テレビ批評的視聴記 - 2005/11/10

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2005年11月10日(Thu)▲ページの先頭へ
プロジェクトX:関越トンネル

【あらすじ】裏日本:新潟の人々にとって、ハイウェイ建設は悲願だった。建設省の花市穎悟は、4000億円の経済効果があると試算し建設が決まる。名神高速道路で名を馳せた中道文基のトンネル案。工法は一気にダイナマイトで吹き飛ばす「全断面一発発破」。排気ガスを立抗で排出。

現場の笹島靖弘らが、硬い石英閃緑岩を一発発破でどんどん掘り進む。だが1キロ地点で、圧力が掛かった岩が吹き飛ぶ「山はね」が発生。鋭い最大2トンの岩が容赦無く飛んでくる。日本坂トンネルで起きた火災で排ガス対策の見直しも要求され、プロジェクトは暗礁に乗り上げる。

熊谷組:山口啓二の上越中山トンネルでの新工法:ロックボルトを採用。北海道大学の地質学者:山口巌教授が波動計で山はねの前兆を掴み、ボルトを壁面に差し込んでいく。中道の部下:三浦克が、150mおきに設置するプロペラを利用し、火災が起きたら逆噴射する事で煙を止め、その間に補助トンネルに逃げる「風速零作戦」を提案。

貫通式の後に立抗が雪崩れで埋まり、その復旧に地元民の南雲栄二が向かう。昭和60年の最終実験では、大型バスを燃やして避難実験。開通した関越トンネルにはスキー客が押し寄せ、米や切り花の出荷が始まった。

【感想】◇
ここで、田中角栄の日本列島改造論によって地元である新潟の…云々と批判的に書くのは容易なのだが、番組ではあくまでも地元の長年の悲願を原点に、工事に携わった挑戦者に焦点を絞っていたので、その線に従って感想を書くべきなのだろう。

出だしから地元民の南雲栄二の思いを前面に出し、工事の手伝いと最後の立抗復旧に名乗り出た様子、そして民宿と農業体験教室で締める構成からは、角栄色を地元の純粋な願いで打ち消そうとする意図が感じられた。

トンネル工事における感動の山場の定番は貫通の瞬間にあるが、今回は排ガス対策の最終実験も山場になり、分散した印象を受けた。さらに南雲栄二の立抗復旧も加えられ山が三つに。

山はねの解決策が上越新幹線での新工法だったという他力本願、火災対処の基準引き上げで、解決策がプロペラ逆噴射となり、前代未聞の立抗方式の意義が薄れた事、そしてその立抗復旧も山場に選ばれる…という三点から、それぞれの山場における興奮度はかなり低下した。
前回記事

田中角栄と国土建設―「列島改造論」を越えて
田中角栄―その巨善と巨悪
異形の将軍―田中角栄の生涯〈上〉
異形の将軍―田中角栄の生涯〈下〉

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