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【あらすじ】立花(永井大)は社長:藤堂(伊原剛志)と街を歩き、政財界長老:三宅川(峰岸徹)とも会食。千鶴(井上和香)と笑子(酒井若菜)も食事をし、笑子が立花に50万円を貸していた事を千鶴は知る。藤堂観光グループ店長会議で、長瀬(菅原卓磨)がピンクソーダ店長、神崎(渡邊邦門)がイメッ娘学園店長になった事を知る立花。
キャスト達はひなの(大友みなみ)に店が斡旋したパトロンが付いたと噂する。大滝(吹越満)が復帰を願い出て土下座。何でもする「忠実な部下の誕生」に笑う立花。久美子(杏さゆり)から父の手が動いたと聞きつけ大田病院に走った立花だったが、ヤクザの取り立てに遭う。久美子が借金を肩代わり。
ミントキャンディに戻ると千鶴が「この仕事辞めて」という。千鶴の手帳から藤堂との関係を問い詰めた立花は、千鶴と藤堂が幼馴染みで以前に付き合っており、今は借金を肩代わりしてもらっていると聞かされる。藤堂に会いに行った立花は、自分が長瀬という血統書を作るための噛ませ犬だったと知る。
笑子押しで千鶴を始め他のキャストのやる気を喚起させると同時に、黒服の力を見せ付けようとの作戦を決行。コスプレ祭りを企画するが奈緒(滝沢沙織)から情報が長瀬に渡り、ピンクソーダが2日前に祭りを開催。売上1位はピンクソーダ、3位にイメッ娘学園、ミントキャンディは8位。
冬海(益子梨恵)と奈緒を引き抜こうと大滝を使い奈緒の靴も舐める立花だったが、冬海の支度金1000万が用意できない。笑子の部屋を荒している所も見つかる。三宅川から借りる事に。
「私の最愛の女(笑子)を担保にします」
苦労して冬海に金を差し出すが長瀬と奈緒が登場。3人は芝居を打っていただけで、立花は馬鹿にされる。店の黒服に魅力あるキャストを入店させろとハッパをかける立花。
【感想】◎
黒い太陽を目指して一気に売上トップに伸し上がろうと試行錯誤する立花の焦りを描く。千鶴・笑子・大滝の事情も分かってきて、敵対する長瀬・冬海・奈緒・神崎も見えてきた。それに黒幕である藤堂と三宅川、表世界の久美子にも忍び寄る影…というように、それぞれの登場人物のバックグラウンドが深まり、登場人物それぞれのドラマが描かれ出しており、とにかく内容が濃い。
立花はどんどん仕事の虜となっており、自分に付いて来る者だけに価値を見出す。心も凍っていき周りが見えていない。唯一溶けたのが父の回復時のみ。長瀬だけでなく神崎も上がってきて、野心ではなく対抗心で動くようになる。さらに千鶴と藤堂の関係を知り、一種の裏切りと感じた立花は、笑子との関係を深めて憂さ晴らし。それを見通した神崎からは、それではNo.1になれないと言われる始末。
そこでピンクソーダからの引き抜きに転じる立花。この作戦自体は長瀬の力を削いだ分をモノにするわけだから理に適っているが、あまりにも性急で独り善がりがミエミエで、冬海の心を動かせない。金で動くと踏んだ立花は、その金を得るために笑子も犠牲にする。だが、端っから移籍のつもりのない冬海の心も読めず失敗に終わる。
千鶴は不動のNo.1になったせいか、落ち着いて状況が読めるようで、立花が焦って動き失敗する事を恐れている。随時忠告をしていたが、藤堂との関係を握られた事でさらに一歩退かざるをえなくなる。藤堂と千鶴の関係(幼馴染み・借金肩代わり)は立花と久美子の関係と同じである。これは久美子もこの世界に足を踏み入れる事を暗示している。
細かい設定のツッコミになるが、藤堂と千鶴が幼馴染みとは年齢的に無理がある。藤堂は若く見ても35は行ってるし、千鶴は上に見ても25くらい。10歳も違って幼馴染みって。千鶴5歳時に藤堂15歳だよ。幼馴染みじゃないじゃん。
笑子と大滝が衛星の役割とは前回にも書いたが、今回もこの2人の動向から見ると立花の置かれた状況の理解がしやすい。立花の理解者として励ましてきた大滝は、前回クビにされ、土下座復帰で立花の下僕になる。天真爛漫さで立花に優しく接してきた笑子は、立花とプライベートな関係に陥り、根の性格である尽くす部分まで晒して立花の言いなりに。
#2から毎回書いてるが、やっぱ笑子の人間性がポイント高し。あの笑顔の影にある不幸が滲み出て来る感じが。裏も表も出している笑子(酒井若菜)は完全に千鶴(井上和香)も久美子(杏さゆり)も食ってる。男運の悪さで男性不信、その裏返しでキャバクラで男をノセて働く。男を信じなくなっているのに、まだ立花を信じようと身体を犠牲にする。
三宅川に差し出される時の立花の言葉が、方便だと気付きつつも額面通りに受け取ったフリして笑う。あのシーンの笑顔をもっと明るくした方が、天真爛漫な外見と内心を対比させたと思う。再度振り返った時の悲しげな表情も強調されただろうし。
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黒い太陽 DVD-BOX
黒い太陽(新堂冬樹の原作本)
黒い太陽(1)(コミック)
黒い太陽(2)(コミック)
友ダチ(主題歌)
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【あらすじ】独自文化で生活していたハワイは、19世紀にアジア進出を狙うアメリカの拠点として注目され出した。そんな時期に西洋式教育を受けたデイヴィッド・カラカウアがハワイ王朝七代目の王に就任。アメリカとの通商条約を締結し、サトウキビの輸出でハワイは栄えるはずだった。
しかし貿易で儲けたアメリカ資本家はハワイ国土の半分を買い占め、政治にも進出し閣僚を輩出。さらに軍人はパールハーバーを軍港にと目を付ける。カラカウアは危機感を抱き、ハワイ・アジア連合実現との意図を隠しつつ世界周遊の旅に出る。
明治14(1881)年3月4日、来日したカラカウアは熱烈な歓迎を受ける。不平等条約改正のためカラカウアを通じてアメリカに好印象を与えようとの外務卿:井上馨の狙いだった。日本の国力に驚いたカラカウアは、日本こそが連合の盟主に相応しいと考え、監視役のアメリカ人随行員の目を盗み、隠密裏に赤坂御所で明治天皇と会見する。
ハワイ・日本連合で欧米列強と対峙し、まずは治外法権撤廃を求める、ついては姪のカイウラニ王女を嫁にもらってくれないか、との提案に明治天皇は驚き「熟慮の上、回答します」と述べるしかなかった。その後、カラカウアへの監視は厳しくなり何も出来ぬまま日本を離れ、清・香港・シンガポール・インドなど周るも成果を得られず。
明治15(1882)年3月22日、日本からの回答「あまりに遠大で現段階では不可能」が届く。日本では条約改正に欧州が応じる姿勢を見せ、日本・ハワイ連合は必要無くなっていたのだ。1887年にはアメリカがハワイ国王の議会権限を剥奪、1891年にカラカウアは死去、1898年にハワイはアメリカに併合された。
【感想】◇
アジアの利権を先を競って奪いに来る欧米列強に対し、ハワイ・アジア連合で対抗しようと考えたカラカウア王の孤独な闘いを描く。不平等条約改正を悲願とする日本もその構想に乗る可能性は無いわけではなかった。しかしカラカウアの願いは叶わず、構想は幻に終わり、ハワイは併合されてしまう。
この構想が実現しなかった事でアジア植民地化の流れは止められなかったという「その時」。でも実現したとしてもその力では欧米列強に到底対抗できず、そもそも実現は不可能だっただろうなとも思う。
一方、日本の対応としては、自国さえ条約改正できればアジアはどうなっても良かったのかとツッコミを入れられるが、連合形成は反って欧米列強を刺激するし、そうなったら到底、日本が敵う相手ではなかったから、自国を発展させ平和裏に条約改正という戦略の方が良かったとも言える。その後、日本も欧米列強と同じようにアジアを植民地化した歴史はここでは別問題。
何と言っても欧米列強には最恵国待遇がある。ハワイ・アジア連合は絶対的に不利だ。国の形もはっきりしない地域の寄せ集めで、日本が盟主になる事も他国が承認するか不確実。最恵国待遇で最大限の条件を競い合う欧米に対し、ハワイ・アジア連合は各国が合意できる最低限の条件(治外法権撤廃)からスタートしなければならない。最大限の欧米VS最低限の連合。とても対峙できるとは思えない。
カラカウアはアメリカに飲み込まれるハワイにあって、最後に杭を打ち立てた人として名を残した。国王の間に何とかハワイ文化を守ろうと尽力した(フラダンス復活、神話を書物に残す)おかげで、今の観光地:ハワイがあると思うしか供養のしようがない。
