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【あらすじ】ありきたりで退屈な22年間を生きてきた女:かおり(橘実里)はある日、路上の絵描きの絵に心惹かれる。だが雨の日、絵を売っていた男はごみ箱に絵を捨て去る。かおりはその絵を持ち帰る。
かおりは家を出て友達の家に居候しながら、自分の夢であるアクセサリーデザイナーへの第一歩として路上販売を始める。なかなか売れない様子を見守るティッシュ配りの男:青野(和田聴宏)。男の働く居酒屋であの絵描きの絵を見付けるかおり。店を出た青野は絵描きは死んだと言う。
やがて路上販売は、施設管理人や警察に注意され続けられなくなる。かおりは絵描きにお礼がしたかった。絵を見て自分もアクセサリーを売ろうと決意したと。青野は言う
「その絵描きは、こんなペラペラな葉書が誰かの人生を変えたとは知らない。天国で驚いているだろうなきっと」
その日以来、青野は姿を消す。しかしいつもの路上に置き手紙が。書かれた場所の路上で青野が絵を売っていた。
【感想】◇
宮沢賢治の水仙月の四日をモチーフにした中江有里の脚本回。その原作と重ね合わせて楽しむのが視聴形態として正しいのだろうか。
雪山を通る女の子にやどりぎの枝を投げる雪童子。吹雪で動けなくなる女の子を助けたのは、雪を降らせた雪童子。やどりぎの上に積もらせた雪が女の子を守った。でも雪童子は人には見えないから女の子は助けられた事にも気付かない。
女の子がかおり、雪童子が青野。宿り木の枝は葉書の絵、雪は夢…と当てはめられそうだが、このドラマでは、かおりは青野と絵描きが同一人物だと気付き、夢を諦めた青野にもう一度夢の世界へ引き戻す役割を果たす。
葉書の絵がかおりの人生を変え、かおりの気持ちが青山に夢を思い起こさせる。幼いながらも必死に働く女の子が雪童子の良心を呼び覚ましたように。
…と、物語的にヌルイ展開を好意的に解釈したが、現実はと考えるとこの二人に先は無さそう。そして絵とアクセサリーの芸術品の影で、ポケットティッシュという実用品が果たした役割が大きい事に気付く。男の居場所を教え、女のトイレに使用され、半泣きの女の鼻噛みとなった宣伝用ポケットティッシュ。男と女を結び付けたのはこれであった。
ハッピーエンドなのに、甘い夢をいつまでも見ていられないと思わせる駄作かと思いきや、そう思わせた装置がポケットティッシュだと気付いた時、これが単なる駄作と切って捨てられない物語だと解った。
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