経済を立ち直らせようと画策した義満。まず永徳3(1383)年に准三后の地位を得て皇族準拠となり、京・北山に迎賓館として鹿苑寺(金閣寺)を建立。着々と明との貿易開始の準備を進めた。
明の皇帝:建文帝が叔父と皇位争いをしていると知った義満は、皇帝が周辺国からの承認を欲している今こそ好機と捉え、明に三度目の使節を派遣する。1年3ヶ月後の応永9(1402)年、明の使節を金閣寺で迎え、恭しく臣下の礼をとった義満は国書を開く。そこには義満が国王として認められており、ここに国交は回復した。
応永11(1404)年から勘合を使っての日明貿易が開始され、金の工芸品を輸出し銅銭「永楽通宝」を輸入し室町時代の経済を潤した。義満は応永15(1408)年に51歳で病死。
【感想】◇
日本国内の対立や代表の正統性問題を克服し、明のプライドを損ねずに実利を得る国交を回復した足利義満。これで経済も回復し室町幕府の力が強まった(北山文化が栄えた)というもの。
義満の明との交渉術に焦点を当てて描いており、下手に出て中国の自尊心をくすぐって、抜群のタイミングで使節を派遣して国交を回復させた、義満のしたたかさを強調していた。冒頭に現在の日中関係が説明されている事から、今の日本も中国とこのように交渉せよとのメッセージなのだろうか。
それはそれとして、義満の三度目の使節は過去に自分が明から受けた仕打ちを、そのまま明に適用する意趣返しのような面白さがあった。
南朝と北朝に分裂していた上に、将軍は天皇の臣下だから代表ではないとされた義満。南北朝を統一して、皇族の地位を得るなど、まずは国内での覇権を握っていく。同時に金閣寺を造って内装も中国風で固め、明のご機嫌取りも忘れない。
洪武帝の時代では機が熟していないと見るや、次の建文帝まで待つしたたかさ。そして建文帝と叔父との皇位争いを好機と捉える。過去に自分が代表と認められなかったのは、ライバルがいたからであり、そのライバルを押し退けるためにも外国からの承認が欲しかった。だから今、建文帝も周辺国からの承認を欲しているはずだと読んだ義満。
臣下の礼をとって建文帝に使節を派遣したのは、見方を変えると日本は建文帝を支持し、明の皇帝だと認める事になる。これを建文帝が撥ね付ける事はないというわけ。
番組では明との交易を、デフレ経済脱却のためと説明していた。あくまでも経済的見地から日明貿易を義満が望んだようにとれるが、実際は政治的思惑が優先していたのではないだろうか。国交がなかったとはいえ、民間貿易は盛んだったと番組中でも言及されていたし。
足利義満は皇族を乗っ取ろうとした人物として有名であり、明から「日本国王」として認められる事もその武器にするためだった、という解釈の方がすんなりと納得できる。日明貿易での経済活性化も幕府の力を強めるためで、今回の解釈である「デフレ脱却」も方便に過ぎない気もするが。
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室町の王権―足利義満の王権簒奪計画
天皇になろうとした将軍―それからの太平記 足利義満のミステリー
足利義満
足利義満 中世王権への挑戦
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【あらすじ】12歳の広日向アズリ(小野明日香)は夜、一人で外食した帰りに男に絡まれる。それを助けたのは担任教師の原上誠剛(牧田哲也)だった。アズリの母:文(夏生ゆうな)は作家で、自宅には原稿の上がりを待つ編集者達がたむろしている。
アズリの誕生日も母は机に向かい、相手にしてもらえない。放課後、アズリは小松北小学校へ行き原上先生を遊園地に連れ出す。原上はアズリがある人物に似ているから、一緒に居ると楽しいと言う。
アズリ「楽しいってよく分からないな」
原上がソフトクリームを買いに行っている間、一人になって泣いてしまうアズリ。
原上「泣いたって良いんだよ。それが普通なんだから」
雪が降り、雪だるまを作ろうと原上。明日には溶けて無くなると言うアズリに原上は
「でも、何か残るさ。何かは作ってみれば分かる」
と答える。完成させ、笑顔になるアズリ。