KONISHIKIがカラカウアを演じていたが、知られざるハワイの歴史の回で視聴者を呼び込むためにはこれしか無いとも思う反面、コニシキで視聴者が呼べるのか疑問でもある。そんな微妙さが虚しい抵抗を続けたカラカウアと二重写しに…なるかな。今までも女優をナレーションに使った回もあったし、今回のコニシキだけを批判するのはどうかと思うが。脈略も無い女優起用よりはハワイ繋がりのKONISHIKIの方が理解できるし。
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カラカウア王のニッポン仰天旅行記
ハワイ王朝最後の女王
ハワイの歴史と文化―悲劇と誇りのモザイクの中で
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【あらすじ】佐藤達広は伐々木デザイナー学院に行った翌日から、ひきこもりの症状が悪化し、隣室の山崎薫に夏風邪だと偽って食料を届けてもらう日々。うっかり母:静枝からの電話に出てしまった佐藤は、2日後に上京して来る母に、就職も決まり結婚を考えている彼女も居ると嘘をつく。
何故か中原岬からも電話があり、その事を相談する。山崎に協力してもらおうと思い付いた佐藤は、1円起業・世界的ゲーム会社などと話し、山崎もすっかりその話に乗ってしまう。社名:(有)Y.S.カンパニー、ロゴ、社歌、名刺、受付など次々に作る2人。
彼女役にと柏瞳に電話するが、先約があると断られる。岬の
「私がやってあげるよ。佐藤君の恋人役」
との申し出がようやく受け入れられ、翌日、佐藤と岬は恋人役の練習と称してデートをする。新宿に出るのを怖がる佐藤に岬は
「2人一緒ならきっと大丈夫」
と言う。ホラー映画『呪魂2』、喫茶店、腕を組む2人。
三田四丁目公園でお互いの個人情報を知る必要があると話す佐藤だったが、岬は佐藤の経歴:1月28日生まれ、A型、北海道出身、平成文化大学中退、父:達男、母:静枝などスラスラ言い当てるが、岬自身の情報は教えようとしなかった。
【感想】○
母にひきこもりで大学中退のニートだとバレるのが怖くて、就職と彼女の嘘をついた佐藤が、何とか取り繕おうと山崎に起業を命じ、岬と偽恋人になる回。あたふた慌てる様子と、勢いで会社の体裁を整えたり、擬似関係を喜ぶ岬など、今までで一番コメディタッチで笑えた話だった。キーワードは嘘から出たまこと。
母への嘘とその対処としての行動は、岬に対してやったパターンと同じ。でもこれで会社作りや彼女作りという、ニートとは対極へ進む所が面白さの原点。そして馬鹿げた計画に易々と乗せられる山崎、受付の看板娘を看板で作ったり、偽恋人志願の岬などのボケた展開でノンストップコメディに。
しかし柏瞳のシーンで引締め効果も見せる。ホテル?で裸にガウン、男がシャワーを浴びているアダルトな状況。これで佐藤達のやってる事がお子様のごっこ遊びだという対比になっている。たったワンシーンで全体への効果を出す上手い演出。男が柏の上司だという所まで描写できていれば、会社と恋人の2つでの対比となって完璧だったと思うが。
#4などで岬に似た操タンに萌えていた佐藤だったが、#5で柏と再会してからは、やはり柏を恋人にしたいとの思いが強いのだろうか。その次が山崎の女装って…。岬は期待外れのひきこもり脱出講義で大幅減点だったようだ。
岬との腕組みで胸が当たり妄想をし、電柱にも当たる佐藤。これで岬の事をもっと知りたいと思う現金な奴。逆に佐藤の情報は#1の履歴書からバレバレ。岬が情報を教えてくれないのは、恥ずかしさではなく、やはり岬も人には言いにくい境遇だからなのだろう。
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N・H・Kにようこそ!DVD(各2話収録)
NHKにようこそ!(大岩ケンヂの原作)
パズル(オープニング曲)
もどかしい世界の上で(牧野由依の新エンディング曲)
踊る赤ちゃん人間、日本引きこもり協会のテーマ(大槻ケンヂの旧ED曲)
ダークサイドにようこそ!(サウンドトラック)
サニーサイドにようこそ!(ソングコレクション全24曲)
第20.5話フルボイスにようこそ!(ドラマアルバム)
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【あらすじ】南条ミユキ(鈴木砂羽)がタイ・オーベル・リゾートでくつろいでいた時、夫(国枝量平)は殺害された。葬儀に参列した怨み屋(木下あゆ美)は名刺を残し、ミユキは結婚前に付き合っていた田之島アキラ(浅野和之)が犯人だとして1000万で仕事を依頼。その事件の捜査をする寄木警部(きたろう)と野田巡査(マイク・ハン)。
情報屋(寺島進)はミユキとアキラの経歴を調べる。寄木警部も20回以上の刺し傷から顔見知りによる怨恨だとしてミユキから事情を聞く。怨み屋が尾行したミユキは豪勢な買い物をし、その帰り道にアキラに襲われる。直ぐには会えないと話すミユキとアキラはグルだった。
「怨みのない殺しはしない主義です」
と告げた怨み屋だったが、ミユキは
「あんたは必ず田之島を殺す」
と予告。アキラにロングヘアー女から揺すられていると話し、その女を殺させようと企む。
怨み屋は保険社員に変装して田之島と接触。ミユキとロングヘアー女が田之島に保険金を掛けたと話し、逆上した田之島はミユキを刺す。駆けつけた寄木警部にミユキは
「う・ら・み・や」
と言って絶命。
【感想】○
「男は消耗品」と言ってはばからない南条ミユキが、夫を愛人に殺させ、その真相を知った怨み屋を利用して、今度は愛人をも殺させようと仕組む女郎蜘蛛な回。対する怨み屋は愛人の怒りをミユキに向けさせて事無きを得る。だが寄木警部に怨み屋の存在を知られてしまう。女郎蜘蛛は死の間際までしぶとく獲物を放すまいとしていた。
夫と良好な関係を持つ妻、その裏では財産と保険金のために殺害を計画。そして愛人をその気にさせ夫を殺させる。愛人も邪魔になった時に現れた怨み屋で解決しようとする。真相がバレても愛人と怨み屋を戦わせ、自分は高みの見物。鈴木砂羽はこういう擦れた女の演技が上手い。
もともと怨み屋には田之島殺害を依頼していたのだし、切羽詰まった状況になれば怨み屋は必ず田之島を殺すと読んでいたのだろう。その読みが怨み屋にも察知されてしまった所が甘かったか。怨み屋は田之島の殺意を充分に知り得て、その矛先をミユキに変えさせるだけで良かった。
自分に近づく男をとことん利用するミユキだったが、情報屋の言う「悪女対決」には敗れた。だが近づくもう一人の男:寄木警部を利用する事も忘れなかった。寄木警部が怨み屋の存在を明確に知ったという点では、今回は分岐点である。ちょうど折り返しの第6話だし。
今回は怨み屋の過去の映像も若干流れた。紫の蝶を追い掛ける幼少の怨み屋。それを撮影する父親と思しき人物。その人は斧で何者かに殺された。怨み屋が蝶をコレクションしているのはその犯人を捜す意味合いもあるのだろうか。
変装としてカツラを脱ぎ捨てショートヘアになった怨み屋にはビックリ。というかカツラ姿の方が似合っている木下あゆ美って…。あの髪のツヤツヤさは椿オイルかと思っていたがw、カツラだったのか。だとすると#4のエンディングなどでプールで泳いでいたシーンもカツラか。着衣でプールは経験済みの執筆者だが、カツラでプールは未経験なので(幸いにもw)、いったいどんな感じなんだろう。
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怨み屋本舗(原作コミック)
怨み屋本舗DVD
いつまでも響くこのmelody(mihimaru GTのOP曲)
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【あらすじ】立花(永井大)はミントキャンディ店長に就任し、大滝(吹越満)をチーフに引き上げ、菊田(深水元基)をサブマネージャーにする。キャストの雰囲気も良く、千鶴(井上和香)は不動のNo.1。一方、奈緒(滝沢沙織)は今や笑子(酒井若菜)と2位争いをするまで落ちた。元店長:神崎(渡邊邦門)はホール長の地位に納得せず、愛子(涼果りん)の居るイメクラ:イメッ娘学園で働く。
神崎は桜井久美子(杏さゆり)をスカウトし立花は怒る。笑子にも引き抜き話が舞い込み、さらに奈緒が店を辞めピンクソーダに移る。奈緒を引き抜いた長瀬(菅原卓磨)に会った立花。引き留めなかった事を冬海(益子梨恵)にも笑われ、奈緒はこの店ではBEST10にも入らないと言われる。
