テレビ批評的視聴記 - 2006/10/28

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2006年10月28日(Sat)▲ページの先頭へ
N・H・Kにようこそ! #16

【あらすじ】佐藤達広をネットゲームから引き離そうと腕をつかむ中原岬だったが、ウザイと言われる。オンラインの猫娘ミアに手を引かれてゲームに戻る佐藤。岬は走り去る。
「私が体を張って現実の世界へ連れ戻してあげるよ」
ミアの提案により、一時的に竜騎士とパーティー組んでドラゴン退治。ハリケーンブレイドで倒しミスリルの鎧をゲット。
「俺が長年求めていたのはこの世界。ここでの生活以上に価値のある事なんて現実世界には1つもない」

岬がミアに似た猫耳・尻尾・鈴を付けて佐藤宅へ。ミャーみゃー鳴くが、ミアを馬鹿にするな!と佐藤はゴミを岬に投げつける。ミアはリアルの佐藤に逢いたいと言い出す。実はもうアパートの前に来ており、ドアを開けると言う。恐怖に怯える佐藤。
「はーい、わたしミアでーす」

…そこに現れたのは隣室の後輩:山崎薫。ネットの匿名性を利用して山崎がミアに成り済ましていたのだった。RMTで金を稼ぐ事の困難さ、30年後の佐藤の想像図(RMTの夢破れ、実家に戻され両親に養われる)まで説く。
「ニート、ここに極まれり!」

RMTは途中からどうでもよく、ミアに恋していたと泣き崩れる佐藤。山崎は追い討ちを掛ける。
「恋愛感情なんて化学反応みたいなもの。条件が整えば相手が誰だろうと発生する。そう、たとえ相手が僕でもね」
「ゲームの中で何かを得ようとするなんて不毛。一番儲かるのはゲームを作る側の人間。だから冬コミに向けてゲーム作りを再開しましょう」
椅子で山崎に襲い掛かる佐藤。その時電話が掛かって来る。高校時代、学級委員長を務めた小林恵から。同窓会よりステキなお知らせだと言う。

岬は家で「萌え」の勉強をして、中学制服・エプロン・手料理を持って佐藤宅へ。だが佐藤はどこかに出掛けて不在。

【感想】◇
ミアと組んでRMT(リアルマネートレード)で金稼ぎを目論んだ佐藤だったが、ミアに恋する気持ちが極限に達した時、そのミアの正体が山崎だったと知らされ、失恋と絶望でゲームオーバー。岬の体を張ったコスプレ作戦も空回りし、佐藤は小林という新たなる誘惑に引っ掛かって行くのだった。

前回の意外性に薄い展開は、今回の意表を突いたネタばらしのためだった。そして前回シナリオが弱かった分、今回は作画が崩れており、前半山場を越えたこの辺りの回は予算・時間配分が厳しいのだなと少し同情してしまう。

前回、山崎か岬かの違いと書いたが結局、#3と同じように現実に引き戻す役目は山崎が担った。しかも山崎は、ネットゲームを始めた佐藤の今後の推移を見越しての、ミアを使った気付かせ作戦で、手が込んでるというかスゴイ陰謀だw

これが単なるイタズラなら悪趣味だが、「ゲームは、やる物じゃなくて作る物」という主張で、佐藤とゲーム作りを再開させようという目的なのだから見上げたものだ。佐藤の言う「真の仲間」はネットでなくリアルにいるというわけ。一方の「真の恋人」はミアではないが、岬も失敗する所が笑える。

そして、恋愛は化学反応という論もある種の核心を突いてて面白い。この辺は#9での山崎の主張を補強するものになっている。と同時に岬の存在をも切って捨てている山崎の冷徹さが光る。前回、佐藤の状況を岬に気付かせ、岬がどう解決しようとするかも試していたとも解釈できる。

怪しげな岬の「ひきこもり脱出講義」、岬の恋愛幻想と監視を暴いた#10、自殺オフ会の引き金を引いたと岬を詰問した#13など、山崎は岬を信用してないし邪魔者とさえ思っているようだ。

岬は講義の不調、山崎からも認められない、付け焼き刃なリアルコスプレも不発、というように失敗続き。そして柏瞳の時のようにまた佐藤は誰か(小林)に連れて行かれ、彼女の健気な努力もだんだん限界に近づいているような気もするが…。あと、RMTが違法か否かには触れずにこのエピソードを終えられた運びの上手さは評価すべきか。
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