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【あらすじ】「雪原の死闘」1945年1月2日、ベルギー・アルデンヌの森。ヒトラーの反撃は頓挫し、バルジ(突出部)からドイツ軍を押し戻す作戦に就くE中隊。フォイ奪還のため、高地ボアジャックを占拠したものの、中隊長ダイク中尉はいつも不在で、隊員は戦況がよく分からない。フーブラーが敵伝令を殺しルガーを奪うが、そのルガーが暴発して死亡。報告にはリプトン軍曹が赴き、大隊長ウィンターズ大尉は何故ダイクが来ないのかと不服。
フォイには第10装甲歩兵師団の一個中隊がおり、88mm砲とタイガーI型戦車3両を確認。陣地構築中にドイツ軍の砲撃を受けるE中隊。トイが片足を吹き飛ばされ、救助に向かったガルニアも足をやられる。それを見たコンプトンは精神崩壊。ダイクはリプトンに処置を任せると告げて前線から去る。続く砲撃でマック、ペンカルらも死亡。
「恐怖は伝染し人格を破壊する。集中力を失い士気が低下する。戦闘では一番危険だ」
リプトンは各隊員を見回り励まし続ける。
フォイ攻撃前夜、リプトンはウィンターズにダイク指揮下では何人も死ぬと意見するが、確固たる解任理由もないため、そのまま攻撃当日に。E中隊は機関銃援護の下、フォイまで200mの雪原を突っ切るため、迅速な前進が不可欠とダイクにアドバイスするウィンターズ。だがダイクは途中でパニックになり停止命令を出す。ドイツ兵の銃眼の餌食になるE中隊。各員散り散りで遮蔽物に隠れ、戦闘指揮はますます困難な状況に。
自ら前線に出ようとしたウィンターズだったが、シンク大佐に引き戻され、予備のD中隊長スピアーズ中尉をダイクと交代させる。スピアーズは砲撃をものともせず一直線に進み、合流して突撃再開。フォイに突入しドイツ軍の反撃も始まる中、東のI中隊との連携が必要と判断するや、ドイツ兵の真っ只中を一人で突っ切りI中隊と打ち合わせ。さらにドイツ兵の中を突っ切り戻って来る。呆気に取られてドイツ兵はスピアーズを撃てなかった。
フォイを占領、ダイクはクビ。尼僧院で聖歌を聞くE中隊。去ろうとするスピアーズにこのまま指揮官で居て欲しいと頼むリプトン。部下達を支え、常に士気を上げ、的確な指示を出したのはリプトンだと言うスピアーズ。リプトンは少尉に昇進。
【感想】◇
百戦錬磨のE中隊兵士の無能な指揮官への不信感が大きくなり、両者の亀裂は戦闘において続出する死者という形で決定的となる。伝説的な英雄行為をするスピアーズに交代し危機を救ったが、真の指揮官は、隊員の事を第一に考えていたリプトンだったという話。そのリプトンの視点で描かれた今回。
至る所に挟まれるリプトンの独白が少々うるさい。バンドオブブラザースは、あまり説明的なものはなく、ただ戦場を見せるのが基本だと思っていただけに、今回はやたら説明するリプトンのナレーションが雰囲気を台無しにしていた。最後のオチと教訓も会話で全部説明されちゃってるし。毎回監督が違うからこの辺の統一感がないのは仕方ないが。
無能な指揮官という点ではダイク中尉は#1のソベル大尉と同じ。ソベルは戦闘前に配置替えとなったが、もしソベルが戦場指揮していたら…をダイクでやってみたと考えればいいのか。ソベルは訓練教官としては優秀で、ダイクはエール大学出身のエリートという違いはあるが、どちらも戦場指揮には不適格だったというわけ。
指揮官更迭には単なる兵士の不満では理由にならず、何かしらの失敗が必要という所がポイント。ダイクはE中隊を昇進のための腰掛けと考えており、出来るだけ関与しない不作為を選択していた。だから平時には表立ったミスも起こらない。問題が表面化したのが戦闘の最中でようやく更迭。そのために隊員が何人も死んだという所がやるせない。
ダイクと対照的に描かれるのがスピアーズ。部下射殺とか捕虜20人を虐殺したなどの噂が囁かれる伝説の人物。タバコを勧められた後に射殺と話している兵達の所へスピアーズがやって来てタバコを勧め、恐怖の面持ちで首を振る兵士のシーンは笑える。無能なダイクと切れ者のスピアーズは正反対だが、兵達の信頼を得る点ではどちらも失敗している。
ダイクは馬鹿にされ、スピアーズは恐れられている。リプトンは「タフなE中隊から尊敬される指揮官はいない」となだめる。タフだと思われていたコンプトンは精神疾患で離脱。そしてE中隊員よりもっとタフなスピアーズは人間とは思えない恐怖の人物。戦場での勇猛果敢な行動はパニックに陥るダイクより遥かに頼りにはなる。ドイツ兵の中を突っ切る単独行動は英雄的行為として語り継がれるが、実はスピアーズが部下を信頼していない事の証拠でもある。
スピアーズ本人は伝説や噂が大きくなる事を黙認している。その方が指揮しやすいし威厳が出るという事なのだろう。損耗率の高い部隊で手っ取り早く部下を掌握する方法としては、指揮官の伝説や噂が大きい恐怖支配が良いのかもしれない。だが、皆が自分と同じには出来ないため、スピアーズは信頼・絆を大事にするリプトンこそが指揮官だと告げるのだった。
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