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【あらすじ】月丘菜緒(綾瀬はるか)は光るオレンジのイガイガを振るが、神崎弘人(亀梨和也)からの応答が無い。電話をすると弘人の弟:廉(齋藤隆成)が出る。廉は菜緒から連絡があったと伝えるが弘人は電話しようとしない。
「シンデレラは王子様と結婚する。間違っても家来や農民とは結婚しない」
菜緒は弘人の工場で飲み会があると聞いて訪ねる。だがそれは本宮裕子(戸田恵梨香)に担がれたものだった。廉から溶接遊びを勧められる。神崎亜紀子(余貴美子)は水商売に出掛ける時間で、千円札で晩ゴハンを食べるようにと出て行く。
菜緒「それで御飯って…」
その頃、弘人は佐伯船舶からのエンジン整備の契約更新のため、代替わりした若社長(中村俊太)に頼み込み。
「あんたさ、無駄に格好良いんだよね。あんたん所の父親、自殺(首吊り)して工場の借金返してんだって」
土下座を迫る若社長。弘人は
「小さな工場だけど、そこまでして親父が守った工場なんです。だから俺が潰すわけにはいかねーんだ。あんただって会社引き継ぐんだったら、それくらい分かるんじゃないっすか」
家に帰り菜緒が居る事に気付いた弘人だったが、仕事でそれどころじゃないと帰してしまう。だが菜緒が廉の食事を作ってくれたと知り、追い駆けて礼を言う。そして電話すると約束。菜緒は翌日夕方からバルコニーで弘人からの電話を待つ。夜も次の日もその次の日も…。
「うそつき」
佐伯船舶から契約更新とピストン抜きの仕事も任される神崎造船鉄工所。弘人はやっと菜緒に電話。
菜緒「逢いたいんだけど」
弘人「それってどういう意味だろ?」
菜緒「そっちもこっちの事、好きなのかと思ったよ。でももういい、分かったから。さようなら」
弘人「ちょっと待って。皆で友達みたいに会うとかさ」
菜緒「無理。私もう好きになっちゃたんだよね。電話待ってる内に。だから、じゃ…そういう事なんで」
裕子にフられたと話し、酔いつぶれた菜緒は裕子の家に泊まる。
「好きだったのに…」
裕子は菜緒と弘人をくっつけようと、大沢亜裕太(平岡祐太)が菜緒と付き合うとの情報を、草野甲(田中聖)が弘人に伝えるという作戦を練る。上手く行けば甲は裕子とデートできるため、甲は見事に任務を果たす。亜裕太も弘人と電話で
「オレ、菜緒ちゃんと付き合うから」と伝える。
金曜夜に菜緒と亜裕太がインターコンチで食事しホテルに泊まると知った弘人は、仕事も手に付かずロビーに向かう。菜緒を発見し
「亜裕太はやめとけ、あいつは悪い奴じゃないけど…軽やかなんだよ」
「あいつは何でも俺の物を欲しがるんだ。俺の物を」
菜緒は裕子と待ち合わせしていたのだった。またもや騙された二人。裕子が予約した中華料理店:Karyu。無料食事券で食べるはめになる二人。三回もはめられてると言う弘人に菜緒は
「お腹空いてない?」
たくさん飲み食いする菜緒。
「最後の晩餐。最初で最後。弘人君と御飯食べるの。この前フられたし」
「弘人君てよく見ると変な顔してるよね。皆、格好良いとか女の人にモテるとか言うけど、よく見ると変な顔してるよね。変な顔、へんなかお、ヘンナカオ〜」
弘人「自分だって変な顔じゃんか」
菜緒「ヒドイ。ヒドくない?何でそんなヒドイ事言うの?」
帰り道、横断歩道を渡って行く菜緒に弘人が叫ぶ。
「まって!待てよ。何だか知んねーけど、そんなにとっとと行くなって」
戻って来る菜緒。「何?」
弘人「俺さ、あんたと亜裕太が付き合うって思ったらたまんなかったんだ。この間もサヨナラって言われたの、相当堪えたんだ。今日とかも会ってると、また逢いたいんだ」
弘人「だから何か、その…洒落たこと言えねーょ」
「ばか」と言って抱き付く菜緒。
弘人「俺、金ねーけど」
菜緒「うん、分かってる」
弘人「高卒だし」
菜緒「分かってる」
弘人「分かってるとか言うなよ」
菜緒「ゴメン。関係ない。弘人君は…弘人がヒロトだったらそれでいい」
弘人は菜緒に軽く素早くキス。
菜緒「今の何?」
弘人「キス。何か不満?」
菜緒「するんだったら、ちゃんとキスしてよ」
フッと笑う弘人。
菜緒「笑わないでよ」
弘人「命令多いよ」
菜緒「ゴメン」
ライトアップされた観覧車をバックに弘人は菜緒とキス。
【感想】○
こんなにセリフばっかり書いてしまって良いんだろうかとも思うが、外せないセリフばかりで困ってしまう。今回は弘人と菜緒のやりとりが、擦れ違ったり、ボケとツッコミになってたり、でも最後には通じ合ったりで、何だかクスクス笑いっぱなしで観てしまった。
セリフ書き起こして分かったが、セリフだけでは意味が伝わらない部分が多く、しゃべり方や表情、その時の仕草など全部見ないと気持ちを汲み取れない(それでもなるべく意味が分かるような所を抜き出し、文字変換にも意味を持たせて書いてみたが)。視聴者側の解釈や判断に委ねる比重がかなりあり、そういう部分で楽しめない人は上っ面の流れや顛末から「内容が乏しい」などと言うわけで、好みが別れるドラマだとは思う。