大滝家に招かれご馳走になる立花。妻も子供も二人いる大滝は
「まじめに働いて必死に食べさせてるという意識を持っていたい」
と語り、引き抜き合戦なしで店を盛り立てていこうと提案。新しいDMを作成し、有名写真家に撮ってもらうキャスト達。だが笑子は写ろうとしない。辞めるつもりではと心配する千鶴。
社長:藤堂(伊原剛志)に連れられ、政財界長老:三宅川信之(峰岸徹)の鑑定を受ける立花。泥水を飲んでいないが応援を約束される。笑子を引き留めるため、笑子の希望通り付き合う事にする立花。三宅川が来店。大滝は断固反対するが、立花はひなの(大友みなみ)を売り、大滝をクビに。
「変わらなきゃ、やっていけないんだよ」
橋の上で雨の中、号泣する立花。
【感想】○
話数圧縮のためか矢継ぎ早な展開。立花が店長になっていきなり成功してるし、ヒロインのはずである千鶴の存在感の無さも驚き。今回は月である千鶴は置いといて、黒い太陽の別の衛星である大滝と笑子に焦点を当てた展開だった。
スカウトマン:ケン(田中要次)の
「敵が増えた分、味方も増やしておけよ」
この言葉が重要なポイント。誰が敵で誰が味方かの選別を誤った立花は、2つの衛星(大滝と笑子)の軌道を変えてしまい、太陽である自分の位置も不安定になったと執筆者は見たが、今後どうなる事やら。
敵が増えたとは長瀬に加え、神崎や愛子を指すもので、味方に着けるべきは千鶴に加え、大滝と笑子でないといけない。実際この2人は立花寄りだったので、2人を尊重していけば良かったのに、立花はその有りがたみに気付かず、大滝をクビに笑子と関係を持つ。
大滝と笑子の、男と女で対照的な行動なのに共通する心というキャラ配置が、このドラマに絶妙な面白さを出している。店外のバッティングセンターで遊んだり家庭に招く大滝は立花を励まし続ける。同じく店の外で会う笑子は、立花に金を貸したり付き合ってと懇願する。
これに対し立花の下した決断は、側に置いておくべき大滝を切り、距離を保つべき笑子と関係を持つ事だった。プライベートで友にすべき大滝を職場から追い出すのも、職場で理解者にすべき笑子をプライベートな関係にするのも、どちらも間違った選択を立花はしてしまう。
さらに味方に着けたのが三宅川というのも劇薬か。巨額な財政的支援をタダで受けられるはずが無い。まずは三宅川個人の満足のために、ひなのを売ったが、今後もっと大きな代償を払わされるのではないだろうか。
藤堂社長は立花を踏み台にして長瀬が後継者になる事を望んでおり、立花を短期的な成功者に仕立てようとしている。立花は見える敵だけと戦い、真の敵である藤堂が見えていない。その上、自分の選択ミスで味方もどんどん失っている状況では、立花の絶頂期はとうに過ぎてるように思える。
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【あらすじ】女の子キャラのHなセリフが書けずに苦しむ佐藤達広。今日の中原岬のひきこもり脱出講義は「会話のテクニック」。ひきこもりは人と話す時に緊張する。それは自分に自信が無いから。それが悪循環する。解決法は、相手を自分よりダメ人間と想定し、人を見下す事。でもそれを相手に悟られてはいけない。
岬から山崎薫にも“ナナコ”という彼女がいると聞きつけた佐藤は、伐々木デザイナー学院に通学する山崎を尾行。校舎にも入るが教室が判らず立ち尽くしていると、ゲームライター科講師から体験入学者と間違われ、その授業に参加し企画書を書く事に。
書いた内容を講師が笑う。馬鹿にされた、素人だと思って人を見下して、偉そうに…と呟く佐藤に講師は
「君は自分と同じかそれ以下じゃないと他人を認められないのかい?」
と指摘。そのやり取りを他生徒が笑ってると思い込む症状が出た佐藤は、N・H・K(日本ひきこもり協会)の陰謀だ!と叫んで走り去る。
ようやく山崎を見つけた佐藤。声優科の緑川七菜子と仲良さそうに話していたが、山崎の居ない所で「ただの友達、キモオタ、半分ヒッキー、ロリコンぽい」と言う女友達を否定しない七菜子。そんな事を知らない山崎は佐藤に七菜子を自慢する。
中原岬は七菜子が山崎のカノジョではないと知っていたと話し、佐藤を
「でも、そんな人の多い所に行くなんて、ちょっと前進だよ」
と喜ぶ。最初からそれが目的だったのかと岬が一瞬天使に思えた佐藤だった。
【感想】◇
隣室に住むプルリンちゃんオタクの山崎薫の彼女疑惑回。結局それは山崎の一方的恋愛感情だと判明する。本質的テーマは会話と人を見下す態度について。今回も佐藤は色々なパターンを体験する。
岬の分析では、引きこもりは自分が下で相手が上と思っているのがいけない。だから相手は自分より下と思えば良いという暴論。でも自分はこれで話せるようになったと結論づける。ってここで岬は自分も引きこもりだ(った)とカミングアウトしてるし。ここに佐藤のツッコミなし。まだまだ岬の正体は謎にしておきたいらしい。
山崎薫を尾行し今回もあっさりと外に出る佐藤。「目標を持っている間はひきこもりじゃない」との前回の結論はカノジョの真相追及という形で実践される。なんか意味が違ってる気がするが。
佐藤の書いた企画書は佐藤自身の今の願望そのままだった。アンビエント系ギャルゲーでコアターゲットは対人関係に疲れた病める若者達…という趣旨もそうだし、内容が炭焼き職人と精霊の会話なき交流というのも、セリフが書けない佐藤の苦しみが反映されている。操作はハンズフリーでCGと文を眺めるだけというのも、自動的にゲームが出来たら良いなと思ってる佐藤の願いそのまま。
講師の指摘は中原岬の解決法を真っ向否定するものだった。これで混乱した佐藤は強迫観念が再発。講師が自分を見下していなくても他生徒に見下されているとの思いに耐えられない。
山崎と緑川七菜子の会話を聞く佐藤。山崎が七菜子にゲームを薦めている。本当に会話といえるか微妙だがそれは別として、七菜子は陰で山崎を見下した発言をする。ひきこもりの自分も、そうでない山崎も見下されていると知った佐藤は安堵する。
何となく山崎もそれに気付いているような印象を受けたが、山崎はあくまでも七菜子をカノジョだとして佐藤と話す。佐藤はここでもツッコミなしの気遣いを見せる。見下す云々よりも人と接するには、こうした優しさが大切だとの主張なのだろうか。
山崎をこき下ろした七菜子だが、それは友達の手前であって、七菜子は山崎を自分の知らないゲーム情報を教えてくれる便利な奴と位置づけている。女にとってはこうした便利な男を色々な分野で持っていると生き易さが全然違う。一方、男はこういう女を、自分の好きな話を聞いてくれる人、自分の好きな事(機械いじりなど)をさせてくれる機会提供者と捉えておくと勘違いせずに済む。
蛇足だが、山崎のはまってるプルリンちゃんも七菜子も、声優は宍戸留美。二次元より生身ですよ〜と話す山崎は、宍戸留美の声に惹かれてるだけじゃんとツッコミたくなるギャグか。
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【あらすじ】漆原正太郎(黒田勇樹)は電脳探偵Kとしてマクロイン王国オーロラ姫(早美あい)を助ける正義のヒーローを演じる役者。だが女からストーキングを受けており、スタンガンで気を失っている内にその女とベッドイン。引越してもストーキングが止まないため怨み屋(木下あゆ美)に200万で仕事を依頼。
情報屋(寺島進)がその女が下北リカコ(小林きな子)、羽黒区役所戸籍係だと突き止める。リカコは職権を乱用し漆原の住所を調べたり、住民に嫌がらせをしたりしていた。怨み屋はシュウ(竹財輝之助)をリカコに近づけるが失敗。情報屋の隣室に住む十二月田猛臣(前田健)に電波を流して送り込む。
情報屋をマクロイン王国の上官と信じ、前世の妻であるリカコを執拗に追い掛けラブラブ光線を浴びせる十二月田(シワスダ)。リカコはストーカーがいると警察に電話。寄木警部(きたろう)が駆けつけ十二月田は逃げる。
怨み屋「ああいう女は殺人の加害者になっても自分は被害者だと言い張るわね」
区役所窓口に下北リカコの被害に遭った住民が殺到。住基ネットへの不正アクセスがバレたリカコは辞職し、精神疾患として田舎で静養。だがそこでも十二月田に追われていた。金を払おうとしない漆原に怨み屋は、17歳メイド喫茶店員との淫行写真を見せて払わせる。
【感想】△
