テレビ批評的視聴記 - 2005/08/29

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2005年08月29日(Mon)▲ページの先頭へ
オデッセイファイブ #19

【あらすじ】「暴動」
センティエントの生みの親であるナラム・チャンドラー博士が何者かに殺され、オデッセイ5メンバーにダイイングメッセージが届く。また、チャンドラーが残したディスクにはセンティエントの会話が記録されていた。

そこからシンセティックスがローンデールで暴動を起こそうとしていると判明。以前の時間軸でローンデールで暴動が起きた事を知るオデッセイ5メンバーは、暴動を食い止めるべくローンデールに向かう。

調査の結果、送電線と水に原因があると考えたメンバー達。ローンデールの水に電気を加えると未知の酵素が生成される。電力施設には異常が見付からず、給水施設を調べると、LDU-7のようにシンセティックス侵入の形跡があった。

ニールがウイルスで給水システムをダウンさせ、チャック達は街へ。だが既に暴動は始まっていた。火事を起こして住民の気をそらし、何とか収まる。

【感想】◇
何でもない小さな町で、小さな諍いが大きくなって暴動に発展。それを食い止めようと奔走する主人公達…というのは今週のMONSTERと展開がオーバーラップしてしまう。オデッセイファイブの方は原因が化学的なものだと特定でき、それをストップさせる事で止められたが、MONSTERの方はそうもいかない気もする。

水が原因で町の人々が強暴化するとの発想は面白い。そしてそれを調べるメンバー達も次第に強暴化する…という部分をもう少し強調しても良かったようにも思える。何だかんだとけなし合っていくメンバーの様子は普段通り(笑)のようにも見えた。

危機をあと一歩の所で食い止めたオデッセイ5メンバーだったが、ケイリーにメインキャスターの地位を奪われそうになったサラも、あと一歩の所でスクープをものにして窮地を脱する…というサブストーリーも盛り込まれていた。
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そして日本は焦土となった

【あらすじ】第一次大戦後、国際ルールで禁じられた市民を標的とした都市爆撃。だが、ドイツ軍によるゲルニカ空襲、日本軍による重慶爆撃、ナチスによるロンドン爆撃、イギリス軍によるドレスデン空襲などによって次々に破られた。そして最大の死傷者を出すに至ったアメリカ軍による日本本土空襲。市民はなぜ犠牲となったのか、そのプロセスに迫る。(NHKスペシャル)

1944年のマリアナ諸島陥落により、B29爆撃可能圏に入った日本本土。当初の指揮官は精密爆撃の権威:ハンセル准将。ハンセルは高々度からの軍事工場への精密な爆撃こそが日本軍を崩壊させるとの理論を実践。だが、ジェット気流に流された爆弾は命中率が極めて低く、この戦術への疑問がアメリカ軍内部に湧き起こる。

一方、中国成都から北九州爆撃を担当したのはカーチス・ルメイ少将。ルメイは都市絨毯爆撃を可能にする焼夷弾に着目。日本軍の支配する漢口爆撃によってその威力を報告する。

アメリカ軍内部では次第に、効果の上がらない精密爆撃から絨毯爆撃への転換の声が大きくなる。「それはアメリカの理念に反する」「野蛮人に自らなる事だ」との意見を持つ軍人は会議から排除される。

1945年初頭、ハンセル准将は更迭され本土空襲はルメイ少将が担当。そして3月10日未明、絨毯爆撃による東京大空襲。その後6大都市を焼き尽くし、それでも日本が降伏しないと見るや、爆撃を地方都市へと拡大。その頃アメリカ軍は、「市民爆撃が戦争終結に効果がない」とするドレスデン報告を握りつぶしていた。その結果、終戦までに66の地方都市が焦土となった。

【感想】○
「家庭内手工業が中心の日本では、軍事施設と住居の境界は無く、都市の全てを焼き尽くす焼夷弾による絨毯爆撃しかなかった」
「国家総力戦の日本は、大都市・地方都市には関係無く軍需生産があり、これら全てが攻撃対象となった」
「広島・長崎への原爆投下は、都市爆撃の延長線上にある」
「よってアメリカ軍の爆撃は、軍事・戦略上の目標のみに行われた」
…といったアメリカが平然と述べてきた上記の考えがウソである事は、賢明な日本人であるならば当然知っているとは思うが、ウソがなぜウソなのか、その一端が明らかとなる番組だった。

一機に莫大なコストが掛かるB29から利益を捻出するためには、継続的な大量生産が必要で、一旦軌道に乗った生産ラインを止める事は不可能になっていた。新型焼夷弾の威力を確かめるために木造日本家屋は最適な実験材料だった。だからこそ、市民を標的とした都市爆撃が、戦争継続の意思を奪うのではなく、国民の結束を呼ぶ反作用を引き起こすというドレスデンからの報告は無視されたのだ。

ハンセルの高々度精密爆撃からルメイの低高度絨毯爆撃への転換については、米軍の思想転換以外にも要因がある。

まず、硫黄島飛行場の陥落(45年2月)により、これまでマリアナと日本本土を往復できる飛行機がB29しかなかったが、航続距離の短い護衛戦闘機を付ける事が可能となった。
次に、目標精度が荒くてもできる絨毯爆撃ならば、夜間爆撃で侵入できる。日本軍は夜間戦闘機・レーダーが弱点で米機の被害を少なくできる。
さらに、日本軍の夜間戦闘能力が低い事は、高々度ではなく低高度の爆撃を可能にする。
また、低高度の爆撃ならば燃料を少なくでき、その分爆弾搭載量を増やして攻撃力を増せる。
最後に高度1万メートルまで行き来する時間を短縮でき、搭乗員の負担を減らし、爆撃回数を多くする事もできる。

以上のような戦術的理由からも夜間低高度侵入による絨毯爆撃が採用され、その最初の被害が東京大空襲となったのだ。

しかし市民標的の都市爆撃に戦略的効果が無い事にかわりない。6大都市を焼き尽くしても日本の戦争継続意思に何の変更もないと知ったルメイの焦りも、160地方都市への焦土作戦へと移行させる。

また、絨毯爆撃が戦争を終わらせるとの主張をした軍人達は、原爆の投下を都市爆撃の究極の形態だと位置付け、「都市爆撃(原爆)が戦争を集結させた」との理屈をでっち上げる。原爆はソ連への牽制であり、太平洋戦争集結がソ連参戦にあったとの真の理由を隠した(その時歴史が動いた:ソ連参戦を参照のこと)

番組を観ると、ルメイの絨毯爆撃は悪でハンセルの精密爆撃は善…との感想を抱く人もいるかもしれないが、「精密爆撃の命中率が悪かった」という部分から考えて欲しい。例えば、ハンセルが最も力を入れた中島飛行機・武蔵野製作所は、何度爆撃しても爆弾が外れた。つまり外れた爆弾は市街地に着弾し市民が犠牲となったのである。都市精密爆撃の失敗はイコール市民への爆撃に繋がるのだ。

蛇足になるかもしれないが、「カーチス・ルメイが1964年、航空自衛隊育成の功労により、天皇から勲一等旭日大綬章を授けられた」との戦後日本最大の過ちについて番組では触れられていなかった。これも、国民全員が知ってて当然の事だからこそ触れる必要も無かったからだと信じたいw

本土防空戦
超・空の要塞:B‐29
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東京大空襲―B29から見た三月十日の真実
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