テレビ批評的視聴記 - 2006/08/29

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2006年08月29日(Tue)▲ページの先頭へ
その時歴史が動いた:ハワイ・日本連合

【あらすじ】独自文化で生活していたハワイは、19世紀にアジア進出を狙うアメリカの拠点として注目され出した。そんな時期に西洋式教育を受けたデイヴィッド・カラカウアがハワイ王朝七代目の王に就任。アメリカとの通商条約を締結し、サトウキビの輸出でハワイは栄えるはずだった。

しかし貿易で儲けたアメリカ資本家はハワイ国土の半分を買い占め、政治にも進出し閣僚を輩出。さらに軍人はパールハーバーを軍港にと目を付ける。カラカウアは危機感を抱き、ハワイ・アジア連合実現との意図を隠しつつ世界周遊の旅に出る。

明治14(1881)年3月4日、来日したカラカウアは熱烈な歓迎を受ける。不平等条約改正のためカラカウアを通じてアメリカに好印象を与えようとの外務卿:井上馨の狙いだった。日本の国力に驚いたカラカウアは、日本こそが連合の盟主に相応しいと考え、監視役のアメリカ人随行員の目を盗み、隠密裏に赤坂御所で明治天皇と会見する。

ハワイ・日本連合で欧米列強と対峙し、まずは治外法権撤廃を求める、ついては姪のカイウラニ王女を嫁にもらってくれないか、との提案に明治天皇は驚き「熟慮の上、回答します」と述べるしかなかった。その後、カラカウアへの監視は厳しくなり何も出来ぬまま日本を離れ、清・香港・シンガポール・インドなど周るも成果を得られず。

明治15(1882)年3月22日、日本からの回答「あまりに遠大で現段階では不可能」が届く。日本では条約改正に欧州が応じる姿勢を見せ、日本・ハワイ連合は必要無くなっていたのだ。1887年にはアメリカがハワイ国王の議会権限を剥奪、1891年にカラカウアは死去、1898年にハワイはアメリカに併合された。

【感想】◇
アジアの利権を先を競って奪いに来る欧米列強に対し、ハワイ・アジア連合で対抗しようと考えたカラカウア王の孤独な闘いを描く。不平等条約改正を悲願とする日本もその構想に乗る可能性は無いわけではなかった。しかしカラカウアの願いは叶わず、構想は幻に終わり、ハワイは併合されてしまう。

この構想が実現しなかった事でアジア植民地化の流れは止められなかったという「その時」。でも実現したとしてもその力では欧米列強に到底対抗できず、そもそも実現は不可能だっただろうなとも思う。

一方、日本の対応としては、自国さえ条約改正できればアジアはどうなっても良かったのかとツッコミを入れられるが、連合形成は反って欧米列強を刺激するし、そうなったら到底、日本が敵う相手ではなかったから、自国を発展させ平和裏に条約改正という戦略の方が良かったとも言える。その後、日本も欧米列強と同じようにアジアを植民地化した歴史はここでは別問題。

何と言っても欧米列強には最恵国待遇がある。ハワイ・アジア連合は絶対的に不利だ。国の形もはっきりしない地域の寄せ集めで、日本が盟主になる事も他国が承認するか不確実。最恵国待遇で最大限の条件を競い合う欧米に対し、ハワイ・アジア連合は各国が合意できる最低限の条件(治外法権撤廃)からスタートしなければならない。最大限の欧米VS最低限の連合。とても対峙できるとは思えない。

カラカウアはアメリカに飲み込まれるハワイにあって、最後に杭を打ち立てた人として名を残した。国王の間に何とかハワイ文化を守ろうと尽力した(フラダンス復活、神話を書物に残す)おかげで、今の観光地:ハワイがあると思うしか供養のしようがない。

KONISHIKIがカラカウアを演じていたが、知られざるハワイの歴史の回で視聴者を呼び込むためにはこれしか無いとも思う反面、コニシキで視聴者が呼べるのか疑問でもある。そんな微妙さが虚しい抵抗を続けたカラカウアと二重写しに…なるかな。今までも女優をナレーションに使った回もあったし、今回のコニシキだけを批判するのはどうかと思うが。脈略も無い女優起用よりはハワイ繋がりのKONISHIKIの方が理解できるし。
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