テレビ批評的視聴記 - 2006/04/19

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2006年04月19日(Wed)▲ページの先頭へ
その時歴史が動いた:天英院煕子

【あらすじ】甲府藩主:家宣と正室:煕子はおしどり夫婦だったが、家綱亡き後の6代将軍に任命され、煕子は44歳で大奥入り。男子禁制で1000人の女中が跡継ぎ生育のためだけに働く巨大なシステムに煕子は驚く。

徳川家宣には4人の側室が宛がわれ、お喜世が男子を生む。煕子は正室と言えども家宣と夜を共にする事ができず、家宣の臨終にも立ち会えなかった。天英院煕子は7代将軍徳川家継の補佐役として大奥に残る。煕子は公家出身を生かして家継に天皇家から妻を迎え入れた。一方、お喜世は月光院と名乗り、将軍生母として実権を握る。

月光院は大奥の掟を破って重臣を部屋に連れ込むなど、大奥の風紀は乱れた。絵島生島事件も起こり大奥に処罰が下る。そして月光院の不注意で家継は危篤。財政を悪化させ跡継ぎも出来ない大奥の廃止も検討され出す。

将軍空位の事態を回避するため煕子は、重臣を呼び集め、紀州の吉宗を将軍職にと提案。大奥が将軍を決めるなど前代未聞と渋る重臣に煕子は切り札を使う。
「これは先代将軍家宣様のご遺志なのです」

正徳6(1716)年4月29日、吉宗が家継の後見役に。翌30日、家継死去。同日、徳川吉宗8代将軍に就任。

【感想】○
望みもしない大奥の総取締となり、仲の良かった夫:家宣とも離れ離れ、側室が勢力を拡大して辛酸を嘗めさせられ、出家しても大奥に留まり、その役目もままならなかった天英院煕子。彼女は最後の最後に徳川家を救う切り札を使う。

この、6代〜8代の大奥は一番面白い時代であり、フジテレビの大奥〜第一章大奥〜華の乱の続編が天英院と月光院の対立話で描かれる事を執筆者は密かに願っているのだが、大奥〜華の乱SPで書いたように華の乱は総コケしてしまったのでどうなる事やら(追記:その後、06年冬に映画大奥でこの時代を描くと発表あり)。そんな中、この番組で取り上げられたのはジャンルは違えどちょっと嬉しい。

自分が家宣と共に過ごしたいとの思いは抑えて、大奥という官僚システム・政府機関を受け入れ、側室を表向き妬まず力を失っていく煕子はひたすら忍耐だったか。大奥の風紀紊乱や絵島生島事件などを冷ややかに見ていたのだろうか。

大奥廃止と将軍空位が現実味を帯びて来ると天英院煕子は動き出す。混乱を極めた月光院時代の人々に、先代家宣の遺志を持ち出す事で、次代への道筋をつける。このご遺志は本当にあったわけがないのだが、解決策はこれしかないという絶妙のタイミングで放った一言に、煕子の思いが込められているような気がした。

公家出身で中年になってから大奥入りした煕子は、何も知らない側室とは生まれも経験でも格が違った。そして2人の子を失っても自分に優しくしてくれた家宣への思いは、離れ離れになっても変わる事はなかった。家宣の優しさと身の上という二つが最終的に徳川家を救ったのだろう。

歴史的に見れば今回のその時は大した事はないようにも思えるが、その時がピンポイントで、その結果(将軍決定)も目に見える成果である事を考慮すれば今回は良作だった。また、新年度で予算がそれなりにあるためか、再現映像も人とお金を掛けてしっかりと作ってあった。
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