電脳探偵Kの世界にはまっているストーカー女:下北リカコに、同じく電脳探偵Kにはまっているオタク:十二月田猛臣をストーカーとして付ける「目には目を」の解決回。今回もある意味でテレビ表現の限界に挑んでいた。キモにキモで正視できない映像のオンパレード。だがキモが笑いに転化できておらず、キモカワではなく「キモ気持ち悪い」(←松本人志が考案した名称w)だった。
下北リカコの小林きな子も十二月田猛臣の前田健も、一生懸命キモ役を演じているのだろうが、恐らく「地」はこういった性質の人ではないのだろう。無理に演じてる感が抜け切らず、笑いには遠い。というか、役を作り過ぎだから笑いの入る余地が無い。
唯一笑えたのが情報屋の飼い犬:リンダちゃん登場シーンのテロップ。今後リンダちゃんは活躍するのか。だから「リンダちゃん」という字幕が出たのだろうか。怨み屋が収集している蝶の標本との「心の拠り所」という括りかもしれない。
さて、十二月田が簡単に情報屋の電話を信じたのは、白い目で見られているオタクの自分が必要とされた…という事に喜びを感じたからだろう。誰かにかまって欲しい意識が電話で満たされ、それが下北リカコに向かって行く。
下北リカコが電脳探偵Kをストーキングするのは、住基ネットで何でも知っているとの思いと、全てを知りたいという行為の一致のために肉体関係へと向かわせたのだろう。
そして正常に思える漆原正太郎も、現実世界からやや離れたメイド喫茶店員とメイド服のまま淫行するという点では、リカコと似ている部分もある。その心の闇にリカコが付け込んだのだと解釈。
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怨み屋本舗(原作コミック)
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【あらすじ】ミントキャンディ毎月恒例の売上TOP3の発表。No.1の奈緒(滝沢沙織)は435万円。その10%が奈緒を担当するボーイに入る。社長:藤堂猛(伊原剛志)はワースト2のサキと弥生をクビに。次は千鶴(井上和香)だと言い放ち、店長:神崎(渡邊邦門)担当から外す。立花(永井大)は千鶴担当を申し出る。
気に入ったキャストに月200万は出す不動産屋:渋井(六角精児)が来店し、立花は千鶴を席に着かせるが、アフターを断った千鶴はチェンジされる。千鶴には意識が足りないと思った立花は問い詰めるが、千鶴は「立花君は私を売りたいの?」と言い、翌日から無断欠勤。
笑子(酒井若菜)は千鶴に会いに行ったと立花に連絡。千鶴は他店で働くらしい。会社近くの公園で千鶴に何とか会えた立花は説得に成功し、千鶴は復帰。だが藤堂は娼婦にさせなかった立花に「辞めていい」と言い渡す。
千鶴改造のため、立花は接客レッスンをする事に。その当日、チーフ:菊田(深水元基)に笑子をよこせと迫った立花は暴行を受ける。それを目撃した千鶴に立花は「毎日の事だ」と言う。これで千鶴は仕事をキャバクラ一本にすると決断。
「預けたからね。絶対No.1にしてよね」
笑子から50万を借り、千鶴のイメチェンを計る立花。渋井との同伴も果たす。二週間後の売上TOP3の発表で千鶴は奈緒を追い落とし、新記録でNo.1になる。藤堂は立花を店長に任命。だが藤堂の狙いは、立花をピンクソーダの長瀬慎太郎(菅原卓磨)を本気にさせるための噛ませ犬に仕立てる事だった。
【感想】◇
前回は立花が昼の仕事を蹴ってキャバクラ世界で生きて行くと決断する話だったが、今回は千鶴の決断話。とはいえキャバ譲としての才能を発揮していない千鶴には立花に頼るしか方法はなく、その決断は立花ほどには主体性のあるものではなかった。
千鶴は立花に恋愛感情を抱いているような。立花の「俺ともう一度やってほしい」「君が必要なんだ」などの言葉もその感情を高めて行く。立花も立花で、仕事のための口説き文句と個人的感情が入り交じっているようにも見える。
千鶴を落とした一言「何だって耐えられるよ、千鶴をNo.1にするまでは」は、ダメキャバ譲の千鶴をNo.1にする事が、自己能力アピールと他者を見返すための最善の方法と信じる立花の、極めてビジネスライクな言葉だったが、千鶴はその言葉ではなく、立花の強い心に落ちてしまった。しかしここからNo.1になるまでが一切省かれ、拍子抜けしてしまった。W杯の影響か、遅いスタートの「黒い太陽」はこういう所で話数圧縮せざるを得ないのかも。
親の残した借金返済のため昼はOL、夜はキャバクラで働く千鶴。昼があるから夜だけと割り切って働けていた。だが、昼があるから夜の仕事に響く。夜の仕事を昼に響かせたくない。アフター・同伴拒否では売上伸びず店のお荷物に。
夜の仕事を選んだ立花は、千鶴も夜一本にと誘う。ボーイと違ってキャバ譲にはアフターでの客の豹変というリスクがあると指摘する大滝(吹越満)。「私を売りたいの?」との千鶴のセリフや、「俺なら千鶴を娼婦にする」との藤堂の言葉も、この辺りの事情を指すようだ。キャバ譲としての能力が低いがために両極端の選択肢しかないという事か。
これに対し立花の取った行動は、まず千鶴の接客能力の向上。そしてイメチェン。ギリギリラインとして、アフターより危険度の低い同伴許可。この間に千鶴の才能を開花させ、上手いアフターも出来るようになるだろうとの計画か。この解釈は、今回は描写不足のため違うかもしれないが。
あと、千鶴がNo.1になったのが指名本数でも新記録というのも腑に落ちない。売上のみ新記録ならば、渋井がメインでドサッと金を落としたのだと理解可能だが、指名本数もとなれば渋井だけの力ではないわけで、その辺もやはり描写不足だった。
ともあれ、昼と夜で生きてきた千鶴にとって、昼のOLがなくなった代わりに立花が「黒い太陽」となって、千鶴の昼と夜を維持するのだとの主旨は良く分かる話だった。
蛇足だが今回は「預ける」もキーワードか。千鶴の身を預けるとの決断と、大滝の「上に行ったら俺の事よろしく」との立花に立場を預けた言葉、そして笑子の50万円を預けた行為。というか、笑子の人間性が眩しい。やはり只者ではないぞ笑子。これが純粋な好意ではなく藤堂の裏指令だとしたら凄く怖いが。その藤堂の意図も明らかになったが、それは多分次回記事で。
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【あらすじ】NHKスペシャル。太平洋戦争最大の激戦地:硫黄島。1945年2月16日、2万1千人の日本軍守備隊に対し、制空権・制海権を握った米軍は空爆・艦砲射撃の後に上陸。だが、5日で占領できると踏んだ米海兵隊は地獄を見る。硫黄島は全島が地下要塞化しており、地下壕からの日本軍の反撃で米軍は死傷者2万8千人。
ピーター・ベナーベッジ:彼らは万歳突撃をしない。戦いは長引いた。
アル・ペリー:朝になると海兵隊の死体だらけ。あちらの穴かと思えばこちらの穴から撃って来る。
金井啓:生き埋めにされ、部下が手榴弾自決。その爆風で壕が崩れ捕虜に。部下の死と引き換えに命を繋いだ。
大越晴則:サイパン・グアムは陣地がやられたら後方陣地で戦えたが、硫黄島は自分の陣地死守を厳命されていた。
大曲覚:玉名山陣地指揮官から摺鉢山奪還を命じられる。死守はどこへ行った。死体が弾よけになる。戦死してもまた戦争をしなきゃいけないのか。
1ヶ月後の3月17日、指揮官:栗林忠道中将の戦死により日本軍の組織的戦闘は終結。しかし玉砕後の硫黄島では、日本軍に週100人以上の戦死者が出ている。ゲリラ戦に移った日本兵。彼らは何故戦い続けたのか。玉砕の美名に隠された戦場の真実を生還者の証言から探る。
秋草鶴次:南方諸島航空隊本部壕にて日本人同士の残酷な戦いを経験。食料尽き、死体を焼いた跡の炭を食べた。「人間の耐久試験だ」
竹内昭:人が死んでも可哀相ではなく、物を持ってないかと思った。
投降しようと壕を出た兵を上官が撃ち殺した。投降した兵は国賊。戸籍謄本にそう記載される。投降を呼びかけても戦いを止めない日本兵に対し、米軍は火炎放射器で壕を焼き、発煙弾で燻り出し、壕に海水を流し込む。その表面には油。引火し壕内は地獄絵図に。
意識朦朧の状態で捕虜になった日本兵約1千人。壕内に入った米兵はその惨状に息を呑んだ。61年後の今も、硫黄島には1万の遺骨が収拾されず残っている。
【感想】◇
番組前半は、これまで知られていた硫黄島の戦いをなぞっており、日本軍の頑強な抵抗の理由と、多大な損害を出してでも硫黄島占領を為さねばならなかった米軍の事情を理解していれば、記録として残す価値のあるものだった。この「理由と事情」が説明不足で、視聴者の理解が前提とされている点はやや疑問。