一方、死神モモ(浜田翔子)と仕え魔ダニエル(吉田里琴)から死の猶予を貰った母は、残りの原稿を仕上げようとする。
モモ「それがあなたがやり残した事なら、やればいい」
母は手を止め庭に出て、アズリに誕生日を祝えなかった事を謝り、抱き締める。
【感想】◇
難しい内容。アズリと母の関係に絡んでくる原上先生との関係。さらに原上が#2と同一人物である事、そしてその話での原上と七星(斎藤夢愛)の関係が、この話にどう影響を与えているのか。…等々考えると解釈は容易ではない。
アズリは母から相手にされず、学校にも行かず、友達も居ない。感情表現に乏しいが、本心では母と楽しく過ごしたい、一人になりたくないと思っている。
母は激務が祟ってか余命幾ばくもないが、死期をモモから教えられ、編集者へ迷惑を掛けたくないとの思いから一層原稿書きに励む。アズリは自立しており自分が死んでも大丈夫だと思っている。
原上先生は七星の死を乗り越え、その思い出を大切にしながら生きている。アズリと七星が似ていると感じ、アズリを楽しませようと努力する。
アズリには、母と過ごしたいと思う気持ちがあるのに、母はアズリは一人で大丈夫と思っている。この乖離を原上が埋める役割を果たしている。アズリは母への思いを原上で代行する。誕生日に遊園地で過ごすという歳相応の普通の子供の楽しみを実行。しかし全然楽しくない。それは一緒に居るのが母ではなく原上だからなのか。
実はそうではなく、アズリの置かれた環境からの思考形式が原因だった。原上は学校に来ないアズリの家庭環境を探る。父はなく母は忙しく友達も居ないアズリ。でもアズリは母からカードを与えられ、金銭的には不自由なく暮らしていた。
自分では何も生まず、与えられた環境で育ったがゆえ、一人になる(失う)事を恐れているアズリ。与えられた環境だから満足しているのでもなく、さらにその環境から何かが減る事に怯えている。
アズリには何かを生み出したいとの欲求がない。その喜びを知らないのではと考えた原上は雪だるまを作る事を提案する。原上は何もない紙から絵を生み出す喜びを知っている。そしてアズリの母は何もない紙から文章を生み出す人物。
雪だるまはどうせ無くなると最初は思っていたアズリ。でも作ってみて「何か」を知り、段々と笑顔になっていく。金で得た一人の夜食でもなく、遊具のある遊園地での遊びでもなく、自分の力で無から有にした時の思い出はいつまでも残るのだ。
母が死んでいなくなっても、母の気持ちと自分の気持ちは思い出となって残る。自分が成長し、思い出になるにつれ、母の本心が分かってきて理解できるようになる。原上は七星の死から年月が経ち、こういった変化をも大切に思えるようになっているのだろうか。アズリにもそれを教えたかったのかもしれない。
…原上がアズリの母の状況を知っていないと成立しない所が、上記の解釈の穴だね。やっぱ難しい。
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【あらすじ】神崎澪(阿井莉沙)は本城美沙(浜崎茜)に操られた氷室水穂(藤岡範子)に襲われる。澪は呪文を唱えて水穂の呪縛を解く。だが本城と戦った水穂は、本城に重傷を負わせるも返り討ちにされる。
「天国でお母さんに逢えるかな…」
息絶える水穂。友を失った澪は覚醒し、その叫びで本城は粉々に吹き飛ぶ。
榊拓海(津田寛治)と対峙した神崎源三(野上正義)は攻撃体勢に入る。榊の気を引くため木田が囮になるが、重岡辰巳(大和琢也)に後ろから刺されて絶命。源三の攻撃を瞬間移動でかわした榊。
神崎宅に澪を運んだ切人俊司(笠原紳司)。同じく源三を運んだ森岡涼子(川合千春)。澪は孤児ではなく、薔薇十字団最強の戦死:那美(大西結花)の娘であり、那美の元パートナーで今は政府筋に身を置いて榊をサポートしている鬼頭真澄(渡辺健)の子であった。
切人「澪が目を覚ましたら全てが動き出す。もし澪が選ばれし者なら榊にとって脅威だ」
澪の力が榊にも知れた事態に至り、遂に源三は魔神剣の居所へ向かう決意を固める。源三を車で迎える重岡。榊は狂気の笑いを発する。
「この俺をここまで欺き通すとは」
【感想】○
