テレビ批評的視聴記 - 2006/11/16

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2006年11月16日(Thu)▲ページの先頭へ
たったひとつの恋 #5

【あらすじ】「はじめまして。神崎弘人です」
月丘達也(要潤)、月丘みつこ(田中好子)にも挨拶する神崎弘人(亀梨和也)。帰ろうとするがみつこの取り計らいで喫茶店で月丘菜緒(綾瀬はるか)と話す事に。彼女疑惑を否定し誤解を解き、菜緒の血液のガンの事も知らなかったと釈明。
菜緒「じゃあさ、これから少しづつでもいいから私の事わかって。私も少しづつかもしんないけど弘人の事知っていきたい」

草野甲(田中聖)は弘人と大沢亜裕太(平岡祐太)に本宮裕子(戸田恵梨香)と付き合う事になったと報告。裕子も菜緒に甲と付き合うと宣言。
「人は見てくれや持ち物じゃないわ。心よココロ」

菜緒の父:雅彦(財津和夫)は菜緒を呼び出し、神崎家の調査報告書を見せ、父親が借金苦で自殺していると告げる。菜緒は、全て知った上で付き合っていると嘘をつく。だが帰り道
「お父さんが自殺なんて、本当なのかなぁ」

独り身の亜裕太を励ますため新江ノ島水族館へ5人でグループデート。神社で絵馬に願い事を書く。
〔ずっと2人が幸せでいられますように…☆  菜緒  弘人〕
帰り道、弘人達の通った横浜北実業高等学校に通りかかり、夜の校舎に入ってみる5人。バスケに興じる皆を他所に弘人はグラウンドに寝そべる。野球部エースで県大会ベスト4だったが、父が借金苦で自殺して工場を継いだと菜緒に打ち明ける。
「ここが俺の夢の場所。青春で夢の場所」

…遠くであいつらのはしゃぐ声ききながら、菜緒とキスしながら、俺は何か凄く満ち足りた気分だったんだ。あの頃のいくつかの出来事は、今もこの胸で光を放ち続ける。まるでタイタニックの海底の宝石のように…

甲は横女の通学路にて軽トラで裕子を待ち伏せ。だが友達と一緒の裕子は甲を無視して通り過ぎる。4人で飲み、酔いつぶれた甲を帰す亜裕太。菜緒は弘人に父と会ってくれないかと頼む。あっさりと了承する弘人。
「実はちょっと、頑張っちゃったり?してるけど。俺も菜緒の事、真剣だから」

菜緒の家に行く日、弘人の元カノ:ユキ(高橋真唯)と同棲してる山下(波岡一喜)ら3人が菜緒を誘拐しようとする。襲われてる菜緒を見掛けた弘人は助けに入り山下らと乱闘に。達也も通り掛かり山下らは逃げる。弘人に言い放つ達也
「君の知り合いなのか。ここは君みたいなのがいる所じゃない。帰れ!」

菜緒にエレベーター内で「もう会うな」と達也。だが菜緒は再度エレベーターで降りて弘人を捜す。交差点の向こうを放心状態で歩く弘人を発見。
「私、諦めないから。何があっても、どんな事があっても、弘人のこと諦めないから!」

【感想】○
真剣な交際の場合、男がクリアしなければならない家族面談。弘人は偶発的に菜緒の母と兄と会ってしまい、もう一度きちんと挨拶するために月丘家に向かう。だが菜緒は弘人の高校の同級生に襲われ、弘人は自分が呼び込んだ不幸に菜緒を諦めかける。しかし菜緒は弘人を追い駆け、諦めないと宣言するのだった。男女の役割(ヒーローとヒロイン)が逆になったかのような最後が独特。

今回は北川悦束子脚本の小さな伏線の張り方が光っていた。喫茶店で互いの事を少しづつ分かろうと話し合う菜緒と弘人。父の自殺、高校、野球の夢、そして悪人の同級生へと繋がる。「全てを知って付き合っている」と父に嘘を言った菜緒だったが、弘人の境遇がわかるにつれ、生易しい事ではないと知る。だが最初は困惑したものの、45階までの長いエレベーター内で気持ちの整理が付き、弘人を追い掛け諦めないと叫ぶ。

父親の自殺を知らなかったが、知っていたと嘘を付く菜緒。そして弘人から自殺を聞かされた時は、知っていたが知らないふりをした菜緒。ここの「演技の演技」が構図としてちょっと面白かった。菜緒は病気の事を弘人に打ち明けずにバレて、弘人の父の自殺も打ち明けられる前にバレたが、弘人は自分から菜緒に打ち明けたという所もポイント。

そして金銭目的の誘拐として身をもって知る事になる「下流」の人々の荒っぽさ。弘人は身を挺して菜緒を救ったが、山下が弘人の同級生だった事は、この事件が弘人の「身分」によって引き起こされた面もある事を示す。それを見抜いた兄:達也は弘人を追い返す。それでも弘人自身には非が無いと結論づけた菜緒には、どうしても弘人を諦められない。

一方の弘人の方だが、どんどんと菜緒には素直になっていってる。父の自殺、野球の夢、そして少し無理しての面談了承。だがやはり、誘拐未遂での暴力シーンを菜緒にも達也にも見られ、しかも犯人と同級生だった事は弘人にとってショックが大きい。工場を継いで野球と大学の夢を諦め青春を終わらせた弘人は、今度は菜緒を諦めてもう一度、現実に戻ろうとする。

だが菜緒にとっては弘人こそが青春の夢だった。病気から立ち直り、親からも羽ばたきつつある菜緒の青春は、弘人によって始まったばかりだったのだ。「諦め」をキーワードに弘人と菜緒が対比され、菜緒によって弘人の新たな夢と青春が再び呼び起こされる。

もうひとつの恋である甲と裕子だが、これは親との関係の菜緒と、友達との関係の裕子で対比されている。親兄弟から何を言われようが恋人と会う菜緒と、友達との関係維持のために恋人を無視する裕子。対立しても家族なら縁は切れないが、友達は他人であるために体裁を気にしてしまう微妙な心理。単なる身分違い設定で片づけない一般的な心理を描写する所は評価すべき。

あと、亜裕太と菜緒のバスケシーンでの亜裕太の表情は、今後亜裕太が菜緒を狙うとか弘人を裏切るとかではなく、単に友達と恋人の違い・壁を表現したものと解釈。亜裕太はどこまでも都合の良い善人であるべきと思うから。設定も都合よく変わってるし。「軽やか」「手が早い」だったり「鈍くさい」だったり(笑
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