後半がこの番組の真骨頂で、玉砕後の戦いがあった事の発見、そこで起きた悲劇を兵士の証言から明らかにする。ここでも重要になるのが前半で説明不足だった「理由と事情」であり、「理由と事情」がなくなってからも戦い続けた兵の意義を問う折角の番組の主張も、説明不足ではどれほど視聴者に理解されたのかかなり疑問。知ってる人には解る、知らない人にはあぁ悲劇だなで終わってしまったのでは。
1944年7月のサイパン陥落で飛行場を手にした米軍は、秋よりB29で本土空襲を開始。しかし日本本土に到達できるのは爆撃機のB29だけで、戦闘機の護衛なしだった。よって日本軍戦闘機の上がってこれない高度1万メートルからの高々度爆撃に頼らざるをえなかった。
これに対し日本軍は、戦闘機を改修し、対B29専用仕様の大口径機関砲を搭載した大型戦闘機で迎え撃つ。米軍は精密爆撃で飛行機工場を第一目標とし、日本軍戦闘機根絶を目論んだが上手く行かず。1945年に入ってもまだ日本軍戦闘機が迎撃して来るのは、米軍にとってこれまでの爆弾投下量から考えても驚異的だった。
そこで、サイパンと日本本土の中間にある硫黄島飛行場が重要視される。ここを占領すれば米戦闘機をB29の護衛として付けられる。また、空爆時に損傷したB29の緊急着陸地点にもなる。これが日本軍が硫黄島を死守しなければならなかった理由であり、米軍が硫黄島を何としても占領しなければならなかった事情。
付け加えると、硫黄島の対空レーダーの存在、硫黄島から出撃した日本軍攻撃機がサイパンを空爆し、50機以上のB29を焼き払っていた事、硫黄島からの迎撃機が30機近くのB29を撃墜破していた事も影響している。日本軍反撃拠点の硫黄島は米軍にとって目の上のごぶだった。
だからこそ硫黄島は簡単に玉砕してしまうバンザイ突撃をせず、一日でも長く戦闘を続け、本土空襲への戦力を削ぐ事が最重視された持久戦となった。米軍にとっては硫黄島を占領しない限り、日本への決定打を打ち込めないため、損害度外視の作戦続行となった。
その結果が、援軍も絶たれ飲食料にも欠きながらの日本軍の頑強な抵抗となり、上陸軍の死傷者が守備隊死傷者数を上回るという、米海兵隊始まって以来の不名誉となった。
そして硫黄島の玉砕後、4月から稼動したP51戦闘機によって日本本土防空隊は壊滅的打撃を被り、残存機は本土決戦へと温存され、本土上空を米軍機が悠々と飛行するようになる。米戦闘機の機銃掃射に遭ったという人は、硫黄島陥落によるものである可能性が高い。あとは沖縄陥落で機動部隊が駐留し、その空母艦載機からの機銃掃射という可能性もあるが。
さて番組後半で重要になるのは、以上の「理由と事情」が無くなってもなお、戦い続けた点にある。指揮官も戦死し、玉砕が報じられ、飛行場も稼動し、それに損害を与える事も叶わぬほど追い詰められた日本兵。投降を呼びかけられても応じない。
米兵は飛行場を廻っての戦いは決したのに、戦い続ける日本兵を馬鹿げていると思うようになる。日本兵自身も何のために戦っているのか分からなくなって来る。玉名山陣地指揮官による摺鉢山奪還命令は、万歳突撃禁止に反しないギリギリの温情ともいえる。地下壕の兵に竹槍と手榴弾を与えて出て行けとの命令も、投降兵の射殺も、国賊にしないための名誉を残したものともいえる。もちろん、無謀な攻撃命令は責任放棄であり、出て行けとは食料維持のための単なる人減らしである。
飢えと渇き、軍の呪縛で正常な判断ができなくなっていく兵達。壕内では人間性・理性のない常軌を逸した光景が繰り広げられる。玉砕後の戦いの意味は何だったのか。当事者は今でも分からず、悩み続けている。何も無いでは死ぬに死ねない。せめて語り残しておきたいと。
執筆者の貧弱な理解を書けば、この間の戦いは、大日本帝国における人の生き方が試され、限界を露呈し、その限界を超えたものだったと思う。敵軍の誰もが思った「馬鹿げている」も、当事者自身が後から振り返っても意義を見出せない戦いは、大日本帝国の描いた生き方・死に方が、所詮は作り物に過ぎなかったという事だろう。それを如実に表わしたものが硫黄島玉砕後であり、ここに語り継ぐ意義がある。
生きて虜囚の辱めを受けず。降伏なき軍隊に残された最後の名誉が万歳突撃。全員突撃で玉砕の美名を得る。負傷者は自決して名誉を守る。だが硫黄島ではこの万歳突撃も禁じられた。持久戦による戦死しか有り得ない。それでいて兵には持久するための食料も与えられなかった。これらの矛盾が壕内での理性崩壊へと繋がる。
この大日本帝国特有のロジックが分からない米兵は、日本兵の行動が全く理解できない。大日本帝国が無理に無理を重ねて作り出した生き方・死に方など分からなくて当然である。所詮は国家が国民を考えずに作り上げた狂信的思想なのだから。それを守らされた国民は、守れない状況が発生しても「非国民」の一言で片づけられてきたのだ。
だがそれで片づけられない事態が戦場では起こる。玉砕後の兵達は大日本帝国の思想・教育システムでは想定されていなかった事態に直面した。今もその意義を見出せないのは、幼児期からの大日本帝国の思想・教育システムの刷り込みと、何もかも自由になって指針の無くなった戦後システムのどちらも、その答えを提示してくれないからだろう。
参照記事:そして日本は焦土となった
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NHKスペシャル 硫黄島玉砕戦~生還者61年目の証言~(この番組のDVD)
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
名をこそ惜しめ 硫黄島 魂の記録
十七歳の硫黄島(インタビューで登場した秋草鶴次著)
硫黄島戦記―玉砕の島から生還した一兵士の回想
“玉砕”の軍隊、“生還”の軍隊―日米兵士が見た太平洋戦争
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【あらすじ】柏瞳と4年4ヶ月ぶりに再会した佐藤達広。文芸部で2年間トランプに付き合った佐藤。卒業式の日、柏はお礼にと唇を近づけて来た。現在は役所で働く公務員。元気の無い佐藤に薬を勧める柏。ひきこもりだと打ち明ける佐藤。健全な付き合いをしていれば…という柏。ケータイ番号を交換し、また会えるかと尋ねる佐藤に柏は
「ひきこもりなんでしょ」と言って去る。
ゲームが完成したら中原岬との関係が終わってしまうと考え、契約書にサインして岬を待つ佐藤。ゲームもクリエイターも嘘だったとバレる。明日からカウンセリングだと言って去る岬。
「ちょっとの訓練で広い世界に飛び立って行けるよ」
山崎薫は親と電話。「牧場は継がないからな!」
中原岬の第一回ひきこもり脱出講義。秘密ノートを読む岬。ひきこもりとは周りの環境との不適合。世の中と上手く折り合いをつけていく方法が大切。佐藤はフロイトの夢分析で「巨大ヘビ・海・リンゴに太い剣・黒光りする拳銃」と答え岬は顔を赤らめる。
岬の講義に幻滅した佐藤。自室でフィギュアを脱がせる。でも目標を持っている間はひきこもりじゃないと気付かされた。ゲームを作っている山崎に佐藤は、岬との約束がなくなったからこそ期限を気にせず良いゲームを作りたいと言う。
「このゲームを完成させる事が出来たら、少しはマシな人間になれそうな気がする」
【感想】○
パッと見の面白い・詰まらないでは評価の難しい回だが、よくよく考えると深い所で全ての事象が繋がっているようにも思える、味のある回なのかもしれない。佐藤の目を通して、マシな人間とそうでない人間の境界の曖昧さを描く。
柏瞳は公務員という立派な職に在りながら、睡眠薬・抗うつ剤などの薬漬け。何かと口にしていた「陰謀話」も、精神的に病んでいたためなのか、薬の副作用なのか。柏瞳は薬漬けを暴露し、佐藤はひきこもりだとカミングアウト。健全な付き合いをしていれば…とは佐藤に対する言葉でもあり、柏自身にも込めた言葉のようだ。
柏とまた会う事で引きこもりを脱する事ができるのでは、と思った佐藤の願望は打ち砕かれる。柏との果たせぬ関係を、中原岬で果たそうとの思いもあって契約書にサインする佐藤。これは#3で指摘した「プロジェクトに乗るか反るかよりも、岬との交際を持つ事でしか佐藤は救われない」に達したという事か。
