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【あらすじ】戦前からトラックを作っていたトヨタに、創業の夢である乗用車開発を提案した男:中村健也。だが、労働組合との争議を抱えるトヨタはそれどころではなかった。6000人のストライキは1600人のリストラと創業者:豊田喜一郎の辞任へと発展。
さらにフォードから提携の誘いがあり、ライセンス生産か自社開発かで会社は揺れた。開発主査の中村は常務に「勝負させて下さい」と頼む。道は決まった。
バネの導入で乗り心地を良くし、スポット溶接でスピード生産・大量生産を目論む中村だったが、試作車のバネは外れ、溶接は折れた。
小さな鉄の玉をバネにぶつけ耐久力をUP、型どりをベニヤ板からポリエステルフィルムに変更して正確な溶接が出来るようにした。また、鋼板を原料から見直してプレスを成功させた。
完成したクラウンはロンドン−東京間5万キロを走破し、国産車時代の幕を開けた。中村はその後、電気とガソリンのハイブリットカーの研究に没頭。その研究を基にプリウスが生まれた。
【感想】○
眼光鋭く、ぶっきらぼうなプロジェクトリーダーでも、信念を持って妥協しない姿勢を貫けば、いつかは光が差すのだ…との教訓の回。
「技術は絶対に妥協しない」
と言って設計変更を頑として拒んだ中村。
「下手な指示は部下の創造性を殺す」
との思いから、見守る事を信条とした中村。
そんな姿勢は、最初は部下達の支持を得られず、士気も低下、プロジェクトは暗礁に乗り上げる。しかし、蔵書一万冊、常に技術を考える中村の真の姿をメンバーは理解するようになる。そして
「上手く行くか行かないか分からないから開発する」
「夜行列車と同じ。先が見えなくても走り続けろ」
この言葉がメンバーの奮起を呼ぶ。
中村は、親しみやすさには欠けていたが、その分技術にかける思いはトヨタ一だった。それをメンバーが理解した時にプロジェクトは一気に動き出す。直接的なアクションのある優しさではなく、手出しをしない優しさが理解されるには時間が掛かるという事か。
常に笑顔を絶やさない奥さんも印象的。技術バカな夫を温かく包み込み
「人に分からない事を考えるのは楽しいかもしれない」
と言って究極の理解を示す。それがその後30年に及ぶハイブリットカー研究を支え、プリウス誕生の1年後に亡くなった中村への供養となる。見守り続けたのは中村だけでなく、奥さんもそうだったのだ。
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