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【あらすじ】江戸時代、ロシアのフォボストフが択捉島に上陸して略奪・暴行した報復として、幕府が1811年にディアナ号のゴローニン艦長を捕縛した「ゴローニン事件」。北前船取引を営む高田屋嘉兵衛は、そのディアナ号副官:リコルドによって捕えられ捕虜としてカムチャツカに連行される。
高田屋嘉兵衛は脱出するために、自らが日露の交渉役となって事件を解決する道を選ぶ。ロシア語を覚え、リコルドと友情を結び、ロシア政府の文書から情報を得る。そしてロシアの謝罪文を手に、仲介人として日本へ乗り込む。
しかし交渉はうまく行かず、鎖国破りとして投獄された高田屋嘉兵衛。それでもリコルドは、新たな謝罪文を持って来ると言い残しロシアへ帰る。
半年後の文化10(1813)年9月16日、リコルドは約束通りロシア政府高官の謝罪文を日本に提出。高田屋嘉兵衛は解放され、戦争回避の報奨として金貨5両を受け取る。「ウラー、タイショウ!」(万歳大将)と叫びながらリコルド達は帰っていく。
【感想】◇
ロシア人達との友情を築きあげ、商人としての交渉術で江戸時代の日露戦争を回避した高田屋嘉兵衛のお話。
その努力も、時の政府にとっては金貨5両の値打ちしかなかったのか?との痛烈な皮肉が込められていた。起こした事はその大きさも判断しやすいが、戦争の回避という起こらなかった事への対価の計算など、そんなものかも。
解決の糸口がロシアの謝罪文にある…と賭けた高田屋嘉兵衛の読みはいかにも商人らしい大博打。それを理解させるために、フォボストフの行為に立ち返ってロシアの誤解を解こうとする高田屋嘉兵衛。それをすぐに理解したリコルド。ともに能力のあった人なのだろう。
とはいえ、今回の最も重要な部分である高田屋嘉兵衛とリコルドの友情形成が描かれず、なぜここまで強い絆で両者が結ばれたのかが理解できない。自分を捕え連行した相手と友情を結ぶ高田屋嘉兵衛の人物的魅力を、解説者が「上昇志向と平等志向」と言っていたが、それはビジネス場面において当てはまるかもしれないが、友情の説明にはなっていない。
また、「上昇志向と平等志向」が明治維新にも当てはまり、高田屋嘉兵衛の行為はその先駆けになった…との説明もこじつけのようで良く分からん。
感動的な友情物語も、その友情形成部分が描かれないのでは感動できない。
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