ほぼ全編に渡って緊迫した状況が続き、目の離せない展開になっている。#3までの説明と遅い進行は何だったんだと思うくらい加速しており、特殊メイクやCGも違和感なく使われていて、ローカル放送に留めておくにはもったいない出来映え。
本城美沙が倒されるのは予想できたが、氷室水穂が早くも死んでしまうのが意外だった。木田もあっさりと死んでしまうし。この辺の思い切りの良さもヌルい展開との決別を感じさせる。
澪は水穂の死で覚醒したが、これで悪魔と戦う要素が揃って、今後は一直線に突き進んでいくのかどうか。今のところは母の仇、友の復讐といったマイナスで戦う意義が強調されているのが不安。これを母と(父と)の再会、天使の使命などのプラス意義が加味されないと健全なヒロイン像から離れてしまう。
水穂は澪に仲間として戦う面も含めて、プラス意義を与える役割を果たしていたと思うが、早くも死んでしまって、今後の澪は木田を失った森岡涼子と共に戦っていくのだろうか。
重岡の立場はやはり切人が送り込んだスパイで確定かな。前の2回の記事でスパイだと書いて来て違ってたら大恥だが。でもスパイ(つまり十字団側)だとすると、仲間のはずの木田を迷わず殺した所が恐ろしい。榊を欺くためにそこまでしないといけないのか。
全ては源三を魔神剣へと動かすためで、重岡に木田殺しまでさせる切人は随分と非情な人物だ。この非情さに薄々気付いてる感じの涼子の反発などは今後起きるのだろうか。薔薇十字団側は結束力に問題を抱えてるね。(追記:どうやら榊の狂気の笑いは重岡ではなく、澪を隠していた源三に向けられた物らしく、重岡スパイ説も怪しくなってきたか)
一方の榊側は本城を失ったものの、新たに鬼頭真澄がサポートしている事が明かされた。しかも鬼頭が澪の父親らしい。どうして悪魔側に付いたのか謎で、その辺の事情の絡みで澪の母:那美との過去話も出てくるのだろう。
今後はっきりするであろう要素は分かっているものの、展開は予想がつかない部分が多く、次を観たい!と強く思わせるドラマになって来ている。
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【あらすじ】大永元(1521)年11月に生まれた武田信玄。甲斐は狭い盆地毎に家臣が勢力を持ち、守護の武田家の力は弱かった。父:信虎は家臣を恐怖支配していたが、天文10(1541)年6月に反発した家臣らによって追放され、信玄が担ぎ上げられた。翌年、諏訪に侵攻し勝利を収めるも、家臣らは信玄が諏訪の娘を側室にする事に反対した。
山本勘助の助言によって「甲州法度」を作成した信玄。自分にも法度を掛けた物だったが家臣は言う事を聞かなかった。村上氏との戦いでは功を焦った家臣の暴走が敗北を招いた。再び勘助の進言に従って、「戦を続け、得た領土を家臣に分け与える」方針を立てた信玄。村上氏を滅ぼし、信州を平定。合戦の当日に感状や褒美を与え続けた。
永禄4(1561)年8月の上杉謙信との第四次川中島の戦いでは、山本勘助も戦死し本陣を突かれる危機に陥るが、家臣らが自分の命に代えても信玄を守り抜いた。しかし、今川義元亡き後の駿河攻めには、今川の娘と結婚していた嫡男:義信が反対。家臣らも二つに割れた。信玄は義信を幽閉・自害させ、80人の家臣を処刑。残った家臣に血の起請文を書かせた。
駿河を平定した信玄に足利義昭から上洛の命が下り、三河に進軍。だが徳川家康は篭城の構えを見せ、相手にすれば消耗、通り過ぎれば織田と挟み撃ちに遭う状況に。そこで信玄は台地の三方ヶ原に進み、坂を下る無防備な状態を晒して家康を誘い出す。信玄の号令で武田軍は一斉に魚隣の陣を組み、台地上で逃げ場の無い徳川軍に襲いかかった。
「猛虎が羊の群れに突撃したるが如し」
元亀3(1572)年12月22日、ここに最強武田軍団が完成し、徳川軍に大勝。だが4ヶ月後に信玄は病で53歳で亡くなる。
【感想】◇
戦国最強と伝えられる武田騎馬軍団は、実は一枚岩ではなく、常に内紛を抱え、当主の信玄はその結束に生涯をかけていた、というもの。最強となったのは信玄の死ぬ僅か4ヶ月前で、野戦で無敗の家康を完膚無きまでに叩き潰し、その戦いぶりが最強伝説となった。武田を恐れた家康は徳川幕府を作るに当たって旧武田家臣を登用し、武田流を取り入れた。
