| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【あらすじ】「陰謀としか思えないわ」
柏瞳は言う。城ヶ崎と一緒に外出したが仕事の呼び出しで一人に。佐藤達広とばったり再会したのも
「陰謀か。相も変わらず私達の周りにひしめいてる陰謀」
「結婚という儀式だって、どこかの巨大組織の陰謀かも」
カフェから居酒屋へ。マリッジブルーになっている柏。城ヶ崎は素敵な男性。だが
「こんな美味い話あるの?陰謀じゃないの」
「不倫とか、しよっか」
佐藤と柏はホテルへ。柏は裸になり佐藤に伸し掛かる。
佐藤「ここでやっちゃったら、悪の組織の思うつぼですよ」
柏「そうね。あやうく陰謀にはまる所だったわ」
腕を組みホテル街を抜ける二人。陰謀にはまったふりで悪の組織を欺く。その姿を蔭から見ていた中原岬。佐藤は柏と別れる。
「私、お母さんになるんだ」
井の蛙線の渋爺駅で岬は待っていた。当初の目的の初詣にはいかないと言う。
「神様がいるとしても、きっと悪者に決まっているから」
今日の試験は、はぐれたから無効として帰る岬。佐藤には山崎から電話。
「田舎の人間関係は酒さえ飲んでいれば何とかなるんです。人生は酒です!」
食事を持って来た岬だったが、佐藤は山崎から余った乳製品を送ってもらえるようになったと話す。岬は部屋を出ていく。
夜のカウンセリングでは公園の猫が死んでいた。人生の9割は苦しい事だらけ。そんな世界を作った神様は悪者。
「佐藤君とあの先輩がホテルから出て来る所を私に見せたのも、神様の意地悪です」
だから世界を良くするために神様を倒せばいいと語る岬。
「いっそ神様を信じられれば、全部神様のせいに出来るのに。そしたら私は悪くないって確信できるのに」
泣き出す岬。佐藤は訳もわからず自室へ戻る。同じく自室の岬。
「佐藤君はもう、私の虜だよね…」
【感想】○
中原岬によるカウンセリング期末試験ではぐれ、マリッジブルーになっている柏瞳と再会した佐藤。相変わらず何でも陰謀説に結び付ける柏による不倫の持ち掛けを、陰謀返しによって断った佐藤。だが、必死に佐藤を捜していた岬に見られ、食事係としての必要性も薄まり、岬は情緒不安定に。そして遂に、佐藤に近づいた岬の真の目的が語られる…。
基本的に柏瞳は幸せモードなので、陰謀話も深刻なものではない。それを読み取った佐藤が陰謀話に付き合いつつ、ジョークのように自分も陰謀説を唱える優しさが良い。そんな佐藤の軽い陰謀説を受け入れる柏も、改めて自分の状況が暗い物ではないと気付いていく様子が描かれ、最後は笑顔で別れる二人。
本来、柏と佐藤の陰謀話は高校時代の2年間を同じ文芸部で過ごした間柄の、仲間内だけで通じる内輪ネタだったはず。それが二人が別の道を歩み、柏は人間関係のもつれや他人の嫉妬を陰謀だと思い込み、精神科医に通うようになるまでになった。一方の佐藤は強迫観念で引きこもりになり、それがN・H・K(日本ひきこもり協会)の陰謀だと思うようになった。
再会した二人(#5)は、互いに発展させた陰謀説と、過去の内輪ネタの陰謀話のノリを錯覚してしまう。これが柏にとっての理解者は佐藤君だけとの思いを喚起させ、自殺オフ会に誘うきっかけとなる(#11)。佐藤は佐藤で、自分の理解されない状況を陰謀で片付けてくれる柏に救いの道を見出し、柏を救うためにもとオフ会に参加(#12)。
結局、自殺オフ会では、柏に必要だったのは理解者である佐藤でなくて、現状を打破する力のある城ヶ崎であり、佐藤に必要だったのは人生の分岐点にいた過去の柏でなくて、ドン底を今ともに歩んでいる山崎と岬であったというオチ(#13)になり、柏と佐藤は別れる(#14)。
そして今回の再会をするわけだが、これを運命かと捉える佐藤は柏とのベッドシーンを思い浮かべる。だが、陰謀だとかわして事を成就させない。これは、佐藤の言うように「だいぶよくなった」証拠である。状況にだらだらと引きづられる以前の佐藤だったら、柏に付いて行っただろう。深刻な陰謀説を打ち消すのは城ヶ崎のような力ではなく、ジョーク交じりの陰謀説で、過去の内輪ネタの陰謀話だった。佐藤なりの解決策を見出しそれを柏にも解らせたのだ。
だが、佐藤の柏との妄想が、岬の妄想と同じであった所が巧い。ホテルそしてベッドを妄想したシーンは佐藤のものだけでなく岬の脳内描写でもあった。ここで岬はある意味「キレて」しまう。岬は怪しげな宗教勧誘に付き合いながらもマンガ喫茶で働き、現実を生きてきた。佐藤へのカウンセリング(#5)、偽恋人(#7)デート(#8)、自殺引き止め(#13)、ネトゲー引き離し(#16)、クリーニングオフ(#18)、食事係(#19)…と全て彼女なりの現実対処で佐藤と関わってきた。
現実が破綻し妄想を見た岬は、今までの行動の原点をつぶやき、あの妄想を否定するように「佐藤が自分のトリコ」だと妄想する。父親から虐待され(たと思われる)、親戚宅に身を潜めている岬は、自分を必要としてくれる存在を求めていたのだ。佐藤を宗教勧誘で見つけ(#1)、変態ロリコン男だと知っても動じない(#3)。このダメ人間:佐藤を自分がサポートし、まともな人間になれば自分の自信になる。そうならなくても佐藤が自分を頼るしかない状況に置かれている限り、自分の存在意義がそこにあると。完璧なプロジェクトにして完全な陰謀。
佐藤は岬の状況と目的に十分気付く立場にいたのに、自分の事ばかり考えていたのと岬を誤解した(#10)ために、未だに岬の苦悩に気付けないでいる(番組的に、気付いたらお終いという理由は別として)。他者のダメっぷりを責めない佐藤は、これまでは優しさとも受け取れていた(#6記事「ツッコミなしの気遣い」など)が、いよいよ最後に岬を諌め・助け、自分が治った証拠を見せる時が来た。…はず。
前回記事
←Top
N・H・Kにようこそ!DVD(各2話収録)
NHKにようこそ!(大岩ケンヂの原作)
パズル(オープニング曲)
もどかしい世界の上で(牧野由依の新エンディング曲)
踊る赤ちゃん人間、日本引きこもり協会のテーマ(大槻ケンヂの旧ED曲)
ダークサイドにようこそ!(サウンドトラック)
サニーサイドにようこそ!(ソングコレクション全24曲)
第20.5話フルボイスにようこそ!(ドラマアルバム)
レンタルお姉さん(ニートを動かす女性のルポ)
by Amazon