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【あらすじ】陸軍中野学校でスパイ教育を受けた小野田寛郎少尉(中村獅童)は、フィリピン・ルバング島での遊撃を命じられる。玉砕は一切まかりならぬと厳命された小野田は、部下の島田庄一伍長(柳葉敏郎)、小塚金七一等兵(西島秀俊)と共に残置諜者として山に篭り、ゲリラ戦を展開する。
昭和20年8月15日の終戦を知らせるビラの文面に不備がある事から、敵の陽動・謀略だとする小野田達。同じ隊にいた兵士が投降を呼びかけても、「捕虜になって米兵に言わされている」として無視。
米軍MPやフィリピン警察との戦闘で島田伍長と小塚一等兵は戦死。小野田は家族からの手紙や呼びかけにも応じず、独りで戦い続ける。
戦後生まれの鈴木紀夫(堺雅人)は、そんな小野田に個人的興味を持ち、単身ルバング島に渡り小野田と接触する。最初は政府のヒモ付きではないかと警戒する小野田だったが、鈴木に「上官からの停戦命令があれば止める」と告げる。
鈴木は日本に戻り、上官:谷口義美(小林稔侍)を連れ小野田を武装解除。ここに小野田の30年戦争は終結。日本に帰国した小野田をマスコミは、[軍国主義の亡霊」として報道する。
【感想】△
迫力不足。凄味がない。実際の小野田少尉の写真と比べると、30年戦った顔に全然なってない。比べるのが酷なのかもしれないが。それでもせめて、戦いを始めた時の顔と30年経った顔にもう少し変化があっても良かったのでは。
「小野田少尉にとって30年戦争は、時が止まった中での戦いだった」
とでも言いたかったのだろうか。それだから顔が変化しなかったのか。歳もとってないようなメイクだったのか。理解しづらい表現方法だ。
キャラの構図も、頑なな小野田と揺れ動く小塚を中心に描いていたが、そのおかげで救出に成功した鈴木の役割が不明確になってしまった。あまりにも部外者であまりにも小野田の常識からかけ離れた鈴木との出会いの衝撃が、本作品では極めて弱く描かれ、鈴木は最後のひと押しをした人物との位置付けにしかなっていなかった。
また、小野田が戦後日本の状況をラジオ等で細かく知り、どこかおかしいと思っていた…という設定が強調されたために、日本へ帰国後に小野田が強く持ったマスコミへの当惑もほとんど描かれず、あっさりとした幕切れだった。
小野田の30年を丁寧に描き、実際のフィリピンで撮影した意欲は良いが、キャラ設定や役割を微妙に変えた事で、山場が分散され、その分だけ伝わって来る強さも減った点は非常に惜しい。