豪族の寄せ集めのような甲斐武田家が、どうやって最強軍団を形成していったかという視点は、父:信虎との統治の違い、外敵に活路を見出す、褒美のアメを与えるなど、分かりやすかった。一方、今回は大河ドラマ「風林火山」との連動の関係で、山本勘助の活躍が無理やり挿入されていた。毎年のようだが、大河との連動企画をやるとこの番組の質は確実に低下する。
武田信虎を追放するほどの力を持つ家臣と、その家臣に担がれて当主になった信玄では、同じ統治方法が通用しないのは明らかで、信玄は最初は至って弱腰である。それが命令を聞かない家臣の暴走を招き、村上氏に敗北した所から変わり出す。信虎のような恐怖政治のように、内紛を国内で解決する事は諦め、敵を外に作って領土を拡張する方針に転換。
それが川中島の戦いで一端は結実したかに見えたが、今川攻めを巡って再度の内紛となる。これは今までの領土拡張と褒美のシステムが限界に達していたようにも思える。信玄か義信かの世代交代の時期でもあったのではないだろうか。
そこで信玄は信虎のような恐怖政治に戻ってしまう。結局、最強軍団時の家臣は、アメ(褒美)とムチ(恐怖政治)で飼い慣らされた者達だったと見る事も出来そうだ。信玄を絶対と崇める家臣は、天下取りという偉業に伴う最大の褒美を求めて最強の働きをしたと。
だが、その信玄が死んでしまっては目標が無くなってしまう。家臣団の世代交代は確実に押し寄せてきて、その波を感じ取った信玄時代の家臣は、勝頼時代に居場所を失っていく。その結果起きたのが長篠の合戦で、それについては、その時歴史が動いた:武田勝頼に記したとおり。
山本勘助の部分は全くと言っていいほど不要で、勘助の助言などなくても、内紛を外敵で解決するのは当時の戦国武将が皆やっていた事だし、勘助の策:川中島のキツツキ戦法などは無かったとする見方も有力である。また、勘助亡き後に信玄は武田家をまとめ上げたのだから、勘助の果たした役割の小ささが伺える。
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名将―原本現代語新訳「甲陽軍鑑」(1)
定本・武田信玄
軍師山本勘助―語られた英雄像
川中島合戦 再考
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【あらすじ】幾間大輝(中村蒼)は桐友中学でイジメに遭っていた。帰宅しても画家の父(本城丸裕)は展覧会の作品に没頭中。大輝にもコンクールの絵を描くよう命じるだけ。学校を休んで自殺しようとビルの屋上から下を見る大輝。そこへ死神モモ(浜田翔子)とダニエル(吉田里琴)が現れる。モモは「死にたいなら死ねば」と言う。
父からの圧力と同級生からのイジメはエスカレート。金を巻き上げられ、右手をケガさせられた大輝。父は絵の描けなくなった大輝を殴りつける。大輝は痛む右手に絵筆を包帯で巻きつけ、絵を徹夜で仕上げる。もう一度屋上に行った大輝に再び現れるモモ。死を手伝ってくれと頼む大輝を見てモモは泣く。
帰宅すると父が大輝の絵を見ていた。何のために絵を描くのか、その答えについて納得したような父。その直後、父は心臓発作で倒れて亡くなってしまう。展覧会は回顧展に変更。霊安室で大輝は父をなじる。憎い、自分勝手、母を大事にしなかった、などと。
「僕はあんたのコピーじゃないんだ」
コンクールで大輝の絵「ヒカリのキセキ」は大賞。その絵を見る原上誠剛(牧田哲也)と小檜山七星(斎藤夢愛)。大輝はイジメ相手に、もう言いなりにならないとの決意を伝える。
【感想】△
イジメと父からの押し付けによって居場所の無くなった大輝は、死のうとしていたが、感情を絵にぶつけて生きる選択をし、父の死によって精神解放され、イジメとも決別する話。
イジメられて同級生の言いなりになっていた大輝と、父と同じ画家になって父と同じような絵を描く事を強要されていた大輝。父とは親子というより師弟関係に近く、母は既に死に、自宅でも学校でも居場所が無い。ささやかな反発として父と違う作風の絵をスケッチブックに密かに描く。
