テレビ批評的視聴記 - 2006/04/27

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2006年04月27日(Thu)▲ページの先頭へ
柳生十兵衛七番勝負 島原の乱 #3

【あらすじ】柳生十兵衛(村上弘明)は父:柳生但馬守宗矩(夏八木勲)から、大阪の堺へ行き、鉄砲が一揆勢に渡るのを防げと命じられる。なんと堺では一揆のシンボル:天草四郎(崎木大海)が白昼堂々と演説をしており、大納言:円条寺業平(杉本哲太)と共に松浦屋正左衛門(江守徹)の屋敷に逗留していた。

松浦屋の出迎えを受けた十兵衛は、鉄砲取引を止めるよう説得するが拒否される。そこで働く和泉太郎丸(蓉崇)と次郎丸(小橋賢児)は、キリシタン追放で父母をルソンに流され、ルソンで生まれ育った兄弟だった。追放令を出したのは柳生但馬守だと円条寺業平が教える。

天草四郎とも対面した十兵衛は、2月12日が過ぎれば穏やかな日がくると聞く。奉行の協力で鉄砲取引禁止の触れを出した十兵衛。それでも取引を止めようとしない松浦屋を斬りに行く。

そこで待ち構えていたのは幕府・柳生但馬守への復讐を決意した太郎丸・次郎丸。「親不孝者め」と二人を斬った十兵衛。しかし松浦屋を取り逃がし鉄砲千丁は島原へ渡る。

【感想】◇
一揆勢の強力な武器となる鉄砲密輸を防ごうとする柳生十兵衛に対し、商いを止めろとは商人にとって死ねと言うのと同じ、と拒否する松浦屋正左衛門。武士と商人の立場の深い溝に落ちたのは、幕府への恨みをルソンで聞かされ武芸を教わり、商人として日本に戻った和泉太郎丸と次郎丸だった。

天草四郎(崎木大海)の演技は異質なものとして映る。これは台詞回しが下手とも言えるし、その平板さが誰かに操られている感じを出しているとも言える。ただ、奇跡を起こす神の子といったオーラは感じられない。

松浦屋がなぜそこまでして一揆勢を支援しようとするのか。江守徹の演技でカバーされていたがその点もやや疑問。虫けらのように人の命を扱う幕府・武士への抵抗なのだろうか。

父母の真意が、幕府への復讐ではなく、日本への望郷だと理解している和泉太郎丸。そこまでの読みが出来ていない次郎丸。兄弟を別の考えに置く事で複雑な思いを分かりやすく伝えていた。だからこそ太郎丸の心境の変化と葛藤にもっと時間をかけて描いて欲しかった。

斬り合いになる前に珍しく十兵衛が人を貶す言葉を吐く「親不孝者め」は良かった。父母や関係者の願いを叶えて日本へ来られた兄弟が自分の剣で死ぬのか、残念だ、まだ止められるのではないか、せめて太郎丸だけでも…といった気持ちが言わせたのだろう。また、家督を継いで政事の世界に進まない十兵衛自身への言葉という意味合いも含まれていた。

太郎丸・次郎丸のコンビネーション攻撃は、見たことの無い殺陣で素晴らしかった。二刀流もできる十兵衛に対し息の合った二人同時攻撃は、もしかしたら勝てるかもと思わせるほどだった。もう少し長い時間やっても良かったのでは。次郎丸が死ぬのが早かった。

実は今回の展開は、前シリーズの#4と似ている。敵に渡るのを防ごうとしたのが軍資金か鉄砲かの違い。その対立の中で命果てる罪無き人物という結末も同じだ。そして強まる十兵衛の葛藤というのも。そこの記事で書いた「無頼の強さを誇る十兵衛の剣をもってしても解決できない人の心。そして自分の心」との文言以上の表現が思い浮かばない。
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