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【あらすじ】寛永14(1637)年秋、柳生十兵衛(村上弘明)は父:柳生但馬守宗矩(夏八木勲)から、美濃加納での浪人の狼藉を止めるよう命じられる。中心となっている鈴鹿真太郎(山口馬木也)を斬れるのは十兵衛しかいないという。
その頃京都では、大納言:円条寺業平(杉本哲太)と老中:酒井阿波守忠行(布施明)が謀議。軍学者:由比富士太郎(後の由比正雪・和泉元彌)は益田四郎時貞(崎木大海)を連れてくる。これを神の子:天草四郎と名乗らせ、九州島原で領主松倉氏の圧政に苦しむ民衆に一揆を起こさせようと企む。
柳生十兵衛の兄弟子で鍵屋の辻の仇討ち後に伊賀藤堂家に預かりの身となっていた荒木又右衛門(高島政宏)と、その甥:近山藤四郎(本宮恭風)は円条寺業平に呼ばれ、仲間に加わるよう脅迫される。下総・郡山本家を守るため、島原の乱への参加と全国の剣豪集めに同意する二人。
近山藤四郎は江戸に出向き、柳生からの破門を願い出る。十兵衛も但馬守から一揆は避けられないと聞かされる。気持ちの整理が着かないまま、佐山寛平(苅谷俊平)と西岡大次郎(高野八誠)を伴い美濃へ出立した十兵衛に近山藤四郎が決闘を挑む。それは柳生からの決別を意味していた。
【感想】○
前シリーズと同じ製作陣・主要キャストで柳生十兵衛七番勝負が帰ってきた。今シリーズは七番勝負の名に恥じない全七回。これはもう視聴するしかない!と思う反面、冷静に前シリーズがそんなに良かったかという面も含めて振り返れば、政事と剣の道の対立を新たにやる意味があるのか疑問でもある。
美濃加納へ行けとの命令の裏を読む柳生十兵衛は、やはり前シリーズから学習している。但馬守が万一を考えて剣士の十兵衛を行かせるのか、それとも政事との絡みなのかと。この時点での但馬守の狙いは最終回でのポイントになりそう。
対立的に朝廷の企みを描く所からも、幕府の政事の匂いはする。それでも、朝廷と幕府への不満分子を島原の乱と結び付ける展開はかなり面白い。幕府を苦々しく思う朝廷、実権を奪われた老中、後に本当に幕府転覆事件を起こす由比正雪、そして島原の乱のシンボルになる天草四郎が繋がっていたとの解釈。ありそうでなかったドラマに期待は高まる。
そして一剣豪の柳生十兵衛はどう動くか、という段になると途端にスケールは小さくなる。一揆に加わりそうな美濃浪人を斬りに行くというとても地味なスタート。いいのかそれでと思っていたら、同門の荒木又右衛門と近山藤四郎との対決がメインのようだ。ただ荒木も近山も悪役ではなく善人なので、この部分での対立を描くのではない。悲劇や戦いの宿命で盛り上げようと。
その近山藤四郎との決闘を最初に持ってくる事で、何とか初回の緊張を維持した。十兵衛の、一揆を避けたいとの思い、また政事に巻き込まれる事への葛藤、父への若干の不信、荒木と近山の真意が分からない…といった混乱の中、突如として斬り掛って来る近山。気の乱れから十兵衛は押されまくる。剣も抜けない。この辺の心情を踏まえた殺陣の見せ方は上手い。
近山の決別の意を汲んで剣を抜き、剣士として斬る十兵衛と、斬った直後に近山を抱きかかえた十兵衛。二面性をよく表していたシーンだった。剣を振り回すだけが殺陣じゃない。けどここが十兵衛の弱さでもあったりする。
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前シリーズのレビュー
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