モモからも勝手に死ねばと言われ、死の手助けもされない。大輝を助ける人物は死神にもいない。大輝は極限まで追い詰められ、抑圧していた感情の爆発をキャンバスにぶつける。その絵を見た父は、自分と大輝の違いを知り、大輝はイジメ相手にも感情をぶつけていく。
言いなりからの決別を二つの視点で描いている。…と解釈してみたが、厳密にあらすじと見比べると、絵の仕上がりとモモのシーンにおいて順序が違う所もあり、この解釈も的外れかもしれない。
全体的に捻りのない展開だが、霊安室でも父をなじる所がちょっと異色な感じもした。父の生き方を最後まで理解できなかった大輝。非情に勝手に推測してみると、父はとにかく絵に一筋で、母もそんな父に惹かれて結婚したのだから、母の死に目より展覧会を選んで当然だと。そして大輝を立派な画家に育て上げる事こそ母への供養になると、父は考えていたのではないだろうか。
演技の方はあんまり見てられないものがあり、今までは浜田翔子や吉田里琴のつたない演技をゲスト役者がカバーしてたから良かったものの、今回は中村蒼も何だか頼りない演技で参った。棒読みと抑揚の無さの違いが上手く出来ていないような。
ちなみに最後のコンクールのシーンで見ていた誠剛(牧田哲也)と七星(斎藤夢愛)は#2に出てきた二人。
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【あらすじ】神崎源三(野上正義)を拷問する榊拓海(津田寛治)は言う。
「善と悪の均衡で平和は保たれる。なのに那美(大西結花)は私を葬ろうとした」
思念を使って源三から魔神剣の行方を吐かせようとする榊だったが、源三は血を吐くのみ。
警察の内偵をしようとする森岡涼子(川合千春)は裏切り者の重岡辰巳(大和琢也)と格闘戦に。重岡は源三に会わせると約束し、涼子は木田と共に救出に向かう。自宅に留め置かれた神崎澪(阿井莉沙)と氷室水穂(藤岡範子)を本城美沙(浜崎茜)が訪ね、源三の居場所に案内すると言って連れ出す。
源三は佐久間から暴行を受け続けていたが、切人俊司(笠原紳司)が思念を使って源三に語り掛ける。このままでは時間の問題で、源三が動かないと全ては終わると。重岡と涼子・木田は潜入に成功するが、そこに居たのは源三ではなく榊だった。本城と澪・水穂が案内された建物にも源三はおらず、立ち込めた煙で澪と水穂ははぐれる。
涼子達に仲間になれと命じる榊だったが、突如として建物が揺れる。その隙に榊へ銃弾を放った涼子。しかし榊は容易く弾を止める。何とそこに拘束されていたはずの源三が現れる。一方、澪は本城に操られ悪魔の化身となった水穂に襲われていた。
「水穂、目を覚まして。悪魔を倒してお母さんに会うんじゃなかったの!」
【感想】○
話がようやく動いたと思ったら、いきなり面白くなってて目を見張るものがあった。薔薇十字団の総長:源三を榊に取られ、その奪還に向かう十字団の戦士が、焦るあまりに榊の仕組んだ罠に落ちていく。そこで神崎家の源三と澪が底力を見せるか?といった所で次回へ。
榊は元薔薇十字団だったが18年前に追放され、悪魔の側に付いた人物らしい。榊からすれば均衡を破ろうとしているのは天使側ではないかと。澪の生まれる前でもある18年前に何があったのかという所も物語の鍵になるのかな。澪の父親が不明で、那美のパートナー:鬼頭真澄(渡辺健)や榊との関係は?という想像も働くが。
重岡の立場は裏切り者なのか、それとも前回で予想した切人が送り込んだスパイか、というのはまだはっきりしない。重岡が榊に教えた情報(澪や魔神剣の存在)も、元を辿れば切人が得た情報だが、その事を重岡が榊に言えなかったシーンから考えると、やはりスパイだと思うが。
源三を得た榊だったが、情報を得られず、残りの十字団を人質にとって吐かせようと考えたのだろう。しかも涼子と澪を分離させる各個撃破という周到さ。源三を助けたい一心の彼女達はこの罠にはまっていく。
やはり前回書いたように、敵同士の榊と切人の当面の目的は、魔神剣の場所を突き止める事で一致しているようだ。その目的のため部下(佐久間・本城)や仲間(涼子・澪)を駒に使うやや非情な構図が上手く描き出されている。
