テレビ批評的視聴記 - 2006/06/22

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2006年06月22日(Thu)▲ページの先頭へ
恋する日曜日・文学の唄「彼女の告白」

【あらすじ】作家:沢田昭夫(利重剛)は毎年休暇で行く旅館で山崎洋子(中江有里)という女性と出会う。食事を共にし彼女の話を聞くと、名並昭夫という作家が嫌いだという。
「恋愛小説を書いているくせに、ぜんぜん女心を分かっていない」
名並昭夫は沢田のペンネームだった。

沢田に恋愛相談をする山崎。山崎の女友達は不倫しており、相手の男と奥さんが別れる事を望んでいる。男の方も奥さんとは別れると言っている。本当に二人は結ばれるのだろうか。
「私が奥さんだったら、事実を教えてもらいたい。その上で選択したい」
その男とは雑誌編集長で沢田の義弟:三船誠一(山中聡)で、その奥さんは沢田の妹だった。

誠一を呼び出した沢田。それを知った山崎は東京へ帰る。誠一に今後の身の振り方を問う沢田。不倫相手とは別れると応える誠一。妹には伏せておく事に。

実は帰っていなかった山崎。不倫相手とは女友達ではなく山崎だった。誠一が自分をフッたと知り東京へ帰る。追いかけた沢田に
「賭けてみたんです。本当に奥さんと別れるかどうか。名並昭夫って本当に女心が分かっていない」

【感想】△
失恋した作家が傷心旅行で出会った女性と良い感じになるが、よくよく話を聞くと自分の身内との接点があり、さらには表沙汰には出来ない事情を知る人物であった。問題を解決した作家はその女性こそが核心人物だったと最後に知る。一方の女性の方は最初から作家を知っての行動であったという所がこの作品の面白さなのだろう。

しかし視聴者には、不自然に作家に近づく女性、女友達という下りで瞬間的に山崎の正体が分かってしまう。不倫された妻の立場での山崎の発言と、義弟を呼び出した沢田に対する
「妹さんに電話する前に、弟さんに電話したの?」
という山崎のセリフで、山崎の恋の敗北と、女心が分かっていないという最後のセリフまで読めてしまう。そしてその通りになる展開には何の面白味もない。

どうせ先が読めてしまうのだったら、視点を沢田にのみ置いて山崎のシロを終盤まで繕うよりは、逆手にとって山崎の裏の顔を前半から見せておくべきだったのでは。旅館に来る沢田を待ち構える山崎の表情や、沢田の気を引いて部屋を去った時の山崎の表情など。

義弟:誠一のキャラも不可解。黒ぶちメガネでドジ屋の誠一は、どう見ても大手雑誌編集長とは思えず、山崎が略奪愛を賭けるほどの男にも見えない。義兄からの穏やかな圧力にすぐに屈してしまう程度の男。

山崎としては沢田が妹に電話し、誠一と別れる道を望んでいた。それは沢田(名並)の女心の理解度を試す実験でもあった。沢田は山崎の「私が奥さんだったら〜」のセリフを理解せず、山崎の名並観は正しかったと証明される。しかしそれは自分が不倫に敗北する事を意味していた。

山崎は名並観の正しさと誠一の両方を追い、恋人:誠一を失った。だが自分の恋愛観の確かさは壊れなかったから次の恋もできるだろう。だからこそ誠一をもっと良い男に描かないといけないはずなのだが…。

あと、今回も前回に続いて原作者はこの番組のプロデューサー:丹羽多聞アンドリウの祖父:丹波文雄。手前味噌な原作選びに、オープニングから「またかよ」と反感を抱いてしまった。
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