その岬も、普通の高校生ではないと佐藤は薄々気付いただろうか。フロイトやユングの本の写しを丹念に秘密ノートにまとめている岬。それは佐藤のために書いたものではなく、岬自身の現段階での生きがい。ひきこもり脱出講義は岬の完全なる趣味だった。岬との関係は、柏の代わりの恋愛には成りようも無かった。
遂に佐藤は買ったフィギュアをいじる事で何かを満たそうとする。だが、購入欲と収集欲を満たすだけのフィギュアに恋愛欲は満たされない。金ですぐに買えてしまう人形なら尚更だ。
親の牧場を継がないため、意固地になってエロゲーを作っている山崎。佐藤にはその様に見える。誰も彼もマシな人間など佐藤の周りにはいない。ひきこもり・薬物・変な趣味・反抗心…立場や心理でマシかダメかではなく、目標を持って生きる事が必要だと悟った佐藤。その宣言は佐藤の周りの人間を変える力になるのだろうか。
…とまとめつつ、別の見方も書いてみる。柏瞳の「ひきこもりなんでしょ」の意味は、柏自身が現実の辛さを陰謀話で折り合いをつけているために出てきた言葉ではないか。色々な陰謀話を考えるのが柏の生きがいでもある。そして佐藤の「マスターオブひきこもり」の言葉に柏は同じ物を感じた。ひきこもりという「プライド」を傷つけないようにお付き合いを断ったのでは。
中原岬は秘密ノートをまとめるのが生きがい、山崎薫はエロゲー作りが生きがい。そういった周囲の人を見て佐藤は、自分も生きがいを持とうと決意し、「マシな人間」宣言となった…という別解釈。
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N・H・Kにようこそ!DVD(各2話収録)
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パズル(オープニング曲)
もどかしい世界の上で(牧野由依の新エンディング曲)
踊る赤ちゃん人間、日本引きこもり協会のテーマ(大槻ケンヂの旧ED曲)
ダークサイドにようこそ!(サウンドトラック)
サニーサイドにようこそ!(ソングコレクション全24曲)
第20.5話フルボイスにようこそ!(ドラマアルバム)
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【あらすじ】佐倉真治(松田悟志)と妻:杏子(不二子)は少年グループ:竹内コウ(落合扶樹)・大石ハルオ(黒木啓嗣)・松本ヒデオ(宮田直樹)に拉致され廃工場へ。真治を拘束し、目の前で杏子を陵辱。気絶していた真治が起きると杏子は首を吊って死んでいた。
この事件を、グレーのワゴン車・18歳の3人組の線で寄木警部(きたろう)も追うが、真治は怨み屋(木下あゆ美)に車のナンバー「新宿330 ま23」の重要情報を教える。怨み屋は3人で3000万の報酬で仕事を引き受ける。秋葉原で怨み屋は、ホキマ情報研究所の隣に住む十二月田(前田健)というオタクを目撃。
怨み屋は杉河里奈(葵)にチャットで知った竹内コウが殺人者だとの噂を流させる。情報屋(寺島進)は3人組の居場所を突き止め、道徳を教えると言って協力を申し出る。情報屋は弁護士:福原敬一と名乗り、大石と松本と接触。竹内が司法取引で2人を売ったと告げる。その頃、里奈は竹内に拉致されていた。
廃工場にやってきた大石と松本は竹内と仲間割れの喧嘩の末、3人とも死亡。里奈を助け出した怨み屋と情報屋。佐倉真治に杏子は自殺ではなく殺されたのだと報告。
情報屋「こいつらには罪の意識を思い知らせてから死んで欲しかったな」
怨み屋「自分たちの命さえ軽んじるような連中よ」
情報屋「俺達も人の命を軽んじているのかもしれないな」
怨み屋「人の命を救ったのかもしれないわ。近い将来、あの3人に拉致され殺されるかもしれない命を」
【感想】○
少年法によって保護される事をたてに、凶悪な犯罪をやりたい放題な10代の暴走。奴等に復讐するため、警察に供述せず怨み屋に決定的情報を教え、抹殺を依頼する被害者。金を貰って仕事をする怨み屋。金のために怨み屋に協力する工作員。道徳を教えると言って乗り出したものの、その結末に自省する情報屋。道徳の欠如した犯人を描きつつも、それが自分たちも含めた社会全体に広がっているのではとの疑念を、登場人物全員の言動から示唆させていた。
廃工場での夫の眼前でのレイプシーンなんかは、テレビ表現での限界に挑んでいた。妻に対して引きの絵を使うとアウトなので、引きは夫のみ、あとは体の一部のアップと犯人の狂気の顔で描写。ここの暴力シーンが強烈なほど結末の納得性も増すので、手を抜かずリアリズムを追求。
でも、3人組が杏子の死を笑い話にしているシーン。ここでは陵辱ビデオを見ながら語らせるべきだったのでは。でないとあの時に3人組が撮影していた意味がないような。ビデオの映像は一瞬、陵辱時に流れていたのだから、あのカメラでも撮ってたはず。という事は、この談笑シーンが先撮りで、後撮りの陵辱シーン現場でビデオを持たせる事が急遽決定されたのだろうか。
十二月田(前田健)の登場は次回への伏線もあるが、道徳の欠如した若者とのキーワードで3人組との共通項にもなっている。通りを大声で走り抜ける(暴走する)危ない人。若者なのか疑問もあるが(笑)あとは、ホキマ情報研究所が秋葉原にある設定も、この十二月田と絡めるためだったのだと納得。
杉河里奈の使い方は上手くなかった。チャットで竹内を知る所と、噂を流す必然性とそのリスクなど。里奈の行動で寄木警部も犯人逮捕に近づいており、そっちのリスク面でも怨み屋の思慮が足りないようにも思えた。
弁護士の司法取引話で仲間割れとのシナリオは上手かった。格好が似合わないとか文句を言ってる寺島進が可愛い。それを楽しんでやらせてる怨み屋も良い。このコンビの掛け合いは回を追うごとに面白くなっており、木下あゆ美は随分と寺島進に助けられてるんだなと、撮影現場の様子を想像してしまう。
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【あらすじ】イメクラで出てきたのが愛子(涼果りん)だと知った立花篤(永井大)は帰ろうとするが、恥をかかせるなと引き留められる。「お金にキレイも汚いも無いんだよね」と愛子。立花は社長:藤堂猛(伊原剛志)からミントキャンディ顧客リストを渡され、暗記するよう命じられる。
次の研修は長瀬慎太郎(菅原卓磨)のいるピンクソーダ。こいつにだけは負けたくないと思う立花。その頃ミントキャンディのキャバ嬢達は、立花が帰って来るかに金を賭けていた。帰って来るに一人だけ賭けた笑子(酒井若菜)。参加しない千鶴(井上和香)。千鶴は新店長:神崎(渡邊邦門)から努力が足りないと責められる。立花も辞めた方が良いと勧めるが、千鶴は金のために辞めないと宣言。
以前面接した会社に月給16万円で採用される立花。それを聞いた久美子(杏さゆり)から入院費を渡されるが立花は突き返す。自宅に笑子が訪ねて来る。笑っているだけで月給100万の笑子を見て、こんな女達を担当すれば…と思い直し、顧客リストを暗記。会社採用の話を蹴る立花。
復帰でいきなりホール長になった立花に、キャバ嬢もボーイも反感。立花の指示は誰も聞かず、控室では殴られる。降格された元店長:大滝良介(吹越満)から、他へ移った方が良いとアドバイスされるが、立花は続ける。
奈緒(滝沢沙織)の指名客からの苦情で、アフターを約束した立花。裸で土下座したら行くとの奈緒の言葉に従う。千鶴と食事した立花は、千鶴が自分と同じ親の借金で水商売に入ったと知り、「あんたをNo.1にしてやるよ」と決意表明。
【感想】○
なんか壮絶だ。この壮絶さはフジテレビの「大奥シリーズ」で感じたものと似ている。苦しい境遇にある主人公が、さらに虐げられ、でもその中で上を目指す決意を固める底辺からの逆襲が似ている。今回はお金のキレイ汚いがテーマ。どっちの金も目の当たりにした立花が、純粋に金を求めるまでを描く。
はじめ立花は、裸になるだけで時給二倍だという愛子の言葉の意味がよく飲み込めない。時給は勝っているのにミントキャンディの女には負けたくないとも言う愛子。次に長瀬には負けたくないと思う立花。でもそれは収入の勝負だとは思っていない。対照的に金を賭けにすぐ使うキャバ嬢の描写。千鶴も金のためと言う。
月給16万円で採用され、立花には表社会で生きて行く道が開ける。でも久美子から金を工面される。会社から貰えるキレイな金では入院費も払えない。久美子の金はボーナスで貰った「キレイ」な金。立花は藤堂から貰った研修費を入院費に使う。その藤堂は「この世界にはウソが無い」と言う。ではこの金はキレイか汚いどっちか。
