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【あらすじ】「君には何もない」
神崎弘人(亀梨和也)に月丘雅彦(財津和夫)は言い放つ。
弘人「愛があります」
雅彦「それは若さゆえの情熱だ。ただの恋だ」
弘人「僕にとっては、たったひとつの恋なんです。俺の命と引き換えに菜緒が助かるなら、今すぐ差し出します」
神崎造船鉄工所の従業員:棚田(田口浩正)が通帳と印鑑を盗み、佐伯船舶からの入金200万を持ち逃げ。取り敢えず今週末の支払い30万の確保のため、外山電気・久良木金融・新井場エンジニアリング・シーモータルエンジニアリング・北洋技研工業・盤栄興業・海本工務店・古宇田自動車整備工場など取引先を回って金を借りようとする弘人。千葉の吉井さんから何とか30万を借りる。
大沢亜裕太(平岡祐太)のアパートに呼ばれた草野甲(田中聖)と本宮裕子(戸田恵梨香)。お互いに謝り仲直り。「おせっかいおじさんかよ」と自嘲し、コンビニと寂しく乾杯する亜裕太。
弘人と月丘菜緒(綾瀬はるか)は船の上で逢う。雅彦に会いに行った事、菜緒の体(子供産めない)の事を話す。その上で
弘人「アンタ以外の人と居る所、想像できないよ」
菜緒「弘人とずーっと居る事想像したら凄い嬉しい。嬉しすぎて死ぬ(笑」
じゃれあう二人。「楽しすぎて何か怖いね」
男から借金している神崎亜紀子(余貴美子)は雅彦と面会。菜緒と弘人の密会の隠し撮り写真まで見せる。
「お宅にとっちゃ、端金でしょー、100万や200万」
「ゆすり…ですか」
その頃、弘人と廉(齋藤隆成)は菜緒のクリスマスプレゼントのクジラの置物を作成中。菜緒は弘人の手袋を編み始める。
菜緒は風邪を引き、念のため検査入院。その間に菜緒の携帯電話契約を兄:達也(要潤)が止める。達也から菜緒の誘拐未遂を聞いた雅彦、そして月丘みつこ(田中好子)。みつこは病室で菜緒と話す。
「あなたのスキャンダルは怖い。スタージュエリーに傷は付けられない。あなたに骨髄をくれたお兄ちゃんを裏切らないで」
菜緒は翌朝に飲むカフェオレをみつこに買いに行かせる。
みつこ「明日の朝、飲むのよね」
菜緒は病室を抜け出し弘人に電話し、丘公園のガゼボの下で逢う。一緒に泊まろうと迫る菜緒。だが弘人は菜緒と連絡が付かず不安だった、でも今腕の中にいるから安心した、とただ抱きしめるだけだった。
【感想】◇
弘人側には工場の経営難、母親の揺すり。菜緒側には誘拐未遂の親バレ、携帯禁止、運転手兼ボディガード予告。互いの家の者は違った形で弘人と菜緒の自由を制限する方向に動く。弘人の雅彦への率直な訴えもこれらに撥ね返される一方、菜緒は一夜限りの自由を最後のチャンスと捉え、弘人と関係を迫る選択に出るのだった。
…と文字にまとめてみると、なかなか上手く包囲網が出来上がっている事に気付くわけだが、この番組の特徴である抑えた演出と、すぐには(その場では)劇的に動かない展開が続くので、見ている段階ではその包囲の厳しさをあまり感じない。だから最後の菜緒の行動も突飛に映るし、弘人の不安と安心の大きさもいまいち伝わってこなかった。
今回のキーワードは「怖い」と「先の想像」か。甲は医者の娘である裕子との先を想像して怖気づく。持ち逃げの件を菜緒に話さなかった弘人について亜裕太は「菜緒ちゃんに嫌われるのが怖い」と推測。弘人と菜緒は先の想像をし、一緒に居る事を確認し合うが、その幸せがいつか無くなりそうで怖い。スキャンダルが怖いとみつこ。菜緒と連絡が付かず何かあったのかと怖くなっていた弘人。
人は先の想像をし、不安に駆られるから怖い。月丘家の者は、今の状態が続く事を願っている。娘との交際は無理だと言う雅彦、弘人の家に乗り込んで会うなと言った達也。そして今回は菜緒の理解者と思われた母:みつこまでもが菜緒を諭す。なんとその内容は家を守るという最も外面的な理由だった。
みつこの説得が、感情の達也、事実の雅彦よりも力があった。菜緒の気持ちを十分に理解しながらも、母親としての立場、スタージュエリーの嫁としての立場、これまでの菜緒への家族の貢献を切々と言い聞かせるみつこ。「菜緒を守る」事が全てを守る事に繋がるとの論理。それは家族だから、スタージュエリーの家だから。
だがみつこは「命懸けで菜緒を守る」と語った弘人も高く評価している。その弘人の言葉の本気さは、菜緒が弘人に惹かれた事から証明されている。菜緒を本当に大切に思う心は、自分たち家族と同じくらい弘人が持っている。その気持ちに菜緒は惹かれたのだから。
そこまで分かった上で「もう会わないで欲しい」と言うみつこ。弘人より一枚も二枚も上手だ。だからこそみつこは、菜緒と弘人にチャンスを与える「余裕」を見せる。菜緒に病室を抜け出す意思がある事を察知しつつ、わざと包囲網に穴を開ける。朝までには戻るとの確約を取り付けた上で。みつこは恐ろしいほどの駆け引き上手。
劇中では「怖い」の感情を打破する展開も示される。甲の怖さは亜裕太の計らいで解消、そして菜緒は彼女自身の行動によって打破していく。楽しさ・幸せの時に感じていた漠然とした不安と怖さが、現実のものになって来た時、弘人との既成事実しかないと判断し、菜緒は迷わず弘人に迫る。駆け引き無しの直球の菜緒がみつこと対比される。
…で、そんな事情を知らない弘人は菜緒を抱きしめるだけだったが、事情を知ったら知ったで引いてしまうのが男のデリケートさ、か?菜緒とは何事も無く一夜を過ごしそうだが(笑)。でも菜緒は家族に何事もあったと虚勢を張る展開を予想するがいかに!あーでも既成事実って強いし大事かも(ぉぃ)
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