【あらすじ】尾張の山内一豊は父の仇である信長に仕え、秀吉と家族ぐるみの付き合いをしながら千代と結婚。千代は石高の低い一豊を助けるため、家計を遣り繰りし、持参した黄金で馬を買ったり、苦肉の策で作った継ぎ接ぎの小袖が受けると、それを秀吉らに献上して親交を深めた。
信長亡き後、長浜を治めた一豊だったが、一人娘:与禰を地震で失う。千代は絶望し一家に暗雲がたち込める。しばらくして千代は城下から拾った男の子「拾」を育て始め、他に跡継ぎのいない一豊は拾を後継者にと考えはじめる。だが豊臣家の血縁争いを見た千代は、拾を出家させ甥を後継者にする。
秀吉亡き後、徳川家康と石田三成の争いが巻き起こり、一豊がどちらに付くか迷う中、千代は一貫して家康を支持。三成からの誘いの文を開封せず家康に届け、重ねて家康に従うようにとの密書を一豊に託す。
関ヶ原で家康に味方した一豊は土佐20万石を与えられた。一豊亡き後、千代は見性院となり、京で湘南和尚となった拾と再会する。
【感想】×
この番組では毎年、大河ドラマのテコ入れ回があてがわれており、無理矢理にやらされるためかどうか知らないが、そんな回の放送は、番組のコンセプトである「その時が歴史をどう動かしたのか」が極めて不鮮明になる。過去のその時歴史が動いた:源義経(前編)、その時歴史が動いた:源義経(後編)、その時歴史が動いた:土方歳三などを参照の事。
今回も、土佐20万石が山内家に与えられた事が歴史にどう影響を与えたのか全く分からない。しかも、武功と内助の功という夫婦協働の産物を称えるのではなく、この時を境に男女平等の戦国の世が終わったという説明だった。同じ時代に起きた2つの現象をこじつけたとしか思えない。
もし仮に山内家が土佐20万石を得た事で男女平等が終わったとするならば、戦前までの男尊女卑は山内一豊と千代のせいなのか。それは極端すぎるとしても理解に苦しむ「その時」と「歴史」だ。
千代が内助の功というキャラクターで、「功名が辻」もそれを前面に押し出したドラマだからといって、ジェンダー思想を無理に挿入したように見える展開は、番組の評価を著しく下げるだけだ。普通に、関ヶ原での千代の行動をその時にした方が、歴史に与えた影響は小さくてもマトモに思える。
前回記事
功名が辻
山内一豊のすべて
山内一豊と千代―戦国武士の家族像
戦国の妻たち―歴史を陰で支えた女たちの物語
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