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【あらすじ】衛生兵:ユージーンは皆から救急キットやモルヒネを集め回る。1944年12月、バストーニュを守る第101空挺師団には救護所も無く、防寒具・食料・弾薬も不足。防御線は隙間だらけで人員も不足していた。予備隊の第3大隊に貰いに行くがここでも医療品は不足していた。夜になってもユージーンはモルヒネを各タコツボから集め回っていた。
バストーニュの教会に負傷兵を運んだユージーン。ここの救護所にはもっと酷い負傷兵が集まっていた。看護婦:ルネから少しだけ医療品を分けてもらう。ルネはユージーンにチョコレートを投げる。E中隊から戦闘斥候を出す事になり、ドイツ軍と接触するまで前進。攻撃を受け前線を確認し退却するが、負傷したジュリアンは置き去りに。衛生兵:ヘグロンはそれを悔やむ。
塹壕でユージーンは祖母が治癒師だったと話す。患部に手をかざし祈って治したという。ルネが手をかざしているのを目撃したユージーン。だが二人は重傷兵の止血に失敗し死なせてしまう。ルネは素人同然の看護婦で、もう患者を看るのは嫌だと話す。それでも運ばれてくる負傷兵達。
マッコーリフ准将はドイツ軍による降伏勧告に「アホ(Nuts!)」と答える。ドイツ軍の本格的な攻撃が始まる。教会も爆撃を受け、瓦礫の中からユージーンはルネの看護帽を拾う。手を怪我したヘグロンにその看護帽を包帯代わりに巻き付けるユージーン。12月26日、パットン将軍の米第3軍によってバストーニュの包囲は解かれた。
【感想】○
バルジの戦いで最大の激戦地となったバストーニュの攻防を衛生兵の視点で描く。包囲されたアメリカ軍に血漿もモルヒネも包帯も不足する中、次々と出る負傷兵。強まるドイツ軍の攻撃…との概要からすると、銃弾の飛び交う戦場を衛生兵:ユージーンが駆け回って治療にあたる展開を想像しがちだが、看護婦:ルネとの交流を主軸に据えたため、激しい戦闘(戦場シーンとユージーンの闘い)の印象は極めて薄くなっている。
ユージーンが走り回っていたのは主に攻撃前でモルヒネ回収のため。前線で死なれると皆が困るからと斥候にも同行を許されない。負傷兵が出てもすぐにジープに乗せてしまう。これはジープに乗った先のルネとのシーンを作るため。そのためにユージーンの医療行為は極力省かれ、戦闘シーンはブツ切りになってしまっている。
キーワードは「手」か。手に宿る不思議な力で治していた祖母。薬も未発達な時代の祖母と、薬がない中で治療に当たるルネ。ユージーンの中でルネと祖母が重ね合わせになる。だがルネは素人同然の看護婦だった。役に立ちたい一心で看護婦になったばかりの町娘。そして負傷兵が次々と死んでいく様に耐えられなくなっていた。
何で衛生兵になったか分からない、気付いたらいつの間に…と語るヘグロン。祖母の影響で衛生兵になったユージーンと対照的な人物がもう一人出てくる。ユージーンもルネもヘグロンも特別な才能がある訳ではない。でも衛生兵・看護婦として負傷兵のために働く。
マッコーリフ准将の名言「ナッツ!」は味方の士気を上げたかもしれないが、包囲に留めようとしていたドイツ軍を逆上させ猛攻撃を招いた迷言でもある。その攻撃でルネは死んでしまう。ルネの看護キャップを引き裂き、ルネとの思い出を終わらせたユージーンは、ヘグロンの手当てにその看護キャップを使ったのだった。
ルネの看護キャップという「物」が役立ったのではなく、ルネの誰かの役に立ちたいという「思い」をユージーンが受け継いだと解釈すべき。その思いは手当てしたヘグロンや他の兵士にも伝わっただろうか。
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