テレビ批評的視聴記 - 2006/12/04

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2006年12月04日(Mon)▲ページの先頭へ
N・H・Kにようこそ! #21

【あらすじ】自作ゲーム『True World〜真実のセカイ』が完成し、自分達の名前が流れるスタッフロールに感動する佐藤達広と山崎薫。だが冬コミでは5枚しか売れなかった。
山崎「売れなくてもいいんです。東京で生きてたって証が残せれば」

山崎の引越し準備を手伝い、プルリンちゃんグッズ・食料・PCなど貰う佐藤。引越し当日、中原岬も三田ハウスの外で見送り。
山崎「佐藤さんの事をお願いします。…岬さん」
小野急の幾田駅まで見送った佐藤。
山崎「佐藤さんは負けないで下さいよ」
佐藤「お前!負けて帰るわけじゃないだろ!!」

山崎の居ない三田ハウス。佐藤は独りぼっちの寂しさから、地球にも宇宙にも自分一人しかいないと空想する。そして自分こそが宇宙創造の唯一絶対神だと悟る。だから不可能はない。山崎を念力で呼び戻そうとするが、山崎は現れない。
「山崎、何やってんだ。今すぐ帰ってこい、ヤマザキー!!」

12月30日、食事を持って来た岬が、カウンセリングの期末試験として初詣に行くと提案。大晦日、深夜の渋谷で人込みの中を歩く内、岬とはぐれてしまう。ビルの陰で動けなくなった佐藤に声を掛ける女性。
「佐藤…君?」
それは柏瞳だった。その頃、岬は佐藤を捜し回っていた。
「佐藤君には、もう私しか居ないんだから」

【感想】◎
ようやくゲームが完成したものの、全く売れずにやはり山崎は実家に戻る事に。山崎を介してのクリエイターへの道は閉ざされ、ひきこもり生活にリセットさせる佐藤。食事係とカウンセリングを続ける岬と初詣に出掛けるが、はぐれて柏と再会する。佐藤にとっての山崎の重要さを改めて感じさせる別れが前半。後半の試験は、ひきこもり脱出かどうかが、実は佐藤ではなく岬が試されているのだという構図が面白い。

シリーズ終盤の山場になると予想(#12)していた冬コミが、こんなにもあっさりと失敗で片付けられるとは。その虚脱感が、去って行く山崎の物悲しさと重なる巧さ。クリエイターへの夢破れ負けたと解釈するか、両親の都合で帰らざるを得ないだけと解釈するかの、山崎と佐藤の最後の会話シーンが胸を突く。

ここまでの雰囲気の出し方が実に上手く、完全に青春モノになっている。ひきこもりとキモオタでもこれが出来る、一般人と大差ないではないか、というこの番組で何度も繰り返された主張(特にシリーズ前半#5#6#8#9など)が最後まで貫かれる。

自分は神だとの妄想を抱きつつ、ゲームが売れなかった事実で「やっぱり俺達は負けたんだ」とか、山崎を超能力で戻せない現実に気付く佐藤。ひきこもり生活へ見事にリセットされる。(冬コミ処理にも驚いたが、クリスマスすら一気に飛ばす展開も驚愕)

山崎から佐藤を託され、変に気負ってる岬。なぜか、佐藤と仮デートした時(#7)にメニューを真剣に見ていたシーンを思い起こした。彼女にとっても佐藤との関係は自分へ自信を付ける訓練とも思える。創作活動にも良いという理由(#19)だった食事係を律義に続け、初詣にも連れ出す。

人込みでも平気かどうかを試す岬だったが、佐藤を掴えておく事が出来ず、その佐藤は#11同様、またしても柏とどこかに行ってしまいそうな気配のラスト。努めて佐藤と関係を持とうとする岬に対して、離れても運命的に佐藤と出会ってしまう柏。#16でも書いたが、岬はこれで自信喪失になったりしないのか。いよいよ岬と佐藤の関係が、柏によってクローズアップされそうな予感。
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