テレビ批評的視聴記 - 2006/10/20

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2006年10月20日(Fri)▲ページの先頭へ
たったひとつの恋(新番組)

【あらすじ】神崎弘人(亀梨和也)は父のいない神崎造船鉄工所で、横浜中央信用金庫からの督促を受けつつ町工場を営む20才の青年。母:神崎亜紀子(余貴美子)は水商売で不規則な生活。弟:レン(齋藤隆成)は病弱で養護学校に通う。親友の草野甲(田中聖)は金港運輸のトラック運転手。もう1人の親友:大沢亜裕太(平岡祐太)は横浜自動車整備専門学校生で飲食店でバイト。そんな3人は火力発電所の排水口に集まる魚を釣って「山ゆり亭」に売る小遣い稼ぎもしていた。

魚を入れたバケツを持って山ゆり亭に向かう山手の階段で、慶應大と横濱女学院大学のムーンライトパーティーのチラシを貰う。だが後ろから登って来た月丘菜緒(綾瀬はるか)とぶつかる弘人たち。魚入りバケツはひっくり返り、菜緒の服に水が掛かる。嫌々ながら互いに謝る弘人と菜緒。

パーチィーに身分を偽って潜入した弘人たち。弘人は女の子の電話番号を何人もゲットする遊びに興じる。菜緒も見付け慶大医学部だと偽りナンパする。菜緒がなくしたビーズのバッグを探し出し、お礼を兼ねてプール際のテーブルで一緒にシャンパン。その頃、甲と亜裕太は朝、菜緒と一緒にいた本宮裕子(戸田恵梨香)から話し掛けられていた。

ビンゴ大会後の花火に驚いた菜緒は、菜緒の手を引こうとした弘人と一緒にプールに落ちる。店の服に着替えた弘人と菜緒。乾燥機を見に行った弘人は「自分より下は嫌」と話す女達の会話と、裕子に慶大経済学部でロールスロイスに乗ってると話す甲と亜裕太の会話を聞く。2人を連れ、強引に店から出る弘人。裕子は菜緒に
「あの子、わざと一緒に落ちたと思うよ、プール」
と教え、この格好では出られないとグズる菜緒にお礼を言いに行くよう促す。

弘人を追い掛けた菜緒。弘人は甲と亜裕太に
「見てろ、十秒くらいで落として来るから」
と言って、菜緒と2人で会おうと誘うが
「皆で会わない?」
と返される。ハロウィンの日、丘公園に続くガセボの下で18時に待ち合わせの約束をする。菜緒を誘ったのは魚を釣る感覚で、好きでもない奴だったがフられた気になる弘人。

ハロウィン当日、裕子はバイトが入り行けなくなり、菜緒は兄:月丘達也(要潤)に車で送ってもらい魔女の格好をして待ち合わせ。弘人は30分以上遅れて様子を見に行く。
弘人「その場のノリって思わなかった?」
菜緒「約束したし、それにあなたにもう一度逢いたかった」
帰り道、その格好では大通りに出られないと弘人は菜緒に上着を掛ける。後日、その上着をクリーニングして慶大に返しに行った菜緒だが、神崎弘人が慶大生でないと知る。山ゆり亭の人から弘人の居場所を聞き出した菜緒は山ノ内埠頭にある工場へ向かう。
「うそつき」

【感想】○
当ブログ:テレビ批評的視聴記のドラマ記事は、深夜ドラマや時代劇ばかり執筆していたが、今期は良い深夜ドラマも時代劇もないので、北川悦束子脚本の「たったひとつの恋」を記事にしていく。ゴールデンの恋愛モノの記事は経験不足な分野なので、つたない記事になる事を最初に断っておく。

大筋は、貧しい工場で働く弘人と、STAR JEWELRYという宝石商の社長令嬢:菜緒との身分違いの恋。格差社会といわれる今、これを描く事で多少のアンチテーゼが含まれているのかもしれない。また、菜緒が病気持ちとも示唆され(弘人のナレーションで「残酷で苦しい恋」と言った時、墓地のカットが映る)、昨今の純愛ブームに欠かせない恋人の死という要素も押さえられている。

恋愛ドラマを面白くするのは主役2人ではなく、脇役だという仮説を持つ(←何時の間にw 昨期の「タイヨウのうた」は主役頼みで脇役が何の役割も果たせず台無しになったし…)執筆者としては、このドラマでの弘人の親友:甲と亜裕太、菜緒の親友:裕子と父:月丘雅彦(財津和夫)・兄:達也の描かれ方が重要だと考える。今回は甲と亜裕太、そして裕子の言動がポイントかと。

甲は見た目はチンピラ風だが、パーティーでの自分達を「逆シンデレラ」と形容するように、心はロマンチストな所がある。亜裕太はルックスは弘人よりも良いが、冷静に観察し過ぎて優柔不断。甲と亜裕太を足して2で割ったのが弘人になる。ルックスはそこそこ良く、普段は冷めた態度な弘人。実は熱い心を抑えている。甲と亜裕太には弘人の心と行動を説明・暗示する役割を期待したい。

弘人は上流階級の女達を嫌い、鼻を明かしてやるためにパーティーに潜入。慶大ブランドというだけで落ちる女達。自分の考えの正しさに満足したのでゲットした電話番号には興味無い。菜緒もどうせそんな女の一人だと最初は思っていた。

弘人が菜緒とプールに一緒に落ちたのも、格好ばかり気にするお嬢さんの菜緒が、一人で落ちた後の状況に耐えられないのでは?との推察(若干の嫌味含む)があったからではないかと思う。この弘人の推察はハロウィンでも出て来る。魔女の格好では大通りを歩けないだろうと上着を掛ける。上流階級は格好が大事だろという弘人の考えが反映されている。決して普通の優しさや下心ではない。

一方、菜緒の側はそんな弘人のやや屈折した考えを分かってはいない。初めの内は弘人がただ一緒に落ちたとしか思っていなかった。ここで裕子が「一緒に落ちてくれた」と教える。それを優しさだと受け取った菜緒は弘人に惹かれ始める。ただ、裕子は落ちる所を見ていたと言ったが、ドラマ内では、はっきりと見ていたように描写されていなかったのが不可解。菜緒の、菜緒自身も気付いていない本心を当ててくれる存在である裕子は重要な脇役なので、ポイントとなる部分もしっかり描いて欲しかった。

一連のシーンでは水と魚というキーワードがある。弘人と菜緒は魚入りバケツをひっくり返して出会い、魚は水から出る。再会は水槽越しに姿を見つけ、そして2人は水に落ちて魚になる。ドラマ的な演出が、キーワードで括ってあるため、展開に無理を感じにくくさせている。

身分違いの恋という事で、観る前は下流の弘人は粗野で、上流の菜緒は高飛車というものかとも思っていたが、両者は上流と下流という地位にありながらも、そこにありがちな価値観の人間ではないのが意外だった。だからこそ惹かれあうのだろうが、完全に同じ価値観でもない所が擦れ違いを今後生んでいくのだろう。

価値観で言えば、菜緒の月丘家は上流価値観そうで波乱材料か。とすると弘人の方は水商売の母、病弱な弟という境遇面が波乱材料かも。こう考えてみると、菜緒の病気は余計な設定にも思えるが、病気の過去と未来がどう処理されるかも含めて見ていきたい(というか、初回なのに気張って色々と書き過ぎた。今後記事に出来るか不安w)。
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