さらに立花を混乱させたのが笑子の得ている金。笑っているだけで月給100万?!金を賭けたから立花に戻って欲しいだと!!馬鹿にされたように感じる立花。そう、表社会で金を得ても馬鹿にされたように久美子から金を渡される。裏社会でやっていくにもボーイはキャバ嬢から馬鹿にされる。だったら取り分の多い方でやってやろうじゃないか、と。
でも心の奥底では金のキレイ汚いの分類思考が捨てられず、千鶴の言う、借金のために働き、それを返している時に親孝行していると感じる…との話に共感の涙を流す立花。自分の金を自分で生みだすため、千鶴と共にその道を歩もうと決意するのであった。
立花はまだ分かっていないようだが、前回少し書いたように笑子はなかなかの人物。あの笑いの下に純粋な本心が隠されているような。さらに立花を陰から支えようとしているもう一人は大滝元店長。他人のいる所では冷静だが、立花と二人きりだと優しい言葉を掛ける。女(笑子)と男(大滝)のアプローチのキャラ配置が上手く出来ている。
そして今回の名場面は裸土下座。「キャー!永井クンのお尻ー!!」などと騒ぐだけで終わってはいけない。そんなのはテレビ情報誌だけで充分であって、視聴者がそれに迎合する必要は全くない。あのシーンは、主人公とそれを取り巻く登場人物の距離が象徴的に描かれている。
立花と対峙し裸を正面から見た奈緒は動揺する。裸を野次馬で見ているキャバ譲達は立花の心からは程遠い。千鶴は立花が裸になる前に部屋を出ていった。立花に好意を持っているから。そのドアの向こうで様子を伺っていた藤堂。立花に見込みがあるかどうか見守っている。最後に、鏡越しに立花の裸を見ていた笑子。直接は見ていない所が他のキャバ譲とは違う(立花寄り)だと表現されている。
このシーンには明確に製作側の意図が込められている。一つのシーンで端的に立花と他の人物の距離感を表現しようという意図が。ここに一番注目して欲しいから製作側は永井大のお尻をエサに使った。そのお尻のみで思考停止するのは、ホントにテレビ情報誌と番宣だけで充分だ。
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【あらすじ】白井義男はボクシングで昭和18年にデビューしたものの、兵役で腰を痛め、戦後の復帰戦でもKO負けで引退を覚悟していた。GHQ天然資源局水産部のアルビン・カーンは、銀座のジムで良いパンチをする白井を見かけ、コーチを申し出る。
カーンはボクシング経験は無かったが、藁をも掴む思いの白井はカーンの指導を受ける。それは一日一つの基本練習。さらに聞いた事のないディフェンス練習。だが2週間後の石森信之との試合で白井は、ディフェンスから繰り出したストレートパンチで勝利。昭和24年1月28日には日本フライ級チャンピオンに。
そして白井は「打たせずに打つ」戦法で、「打たれても打つ」堀口宏とのバンタム級チャンピオン戦を迎える。昭和24年12月15日、要所要所でパンチを決めた白井が判定勝ち。さらにカーンは世界に挑もうとハワイに飛び、世界チャンピオン:ダド・マリノのマネージャー:サム一ノ瀬に試合を持ち掛ける。
サムの特別の計らいで試合が決定し、世界フライ級タイトルマッチが昭和27年5月19日に日本で実現。4万人の観客の期待を背負った白井は、7Rで脳震とうを起こしながらも、11R以降は動きの鈍ったダド・マリノを攻め続け、遂に判定勝ち。その後もタイトル4連続防衛を果たす。
昭和27年のGHQ廃止後もカーンは帰らず後年、認知症になったが白井家の献身的な介護を受ける。カーンは昭和46年1月24日に78歳で死去。白井は平成15年12月26日に80歳で死去。
【感想】○
昭和26年9月8日のサンフランシスコ平和条約で主権を回復し、翌27年4月28日に条約発効。その3週間後に行われたボクシングの試合で白井義男が日本初のタイトルを獲得。敗戦で失われた日本人の自信と気力を与えたその時。その試合は、一度は引退を覚悟したボクサーとGHQ所属のボクシング経験の無いトレーナー対、日系二世のマネージャーと世界王者という組み合わせ。白井とカーンの信頼関係に焦点を当てて描いていた。
腰痛で終わった選手と見られていた白井義男と、GHQで改革の主流でない部署にいたアルビン・カーン。二人のこの境遇が互いに引き付け合ったのだろう。ここが今回のミソで、無名の新人を世界的人物にというカーンの野心に白井は応えた。
また、兵役中に婚約者を親友に取られ、人間不信に陥っていたカーン。そして兵役中の整備士の作業で腰を痛め、満足な試合も出来ない白井。ともに戦争によって大切な物を失っていた二人。
カーンの言葉を信じ実践して行く白井によって、カーンは心の傷が癒える。防御主体で腰に負担の掛かる攻撃を最小限にした戦法によって、白井はボクシングの勝利を得る。カーンの心の傷は白井の姿勢で、白井の体の傷はカーンの戦法で解消していく。互いの凹凸がピッタリ合わさって行く感じ。
「打たせずに打つ」白井VS「打たれても打つ」堀口の対戦も盾と矛の凹凸で対照的。精神力で前進して行く攻撃的ボクシングだけが本物と思われていたこの時期、ボクシングはショーではなくスポーツだとのカーンの信念は、派手さ重視の攻撃一辺倒ボクシングに駆け引きや試合運びの妙をもたらした。
そしてダド・マリノとの対戦。日本人ボクサーのトレーナーが米国人で、米国人ボクサーのマネージャーが日系二世という、これも凹凸な組み合わせ。白井に敗れてもサム一ノ瀬は祝福した。タイトルが日本に渡っても悔いはなかったから。
認知症になったカーンを献身的に介護したとのエピローグがまた良い。白井の事をカーンは忘れてしまったのかもしれない。でも白井一家はカーンに感謝を込めて世話をし、カーンもその温かさに触れ、白井によって心の傷が癒された感触を思い起こしつつ、この世を去ったのだと信じたい。
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ザ・チャンピオン(白井義男著)
カーン博士の肖像
日本ボクシング史 世界タイトルマッチで見る50年
ボクシング100年―ミレニアム特集
NHKその時歴史が動いた サウンドトラック
デビルマンレディー サウンドトラック(番組の音楽が時々このCDから使われる)
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【あらすじ】佐藤達広はエロゲーのシナリオが書けず、山崎薫から登場キャラのパターンを教わる。幼なじみ・メイド・ロボットが基本。ユーザーはエロゲーに現実逃避を求めており、理由もなく主人公を好きになり、純粋な好意のみで近づいて来る、下心もなく決して裏切らないキャラが人気を呼ぶと。なぜか中原岬の姿が一瞬頭をよぎる佐藤。
どうしても現実から抜け出せない佐藤を秋葉原に連れ出す山崎。メイド喫茶、同人ショップ、プルリンちゃんグッズ、プラモ、フィギュア…。秋葉には佐藤の知らない世界が広がっていた。遂に本田操タンのフィギュアやグッズを買ってしまう佐藤。
すっかり秋葉ワールドの虜となった佐藤は、ロボ喫茶で画一化したエロゲーから脱却するゲームを創ろうと山崎と構想を練る。幼なじみの同級生、実はロボットでメイド。前世で恋人、病弱で、交通事故で主人公の身代わりとなって全治一年、その実ユーレイで宇宙人…。
山崎は店に忘れ物を取りに行き、スモーキングスポットで時間を潰す佐藤。その窓を叩く女性。それは高校文芸部の先輩:柏瞳だった。
【感想】◇
登場キャラを現実の女性を参考に作る物だと思い込んでいる佐藤に、架空で作る物だと教える山崎だったが、佐藤にはピンと来ず、現実の夢空間:アキバを見せる事で解決しようとする回。一応、山崎の理屈は筋が通っており、アキバに行く流れは無理がない。
しかし無理を感じたのは、やはり佐藤が引きこもりであるのに、少しの脅しでホイホイ外に出てしまった所だろうか。人込みが自分の悪口を言っている強迫観念から引きこもりになった佐藤が、車やタクシーでもなく、人のたくさんいる電車に乗り、人込みのアキバに着いても脅える事なく直ぐに馴染んでしまうのは疑問。
そして、#1で通帳残高がマイナスに突入していたはずなのに、グッズを買い、タバコを吸う金もあったりする所。この間に親からの仕送りがあったと解釈すべきなのか。ま、細かい事はいいや。
やはり原作コミックとアニメ化の間には時間差があるので、マンガが描かれた頃は今回の描写も新鮮味があったのかもしれないが、メイド喫茶やらフィギュアなどが一般人も知る所となった今となっては、それに驚く佐藤が古代人に思えたり。「引きこもってて知らなかった」という設定でカバーされてはいたが。ちなみにあのスモーキングスポットも今は閉鎖されてる。
