テレビ批評的視聴記 - 2006/09/14

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2006年09月14日(Thu)▲ページの先頭へ
黒い太陽 #7

【あらすじ】立花(永井大)は笑子(酒井若菜)と吉祥寺で風呂も無いアパートに同棲。ギリギリの生活で互いの稼ぎと笑子のマンション引き払いの金などを貯める。笑子の客で不動産屋の岡宮(松澤一之)の協力で渋谷道玄坂に店をオープンさせる事に。キャスト引き抜きの動きを見せる立花は他店の黒服から暴行を受ける。

ピンクソーダを辞め転々とする奈緒(滝沢沙織)、大滝(吹越満)を呼ぶ。イメッ娘学園を潰して藤堂グループから出入り禁止となった神崎(渡邊邦門)も雇ってくれとやってくる。新人:梨花(有坂来瞳)らも加え、いよいよレッドフェニックスがオープン。
「俺の黒い太陽が、今夜昇る」

前店からの指名客を呼んだ笑子に対し、奈緒には客がなく新規指名もつかない。小説家やJリーガーにもつけない事に抗議する奈緒。笑子か奈緒かで揉める大滝と神崎。立花を呼び捨てにする昔の仲間達。そんな中、藤堂(伊原剛志)が来店。
「ミントキャンディで使い物にならなくなった奴ばかりだな」
Jリーガー:風間(村上幸平)は藤堂が開店祝いのチップとして送り込んだ者だった。

千鶴(井上和香)を引き抜こうと一年ぶりに会う立花。千鶴は一年前の真意を語る。藤堂を追い詰めれば報復で立花の命が危ない、だから裏切ったと。千鶴は自らレッドフェニックスで働くと申し出る。
「あたしは立花君の事が好き」

千鶴の入店と同じ日、神崎が呼んだ久美子(杏さゆり)も入店。久美子の担当だから扱いに手を出すなと神崎。奈緒と笑子の対立が深まる中、千鶴は一週間でNo.1に。笑子の我慢が限界に達し、立花を問い詰める。
「たっくんの事を一番に考えていたのは私。たっくんの悲しみと一緒にいたのに」
笑子は店を出て行く。涙を流す立花。

レッドフェニックスの真向いにキャバクラがオープン。そこには長瀬(菅原卓磨)と冬海(益子梨恵)、藤堂がいた。
「お前ら全員潰してやるよ」

【感想】◎
笑子の笑顔と頑張りに助けられた立花は、藤堂に何らかの恨みを抱く昔の同僚を中心に、自分の店をオープンさせる。早速、藤堂に目を付けられ宣戦布告される。千鶴と和解し戦力増強する立花。なぜか久美子も加入したが、今までの最大の貢献者:笑子をないがしろにしたツケが回り、笑子を失ってしまう。そして藤堂は立花潰しの店を構える。

何と言っても今回は笑子が、笑子が…。とことん尽くす女は、尽くした相手が成功を掴み出した時、その見返りのなさに失望し、去ってしまうものなのか。笑顔の消えた笑子と立花を問い詰めた際の酒井若菜の渾身の演技が胸に突き刺さる。

笑子が純粋な善人だとの前提で書いていくが、まず笑子は、最初から奈緒を呼ぶ事に反対していた。それを立花のキスで誤魔化され、しぶしぶ一緒に働くも、やはり過去の奈緒が立花にした仕打ちが許せず対立してしまう。奈緒が心の底では立花を見下してると思う笑子としては、防衛本能が働くのだろう。

次に藤堂への憎しみで性格が少々歪んでしまった神崎。笑子はこういった悪感情を前面に出す人物とも一緒に居るのが辛い。これは過去に愛子や奈緒の立花や千鶴へのイジメに笑子が加わらず、むしろ助け船を出していた事からも覗える。

さらに千鶴の入店。立花を裏切った千鶴がなぜ戻って来るのか笑子には理解できない。千鶴は立花の仲間だと思い、共に盛り立てた時期もあった笑子にとって、千鶴の立花への裏切りは自分への裏切りでもあった。千鶴と立花の和解はあっても、そんな事情を知らない笑子の戸惑いは増す。

そして久美子。立花と何らかの関わりがあると直感した笑子は、それについて何も言おうとしない立花に不信感を抱く。千鶴の件と併せて笑子には分からない事だらけ。バカキャラで世渡りしてきた笑子だが、それはキャラであって立花への思いは真剣であり、全てを捧げた立花には全てを明かして欲しいと望んでいた。

笑子の期待する見返りが得られない以上、笑子は目に見える成果を誇りに繋げようと頑張る。つまりNo.1キャストであり続ける事。鏡に笑顔を作って仕事に励むが、あっさりと千鶴に抜かれて自信喪失。そこへ奈緒が嫌みを言いに来る。過去のNo.1、プライドの高さが持ち味だが、今は焦りでいっぱいの奈緒。笑子は奈緒に自分の将来を見る。嫌っていた奈緒と自分が重なる。

このままでは自分は壊れてしまう。そう思った笑子は奈緒の排除を求めて立花に会いに行くが、千鶴と話す立花が居て、遂に感情が爆発。笑顔とは対極の怒りを出した時点で笑子は終わった。笑子にビジネスと恋愛の対象として接する立花と、立花にそれが出来ない笑子の溝は、ここに決定的亀裂となる。

店を出ていく笑子を立花が追い掛ければまだ修復は可能だったかもしれない。店もスタッフも全部捨てて追い掛ければ。全てを捧げてきた笑子が求めるのは、捧げた結果である店や地位ではなく、捧げた相手:身一つでやってくる立花。一年前に藤堂に捨てられ千鶴に裏切られた時のように。だが立花はそんな絶望を繰り返すはずもなかった。レッドフェニックスは笑子と立花の汗と涙の結晶にはなったが、愛の結晶にはならなかった。

…とクサいまとめをしたが、ものすごい文章量になってしまって、別の事を書く余裕がない。最終回の結末がどうなるのか気になるが、既にバッドエンドは前回やったのでそれはないだろう。ハッピーエンドに近づくためには、これまでの立花とは違う経営手法が必要かと。藤堂流のやり方では資金力の差で潰されるだけ。笑子の心の訴えを教訓に、別のやり方(人間的経営)でやっていけるかがポイントかな。
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