テレビ批評的視聴記 - 2006/07/19

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2006年07月19日(Wed)▲ページの先頭へ
怨み屋本舗(新番組)

【あらすじ】味山(うじきつよし)の妻は過去3人とも死亡。1人目は溺死、2人目は車のブレーキ事故、3人目は飛び降り自殺。3人目の妻の父親:伊藤(笹野高史)は、娘は味山に殺されたと寄木警部(きたろう)に訴えるが取り合ってもらえない。味山への復讐を決意する伊藤に「怨み屋」と名乗る女(木下あゆ美)が近づく。
「人を呪わば穴二つ。素人が犯人を殺そうなんて無理な話」

伊藤は土地を売って5000万で怨み屋に仕事を依頼。秋葉原にあるホキマ情報研究所の情報屋(寺島進)の協力を得て、工作員:御法川(市川しんぺー)を味山の隣室に送り込む怨み屋。味山には「殺し屋に注意なさい」と忠告の電話。

味山に風呂のリモコン故障、車のブレーキ故障の災難が降りかかる。思わせぶりな態度をとる御法川が殺し屋だと気付いた味山は、マンション通路で御法川と言い合いに。詰め寄って来る御法川を思わず押した味山。何と御法川は自分から転落する。
「押したね。私は殺され屋だよ」

逮捕された味山はハメられたと供述するが、後は司法の裁きへ。御法川は借金を抱えており保険金で家族は救われる。怨み屋は言う。
「お金を払って怨みを晴らす者もいれば、お金を貰って命を投げ出す者もいる。その間を取り持つのが怨み屋」

【感想】◇
罪を犯しながら、のうのうと生き延びている犯人に制裁を食らわす怨み屋。人生に絶望した人間を工作員として使い、合法的に犯人を陥れる。依頼者の復讐を果たし、工作員の周りの人間を救う。

特徴的なのが、固定カメラを一切使用せず全て手持ちカメラな点。固定カメラを使用しないのは、不安な心理を表わしたり臨場感を出すため。でも要所要所で手持ちカメラを使うのが普通だと思うが、この番組では全編に使用している。何か特別なこだわりでもあるのだろうか。

確かに手持ちカメラによって、導入部ではドキュメント的な要素を感じさせたり、殺し屋に脅える味山の心理状態を示すのに効果的な面もあったが、全編に使用してしまっては効果も半減では?今回だけの演出方法かもしれないのでまだ何とも言えない。

今回の面白さは御法川(市川しんぺー)の不気味さによる所が大きい。ドアの覗き窓から不敵な笑みを浮かべたり、味山に見せ付けるようにリモコンやスパナを持っていたり。次第に追い詰められ御法川を殺し屋だと確信する味山。決定的な対立となった時に「殺され屋」だと明かされる意外性。しかし既に遅く味山は取り返しのつかない所まで来ていた。

怨み屋の属性をほとんど描かず、その仕事のみを描いたのも第一回としては悪くない。謎の怨み屋を演じる木下あゆ美は、隙を見せず、非情なキャラに徹しているような演技。一本調子になる不安もあるが。これまた謎な情報屋にダーク色のイメージのある寺島進を使っているのも見逃せない。主人公側は決して正義ではなさそう。

一方の犯人側は毎回変わるようだし(一話完結)、怨み屋の存在に気付いて行く寄木警部がきたろうというのは、有能とはちょっと違う感じで若干のコメディ要素も含むのだろうか。俳優の特徴を生かした人物の構図としては分かり易い。
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