テレビ批評的視聴記 - 2006/10/01

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2006年10月01日(Sun)▲ページの先頭へ
N・H・K にようこそ! #12

【あらすじ】「今日から俺は生まれ変わる。この人の笑顔を守るために」
柏瞳とのオフ会に参加する佐藤達広。駅では暗い雰囲気の集団と待ち合わせ。電車で海岸に出て、峰岸のクルーザーで個人所有の無人島へ。柏は城ヶ崎に電話するが連絡つかず。ケータイを海に捨てる。

城ヶ崎は同僚の気遣いもあって仕事が早く終わり、柏宅へ行くが瞳はいない。ケータイも通じない。曾根崎心中の本、掲示板の書き込み、オフ会資料などを見つける城ヶ崎。その頃、佐藤は無人島に着き、プライベートビーチに感激していた。
「レボリューションだぁ!」

佐藤は生まれ変わり・レボリューションの実践として、他のメンバーに話し掛けてみる。ゲーム少年:草野、読書青年:野村、金持ち中年:峰岸。誰も佐藤とコミュニケーションをしたがらない。水着の柏も日陰で寝てしまう。佐藤は高校時代の文化祭を有意義にしようと1人で張り切っていた小林委員長を思い出す。

佐藤はキャンプファイヤーをやろうと流木を集め出す。最初は誰も手伝わなかったが、いつしか男性全員で集まる。峰岸がつぶやく。
「君のおかげでこのオフ会本来の目的を思い出したよ。人生最後の日をせめて楽しもうと考えた」

三田ハウスでは山崎薫が寝坊。コミケに行こうと飛び出すが、そこには中原岬がいた。佐藤は女の人と出ていったと話す。それは柏ではないかと推測している所へ、城ヶ崎も登場。柏のオフ会資料「人生を絶とう」の文字に愕然とする山崎と岬。
「彼らは今日で人生を終わらせるつもりなんだ」

【感想】○
ひきこもり人生を終わらせ、想い人:柏瞳と旅行に出掛け、愛を育む第一歩にしようと決意した佐藤。旅行先は南の無人島。プライベートビーチで水着になる柏。まさにレボリューション。だが、オフ会は陰気なメンバーで構成され誰も会話しようとしない。やっと仲良くなれたと思った矢先に告げられる真の目的:集団自殺。佐藤にひきこもり人生でない本当の人生の終わりが迫る。

数話前までは、てっきり夏コミが前半の山場かと思っていたが、夏コミを捨ててでも描かれる自殺ツアー。今回、山崎が寝坊した事で山崎のみの夏コミが描かれる可能性も完全に消えた。N・H・K にようこそ!は次クールも続くので、最終的な山場は冬コミやクリスマスになるのだろうか。

佐藤は何も知らずにはしゃいでいたが、他のメンバーからすれば死を前にハイテンションな奴と映るかも知れないし、柏が掲示板に書いていた暴力彼氏として紹介されたわけだから、触らぬ神に祟りなしの心境だったかもしれない。自殺をしようと思いつめているメンバーと、新たな人生を踏み出そうとしている佐藤のギャップが笑いのポイント。

そのギャップを知り得るのは視聴者だけでなく、柏瞳もそうである。今回も柏の心理は極めて難解。佐藤をメンバーに加えるため掲示板に彼氏の事を書いていたのだとは分かったが、暴力彼氏として佐藤を紹介した柏って…。城ヶ崎に電話したのはヘルプシグナルとも言えるし、電話に出るか出ないかで運命を占っているようにも見えた。日陰で寝るのも、本当に二日酔いや薬の飲み過ぎかもしれないし、佐藤がこの状況にどう対処するのか試したようにも思える。

佐藤の思い付きであるキャンプファイヤーは、高校文化祭の思い出からのもの。委員長と今の自分が重なる。やる気のなかったクラスの皆はキャンプファイヤーで楽しんでいた。だが自分は最後まで斜に構えて参加しなかった。

前回は柏への告白が出来なかった自分、今回はキャンプファイヤーに参加しなかった自分。それを変えようと流木を集める。行動の理由付けがしっかり出来ている。レボリューションとの言葉は突飛な気がしたが、ここで佐藤の行動は革命的だと気付かされる。そして前からチラチラと回想されていたキャンプファイヤーが、この伏線だったとは。

城ヶ崎は思っていた以上に好人物のようで。柏とはドライな関係という訳でもないのか。柏の行き先をテキパキと突き止めるのは上手く行き過ぎの感じもした。システム関連の仕事柄と解釈できるが、もしかして柏はわざと城ヶ崎に分かるようにPC履歴を残していたのか。柏は佐藤だけでなく城ヶ崎も試しているのか。

全ては陰謀だ(笑)集団自殺を止めるのは佐藤か城ヶ崎か。佐藤が止められたとしたら、本当に新たな人生を始められるだろうし、城ヶ崎によって助けられるのだとしたら、佐藤は後退はしないが抜け出せもしないのだろう。そして柏瞳も手に入らないだろう。どちらにせよ、無事を知って泣きじゃくる中原岬の様子が今から想像できてしまうが、そんな展開になるのかな。泣くのが山崎だったらそれはそれで笑えるけど。
前回記事
参考記事:その時歴史が動いた:曽根崎心中
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