菜緒の家と自分とは身分が違うと知り、連絡しなくなる弘人。だが廉に「本当は好きなんでしょ」と言い当てられ、机に足をぶつける動揺。菜緒が亜裕太と付き合うと知り、釣竿を強く投げて当たる。菜緒から訳も分からず電話を切られ、受話器をまともに置けないショック。仕事でも鉄材を落としたり、水を飲んでも蛇口を閉め忘れる上の空。今回は弘人の心の有り様が分かり易く描写されている。
一方の菜緒は待ち味?であるストレートな言葉を繰り出し弘人に迫る。直球すぎて思わず逸らしてしまう弘人。身分違いで卑屈になってる点と合わさって、素直になれない弘人と一貫している菜緒という構図が初回から続いていたが、今回の最後に弘人が心を開いた事で四部構成とされる「たったひとつの恋」の第一部が完結する。
今回の前半山場は土下座シーン。若社長の火遊びである下請けイジメを受ける弘人の工場。明らかに不服な態度と目をしながら土下座する弘人。これでは契約更新は無理かと思ったが、自分の信念を述べる事で若社長の良心を揺さぶる。永井大の黒い太陽 #2では土下座で要求を通し、その時の周囲の立ち位置が重要だったが、この土下座は土下座そのものは格好で、セリフで若社長と対等だという事を伝えていた。同じ土下座シーンでも色々な伝え方があるわけで、テレビドラマの面白さが出ていた。
弘人の仕事中に廉の食事を作る菜緒。見た目からして不味そうなチャーハンだったがw、それでも廉は「おいしい」と答える。菜緒と弘人の関係を壊さないため精いっぱいの廉。「ホントは料理とかあんましなくって」と追い討ちかける菜緒のボケっぷりが笑える。次回、廉が倒れるみたいだが、いたいけな少年の体を虫食む料理を食べさせた菜緒のせいだろう(笑)ま、このシーンは菜緒も養護学校に通っていたという設定ばらしが重要なわけで。
弘人と菜緒の電話は最初から噛み合わない。ずっと待ってる内に「好き」が高まりすぎて一回転してしまった菜緒は(何よ、いまさら電話なんかしちゃって。どうせなら会いに来なさい)と、ささやかな憎しみまで抱いている。自分と同じくらい「好き」の気持ちを弘人にも抱いていて欲しかった菜緒。そしていつもは暗い弘人が明るいのは仕事が上手く行ったおかげで、自分ではなく仕事が明るくした事にもショック。逢いたいとの直球勝負も逸らされたばかりか、友達としてなどと言われてフられたと思い込む菜緒。好きだから友達としても会えないと一方的に電話を切る。
弘人としては、佐伯船舶の件が解決するまで電話しない(というか出来ない)というプライドがあった。仕事ひとつこなせず自分に自信が無い状態では、身分違いの菜緒にも電話する資格もないだろうとの理屈。そんな理屈は菜緒には関係なかったのだが。
菜緒の「弘人じゃなきゃヤダ」との強い想いを知って「ちょー気合」と一肌脱ぐ裕子。デート権を怖面の甲に譲る。亜裕太は亜裕太で裕子が自分に気があると知りつつ、容認してしまう。男3人女2人で誰かがあぶれる計算だが、毎度のエンディングで5人が並ぶシーンでも裕子の隣には甲が居るので、意外とこの2人は上手く行くのかも。現段階ではこの脇役達がキューピット役にしかなってない所は不満だが。
さて、多くの視聴者が「分からない」との感想を書いている菜緒の「お腹空いてない?」で弘人の顔がスローでアップになるシーンの意味。これは弘人が友達に何度もはめられたと怒り、何とか復讐する方法はないものかと考えているのに対し、菜緒はそんな事を気にせず食べようとしており、弘人の怒りを静めるためにもたくさん食べないかという意味で尋ねた。そんな言動が弘人にとってはすごく新鮮な驚きだったという訳。分かってみればあんま大した事はないような(笑
「いいか、俺とお前は」「同期の桜?」で「つーかアンタいくつだよ」って、分かってる弘人もいくつだよ。つーかそれにツッコミ入れてる執筆者もいくつだよ(笑)。ここから「馬鹿っていう」「やっぱり」、「最後の晩餐」「それはちょっと違うと思うな」までのやり取りが小ネタの漫才みたいで笑いが止まらん。
そして極めつけの「変な顔、へんなかお、ヘンナカオ〜」。酔った勢いと最後だとの菜緒の思いが言わせる。そうは言っても好き(顔だけでなくて心も好き)だとの想いも込められている訳だが、弘人からまともに「自分だって変な顔」と返されてショック受ける菜緒も笑える。
「じゃ」の一言で去っていく菜緒に、遂に弘人が積極的な行動に出る。亜裕太と付き合うと聞いて嫉妬し焦った事、自分には出来ない率直さに惹かれている事、騙されても打算抜きで逢う心の大きさ。しかし、また逢うための言葉を弘人は上手く言えない。「洒落たこと言えねーょ」そこまで心情を吐露した、一般的にいう格好悪さを菜緒は待っていた。#1で一緒にプールに落ちてくれたり、待ち合わせに来てくれたり、#2でオレンジのイガイガを取って来てくれた「行動」ではない気持ちを。身分を超えた気持ちの通じ合いが抱き合い、キスになる。
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