そして駒になった澪と、駒にはさせまいとする源三の気概が炸裂する。源三は澪を戦いに巻き込ませないため、遂に薔薇十字団総長としての力を発動。自力での脱獄に成功し榊と対峙する。澪の方も悪魔の化身となった水穂を見かねて力を発動するのだろう。それが次回「覚醒」へと繋がるわけ。
さて、澪の戦う理由付けとして、母の仇以外の設定が追加された。悪魔を倒したら悪魔と戦って死んだ戦士の精霊が蘇るというもの。つまり母と再会できるらしい。都合良すぎと言えばそれまでだが、「情」の部分を担当するのもヒロインの役割なので、冷酷な榊との対比として好意的にみておく。
その榊が銃弾を手かざしで止めるシーンが格好良かった。しかも目線が銃弾や撃った涼子に向いていない。止めるぞという態度も見せずにスッと止めた所が不気味。肉体ではなく思念で戦っている様子が良く分かった。
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【あらすじ】昭和11(1936)年8月に開催されたベルリンオリンピックは、ヒトラーのナチスドイツのアピールの場として使われた。日本も国威発揚のため次回開催国に立候補し、1940年の開催国となった。だが1937年からの日中戦争により各国は不参加を表明。1938年7月13日、日本は東京でのオリンピック開催を断念。
日本オリンピック委員会主事の田畑政治は、水泳チームの総監督でもあったが、選手達は太平洋戦争で次々と戦死した。敗戦後、「スポーツで愛国心を育成しても何にもならない」と悟るが、設備もなく泥水の中を泳いで練習する選手の姿に心打たれる。昭和26(1951)年のヘルシンキで日本はオリンピックに復帰。そのヘルシンキオリンピックは東西冷戦の舞台となっており、日本は東という敵の登場によって参加できただけであった。
昭和29(1953)年5月のマニラアジア大会に参加した日本選手達は激しいブーイングに遭い、石を投げられ表彰台にも立てないほどだった。田畑は日本が平和になった事をアピールするため、もう一度、東京でオリンピックを開催しようと決意する。経済的に効果があることを試算し、国家的事業にするとの岸信介首相の確約を得て、デトロイト・ウイーン・ブリュッセルとの選挙を征した日本。開催に向けたインフラ整備によって高度経済成長を遂げる。
田畑は、アジアに反日感情があるままでの開催は、復興を自慢するだけになってしまうと思い、聖火をアジア諸国を巡らせる計画を発案する。昭和39(1964)年8月にアテネで採火された聖火はラングーン・バンコク・クアラルンプール・マニラ・香港・台北とリレーされた。アジア大会のようなブーイングもなく、アジアの人々は声援を送ってくれた。そして米統治下の沖縄を経て、広島を通り、昭和39(1964)年10月10日に東京の国際競技場で聖火式が行われた。
46日間、2万6千人の手でリレーされた聖火の最終ランナーは、広島に原爆が投下された1945年8月6日に広島で生まれた坂井義則(19歳)が務めた。
【感想】×
オリンピックが国威発揚や東西冷戦の舞台として使われる事に疑問を抱いた田畑政治が、平和をアピールするために東京での開催に腐心した様子を描く。その具体的行動としてアジア諸国を聖火リレーさせ、アジアの民衆にも日本が平和国家となった事を理解させたというもの。
東京五輪を、従来の日本の復興と経済成長という視点ではなく、アジア諸国との相互理解という視点で描こうとした製作意図は分かる。だが、その相互理解が聖火リレーが成功したから達成された、めでたし目出たしで終わらせてはいけないのでは。現に、東京五輪後の1970年代・80年代になっても日本選手はアジアの観客から激しいブーイングを浴び続けたのだし。
また、聖火リレーが成功した理由も番組中では何の説明もなかった。アジアのその国の人々が聖火を持って走る姿に送られた声援が、どうして日本との相互理解、侵略への許しとなるのか。アジア大会のように、日本選手がアジア諸国の選手と戦う場において声援が送られない限り、田畑の意図が達成されたとは言い難いと思うが。
