テレビ批評的視聴記 - 2006/11/14

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2006年11月14日(Tue)▲ページの先頭へ
バンド・オブ・ブラザース#5

【あらすじ】「岐路」1944年10月5日の戦闘詳報を書くウィンターズ大尉。ドイツ軍と接触したE中隊。どこかにMG-42機関銃を撃っているドイツ兵達を迫撃砲と銃撃で倒す。ドイツ軍も反撃し翌朝に。敵の数が多く、側面に回られたら危険と判断したウィンターズは、中隊を3つに分けて突撃。真っ先に敵陣に乗り込んだウィンターズは、丸腰の若いドイツ兵を一瞬の躊躇の末、射殺。中隊は陣地を銃撃し続け、SS(親衛隊)2個中隊を敗走させる。

第101空挺師団 第506連隊 第2大隊副大隊長に昇進したウィンターズ。新任のE中隊長:ハイリガーと、ニクソン大尉がマーケットガーデン作戦で取り残された英国兵140人を救出するペガサス作戦を成功させる。ウィンターズはデスクワーク。だが10月31日、ハイリガーは警備兵に撃たれて前線離脱。12月、フランスのムーメロン・ル・グランで兵力65%に回復したE中隊。補充兵ばかりで、中隊長も補充兵のダイク中尉。

ウィンターズに48時間の外出許可。ニクソンの勧めでパリを見学。地下鉄で戦闘情景がフラッシュバック。あの若いドイツ兵が忘れられないウィンターズ。終点で声を掛けてきた少年がその兵士の顔と重なる。

ドイツ第5機甲軍・第6SS機甲軍がアルデンヌの森を突破。第101空挺師団は防寒具も弾薬も不足のまま交通の要衝バストーニュに向かう。東はE中隊もいる第2大隊、第1大隊は左翼、第3大隊は予備として死守せよと厳命される。前線から戦意喪失し退却してくる味方兵。その兵達から武器弾薬を貰うE中隊。弾薬を満載したジープを操るジョージ・ライスが、このままだと包囲されると伝える。
ウィンターズ「落下傘兵だからね。包囲されるのは慣れてる」

【感想】◇
トム・ハンクス監督回。失敗に終わったマーケットガーデン作戦から、兵力補充してライン渡河してドイツ本土進行を覗っていた連合軍は、突如として独機甲軍の反撃を受ける。フランス侵攻の再現を夢見たヒトラーによる、米英軍分断を狙ったラインの守り作戦の幕開けだった。E中隊は皮肉にもバルジの戦いで最大の激戦地となるバストーニュに送られる事になる。世界の名(迷?)言「ナッツ!」は次回に持ち越し。

大規模な作戦と作戦の合間を繋ぐ回であり、小規模戦闘と小休止の期間に、戦闘と平和の狭間で揺らぐウィンターズの姿が描かれる。フランス解放が一段落し、マーケットガーデンから膠着した戦線にあっても、戦闘は行われていた事がドラマ前半に示される。常に先頭に立って指揮していたウィンターズは、若いドイツ兵を撃ち殺した事を気に病みながら昇進し、デスクワークに就く。

戦い続けていたウィンターズは、躊躇したものの丸腰の少年兵を撃ってしまった。連戦が人としての感情を失わせてしまったのだろうか。だが、ウィンターズが撃たなくてもあの少年兵は誰かに撃たれる事は確実だった。敗走したドイツ兵に執拗に撃ち続けるリーブゴットがそれを示す。だからといってウィンターズの気休めにはならない。

また、はっきりと描写されていないが、最初にMG-42を撃っていたドイツ兵達は、どうも捕虜かレジスタンスを処刑していた可能性が高い。リーブゴットの弾薬を回収して捕虜を連行させていた(処刑の応酬を断ち切るため)から。丸腰の人間を撃つ点で敵も見方も同類だとの主張が込められているのかも。

休暇で行ったパリ。雑談に興じる人々。カップルだらけの夜の街。ゆっくりと風呂に入れる平和。ウィンターズはあの丸腰のドイツ兵と電車内の少年の区別がつかなくなる。戦場を離れれば自分は大尉でも指揮官でもなくただの人。だったらあの少年兵も、あの場にいなければ、いま目の前に居る少年とどこが違うのか。

戦場が人を狂気に変え、人間性を失わせるのか。それとも自分の中の凶暴性が少年兵殺害へと至らせたのか。その答えは出ぬまま、ウィンターズやE中隊は再度戦場に送り込まれる。そこが、あの少年兵の事など考える余裕も無くなる激戦地:バストーニュだとは知らずに。
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