と言いつつ、執筆者も数ヶ月前アキバで衝撃を受けた。通りのあちこちでチラシを配る10代のフリフリのメイドが、夜8時になると帰って行く。そして入れ代わるように同じ場所で、露出度の高いメイド服を着た20代と思しきメイドが「メイドバーで〜す」とチラシを配り始めるのだ。
め、メイド…バー?!そうか、夜になるとメイド喫茶ではなくメイドバーが出て来るのか。夜8時のアキバではメイド世界の昼と夜が切り替わる瞬間を目撃できる。
あと夜8時になると、電話会社やプロバイダの街頭販促お兄さんお姉さんも一斉に引き揚げ。さっきまで必死に通行人に寄っていってたのに、引き揚げる時は皆一様に通行人には一切目を合わせず、下を向いてトボトボ帰って行く姿が哀れ。夜8時のアキバでは仕事人のONとOFFの切り替えの瞬間が目撃できる。
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【あらすじ】マンションの401号室に住む杉河里奈(葵)。義父(廣川三憲)から性的暴行を受けていた。402号室の松沢恵美子(渡瀬美遊)は毎晩、夫:直也(山崎潤)とSEX。その声に悩まされる403号室のマンション副理事:佐知代(片桐はいり)。佐知代はここを5000万で亡夫と買ったのに、松沢夫婦が2000万で買ったのが気に入らない。
松沢のゴミ分別チェックで違反を見つける佐知代。さらに恵美子が不倫をしていると噂を流し、玄関ポストに犬の糞を投函。恵美子は怨み屋(木下あゆ美)に100万を30万に下げさせて仕事を依頼。怨み屋は死にたがっている杉河里奈に名刺を投げる。
杉河里奈は再度義父からレイプされ、渋谷で万引した所を寄木警部(きたろう)に見つかり注意される。里奈は怨み屋に義父を消すよう依頼。300万は体で払うと約束。一方、恵美子には郵便物窃盗容疑やドアや車の鍵穴をパテで塞がれたり、パンクされたり。
怨み屋は佐知代に郵便物を盗んだのは恵美子だと電話。翌日ゴミチェックをする佐知代ら主婦達。しかし郵便物が佐知代のゴミ袋から出て来る。「私、犬の糞尿しかやってない」と言った佐知代は逃げるように引越し。杉河里奈の義父はオカマに襲われ、離婚届を残して家を出て行く。
【感想】◇
松沢恵美子にとってイヤな女である佐知代。恵美子は近所付き合いが上手く行かず、嫌がらせを受け、怨み屋に仕事を依頼。解決したものの、怨み屋から普通の人間はあの程度で怨みを晴らさない、と言われる。杉河里奈の義父による性的虐待は、殺すのではなくオカマにする事で解決。金の払えない里奈は今後、怨み屋の社員となり工作活動をする事になる。
今回は怨み屋の言うように「あの程度」の事情であって、スケール的にかなり小さい。それを杉河里奈の件と併せる形で補っている。しかもあらすじを書き起こしてみると、この2つが巧妙に対比されている事に気付く。シナリオは○だったが、それを映像にしてみると△だった回とも言える。だから◇評価。でも渡瀬美遊のHシーンが妙にリアルでドキっとしたよねw
杉河里奈は義父から暴行を受け、松沢恵美子は夫とラブラブH。佐知代は夫を亡くしておりそんな相手もいない。佐知代は一緒に住む人もいなければ、住む所も恵美子に安く買われ逆恨み。実際、バブル崩壊に伴う地価下落で、同じマンションでも購入価格が全然違う新旧住民の間で、近所付き合いにヒビが入っている所は実在する。そこで生じる怨みという流れは大いに理解できる。
恵美子に対する佐知代の嫌がらせは一度では済まない。同様に、里奈の義父からの苦痛も繰り返される。2人は別アプローチながらも怨み屋に仕事を依頼していく。郵便物窃盗・鍵穴・パンクなどが佐知代の仕業ではなく怨み屋がやった所が、怨み屋が決して善人ではないのを示している。
2人の解決方法は、恵美子の方は上手く行き過ぎだし、里奈の方は奇想天外だった。どうもこの解決にはキーワードがあるようだ。全ての容疑を否定するために佐知代は糞尿だけをやったと「墓穴を掘った」。一方の里奈の義父は「カマを掘られた」。これで繋がるんだ!と解釈するべきなのだろう。
松沢恵美子がなぜこの程度で怨みを晴らそうとしたのか?勝手に推測すると、夫:直也とはラブラブだが、いずれこの幸せが壊れるかもしれないと恵美子は思っている。近所の主婦達のように自分もなってしまうのではと。これが恵美子の「心の闇」ではないだろうか。
この不安を打ち消すために恵美子は近所付き合いをせず、直也だけの関係を保とうとしている。しかし佐知代はそんな恵美子の領域に入って来る。しかも嫌がらせという形で。佐知代の行為は夫との関係を壊すものではないが、恵美子にとっては領域侵犯イコール夫との幸せの崩壊という図式になる。だから過剰に反応し怨み屋に依頼する事になった…。
佐知代の片桐はいりは、もう壁に耳を当てる登場シーンの顔だけで文句無しだ。怨み屋の木下あゆ美は、情報屋(寺島進)との掛け合いシーンなどで、少しづつ演技がくだけてきた印象。杉河里奈の葵は、今後暗い役どころから脱却していくのだろうか。
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【あらすじ】立花篤(永井大)は、病気で倒れた父:真一(井上康)の借金返済のためホストになったが、男性客の相手が出来ず、キャバクラ:ミントキャンディのボーイとなる。擬似恋愛のキャバクラは、女を落としたい男と、男を思いのままにする女が楽しむ空間。キャストは自分を殺して客好みの人形になりきる。
新人の立花をイジめる愛子(涼果りん)達。立花を踏み台にしたり生理用品を買いに行かせたり。ゆかた祭りの日、ヤクザの入店を廻るトラブルで、立花は社長:藤堂猛(伊原剛志)に救われる。藤堂は店長:大滝良介(吹越満)をクビにし、サブマネージャー:神崎一郎(渡邊邦門)をチーフ:菊田(深水元基)を飛び越えて店長にさせる。
藤堂は年商300億、年収10億5千万の人物。ボーイ達に的確な指示を次々と繰り出す。店には系列No.1キャバクラ:ピンクソーダの長瀬慎太郎(菅原卓磨)とNo.1キャバ嬢:冬海(益子梨恵)が視察。その眼前で立花は、千鶴(井上和香)に触る客を殴り付ける。一週間の謹慎となった立花だが、お礼にと千鶴は食事に誘う。千鶴もまた親の借金で働いていた。
大田病院に父を見舞う立花。そこには幼なじみの桜井久美子(杏さゆり)がナースとして勤めている。設計関係会社の面接に向かおうとした立花を藤堂が連れ出す。サービス業を覚える研修試験としてイメクラに行かされ、そこで出てきたのはミントキャンディから回された愛子だった。
【感想】○
親の借金と入院費のため、仕方なく毛嫌いする夜の世界に身を置いた主人公が、闇の階段を黒い太陽に向かって登って行く…といったストーリーか。明と暗、表と裏の使い分けがはっきりしていて、ちょっと引き込まれて行くような雰囲気に仕上がっていた。
善い人イメージのある永井大が、ダークな世界に入って行くというのが意外性があって良い。でも根は正義感の強いキャラのようで、キャバ嬢にもヤクザにもすぐにキレちゃうのはオイオイだが。あとはバラエティー色の井上和香が、これまた暗いキャラというのも意外。次回からは、似たような境遇の2人が組んでキャバクラでのし上がって行く展開になりそうなのも面白い。
そしてカリスマ藤堂の伊原剛志のダーティーな演技が◎。主人公もヒロインも暗い上に、トップもシブ渋とあって、雰囲気が締まりまくってる。容赦無くクビにしたり配置転換したり、有無を言わせぬ非情さがよく出ていた。藤堂は、立花を骨のある奴と見込んだのか、後継者育成を考えているのか。
暗の部分に対し、明は店内となる。しかし今回はキャバ嬢の裏の顔がクローズアップされ、明の部分は少なかった。天真爛漫な笑子(酒井若菜)くらいか。彼女もバカなフリをしている面があるようだが。
もう一つの明は幼なじみの久美子(杏さゆり)。立花の表の世界との接点を繋ぎ止める役どころ。闇社会にのめり込んで行きそうな立花を引き止めるだけの力はあるのかは不明。
以上、人物の役割分担の紹介を分かり易く提示するという第一話の条件はしっかりこなしていた。キャラの位置づけも明確で、それでいて表裏を描いていた。その配置の中で主人公が動いて(変わって)行く事で物語が展開するのだろう。
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