だとしても、侵略戦争の許しや反日感情をスポーツ大会で測る(悪く言えば請う)というのは、田畑の考えたスポーツと国際問題の別離とは言えないものである。オリンピックや競技大会を平和のアピールの場にしようという発想の起点からして、論理的には国威発揚や代理戦争と性格を同じくするものである。
そもそもアテネを起源とするスポーツの祭典・オリンピア祭は、代理戦争そのものであり、その復興として提唱された近代オリンピックも、建前は別として国威発揚や代理戦争の場として政治利用されるのはごく自然な事である。
それを平和の象徴と考えてしまった日本はむしろ間違っているのであり、選手にも国のためではなく個人の「楽しさ」を求める姿は異様だ。それなのに、日本が勝つ金メダルに執拗にこだわる矛盾を露呈している(特にマスコミは)。
そして、次回開催国の中国を見ても分かるように、五輪は平和ではなく国威発揚に使われている事は明白だ。さらに、再度東京での五輪招致活動を展開する石原都知事から「平和のため」との理由が発せられた事はない。東京の経済効果を説く商業主義が表向きの主張であり、その裏の意図は言わずもがな。
関連記事:その時歴史が動いた:日本サッカー(ベルリン五輪)
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東京オリンピック(市川崑監督)
東京オリンピックへの遙かな道―招致活動の軌跡1930‐1964
オリンピックの政治学
日の丸とオリンピック
幻の東京オリンピック
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【あらすじ】浅野水月(若葉竜也)は夜中に学校のプールに入っていた。そこへプール授業を妨害するため藤島豊花(仲村みう)がピラニアを放す。豊花は泳げないからで、目論見どおり翌日の授業は中止になる。
水月の小学生時代、姉(熊谷知花)も泳げず、水月から教わっていたが、水月が目を離した間に溺死した。モモ(浜田翔子)は、水月がもうすぐ死ぬのも、姉が死んだのも運命だと語り「君の代わりは君にしか出来ない。だから頑張って」と伝える。
豊花に泳ぎを教える事になった水月。やがて豊花から告白されるが、もうすぐ死ぬからと断る。豊花がもうプールには来ないだろうと自室にいた水月の前に、ダニエル(吉田里琴)が現れ、姉に会ったと口を滑らす。急いでプールまで走る水月。豊花が溺れていた。
豊花を助け「死んだらどうするんだよ!」と叫んで抱き締める。二人は付き合い出すが、水月に死は訪れない。豊花は言う。
「いつ死ぬか分からないなんて私も浅野も一緒」
【感想】◇
結局、死なない変則パターンもあるんだ。姉の死を自分のせいだと思い続け、何事にも身の入らない水月を心配した天国の姉が、モモに頼んで立ち直らせる話。豊花と姉をダブらせ、豊花を救う事で悪しき思い出を振り払った水月。
夜中にプールに入っている浅野水月は姉の「夜のプールって宇宙を泳いでるみたい」との言葉を追憶している。姉を失ったプールで姉を心の中に取り戻す水月。そこへやってきた藤島豊花は水槽だらけの家のピラニアを放す。水槽からは少し自由になったピラニアだが、本来居るべき場所ではない。水月も姉を亡くした時からは成長したものの、まだ過去に囚われている事を、このピラニアで表現している。
モモのアドバイス「君の代わりは君にしか出来ない」を具体化するように、姉と豊花は同じような運命を辿り出す。姉を救えなかった水月だが、豊花は救えた。だが、姉の代わりが豊花になったのではない。水月の心と行動が変わったのだ。
水月の事を好きだと言う豊花。ハンバーグはおいしいから好き。そんな感じで水月が好きだと豊花。理屈ではない世界。水月が姉を救えなかったのも水月のせいではない。豊花が溺れたのも水月のせいではない。二人とも自分の自由意思でプールに入ったのだから。
水槽にいたピラニアにもプールに移したピラニアにも自由はない。そして水月というピラニアは、自分で囲いを作って死に囚われていただけだった。豊花を助けたいから助ける。それは姉を助けたかったから。その結果の運命は人には分からない。だが、自分で囲いを作っている間は、運命を自分から知る事も出来ないのだ。
さて、豊花役の仲村みうは先日やっていた深夜ドラマ「拝み屋横丁顛末記」でも、やや不良っぽい女子高生役を演じていた。こうした役が続いているが、それは目つきの悪さからか(笑)グラビア時とは違って眼を細めにした役作りが上手く行っていると評価すべきか。あと、溺れても人工呼吸されなかったが、これはまだ事務所的にNGだったと。事務所的にNGは水月役の若葉竜也の方だったというオチだったりして(笑
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【あらすじ】通行人を射殺した警官を自殺させた神崎澪(阿井莉沙)と氷室水穂(藤岡範子)はその場から逃げる。水穂は澪に「あんたがやったのは犯罪だ」と注意するが、澪は「悪魔のような人間の方が多い」と答える。自宅に帰った澪は水穂から昔の薔薇十字団の写真を見せられる。そこには澪の母:那美(大西結花)も写っていた。
澪は祖父:源三(野上正義)に説明を求める。那美は澪を生んですぐ死んだのではなく、薔薇十字団の最強の戦士として悪魔と戦ったと聞かされる。そこに警察がやって来て、源三は連続猟奇殺人の容疑者として連行されてしまう。それは榊拓海(津田寛治)の指示によるものだった。
不自然な逮捕に疑問を持った森岡涼子(川合千春)は切人俊司(笠原紳司)と相談の上、警察の内偵をする事に。澪には木田が追加説明。源三は榊によって捕まり、母:那美と水穂の母:氷室沙耶(吉沢キヨ)も榊によって殺されたと。榊を倒さなければ悪魔の化身も消えず、そのためにはデビルシャドー(悪魔の影)が必要と語る木田。
取り調べで拷問を受ける源三。デビルシャドーを呼び起こすための魔神剣が何処にあるのか聞き出そうとする榊。早く行方を言わないと澪が死ぬと脅す。
【感想】◇
天使と悪魔の均衡の戦いなど無関係と思っている澪に明かされる母の死の真相、そして自分の身の回りに起こる化身の正体。それはどちらも榊による仕業だった。澪が戦いを決意するきっかけとなる回。
前回から続きの乱射警官は、悪魔の化身とは違うものの、榊の念力か何かで操られた人間かとも思っていたが、本当にただの人間だったようで…。これが大事にならず、人間の凶暴性を示すためだけのエピソードになっていたのが肩透かしだった。
一番の拍子抜けは源三があまりにもあっさりと榊の手に落ちる所。そしてその場に榊の狙う澪もいたのに、何の手出しもされなかった事。戦いをまだ起こしたくない源三は抵抗せずに従い、澪の力を見極めたい榊はまだ澪を泳がせるつもり、と解釈すべきなのか。
今回の本筋は澪の気持ちの変化の始まりであり、それが榊に元凶があると分かった所である。まずは母の死の真相。母:那美は榊と戦って死んだのであり、澪を捨てたわけではなかった。澪にも薔薇十字団の戦士の血筋が流れ、母の仇という宿命がある事が明かされる。榊は水穂の母の仇でもあった(だが前回は那美が唯一、榊と戦ったと説明されていたので、前回説明との矛盾点の気もするが)。
次に、悪魔の化身について。榊によって悪魔の力が強まり、化身が増えたとの事。化身が澪を襲うのは、澪を狙っての事なのかはまだはっきりしない。だが化身をいくら倒しても榊を倒さないと意味がないらしい。それには魔神剣でデビルシャドーを呼び起こすしかないという訳。
それで、魔神剣の行方を知る源三が専らの焦点となっている。切人は、源三は魔神剣の行方を思念で知っているから大丈夫と言っていた。場所を言語化できないから拷問されても平気という訳か。
同時にそれは切人も知り得ないという事を示す。だから切人はわざと源三を榊に逮捕させ、榊の思念の周波数の使い方を試しているのでは。源三から魔神剣の行方を聞き出すという目的では、榊と切人は一致している。十字団を裏切りそうな重岡も、魔神剣の情報を得るため切人が送り込んだ榊へのスパイなのかも。
設定としては理屈が通っているが、設定の説明面が強い所と、やや展開が遅い所は気になる。でも途中から見る人には好都合。デビルシャドー、まだ見てない人はまだ間に合う。
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