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【あらすじ】個別の11人自決事件の後、続発する反難民デモ。一方の難民は長崎の出島に流入・集結していると噂される。そこでの難民一斉蜂起を防ぐべく、対策会議を開く茅葺総理だったが、警察庁、海上保安庁、防衛省の間で管轄権を巡って争うだけで議論が進まない。
会議から帰って来た茅葺総理に九課課長:荒巻は、「組織のトップに立つ人間が自身の利権争いの道具として組織を利用し始めた時から、軍部・諜報機関が弱体化する」と述べる。茅葺総理は難民特別措置法を廃し、その利権を押え込み、税制問題を解決していこうと考えていたが、それを利用した政敵によって巻き込まれた格好となった。
草薙素子は茅葺総理に“ハブ電脳”の説明をする。
「ネットワークには元来、ハブ(中枢)概念は存在しなかった。しかし、ネットワーク上で孤立した意思を、あるホストが方向性を定義づけ、自らの電脳に招き入れる事で、ある種の共同体を築く」
従来はカルト教団やアーティストのファンにしか見られなかったが、難民の間にもこのハブ電脳が形成され、一斉蜂起へと促されているのではないか。
半島でクゼヒデオ(九世英雄)の調査を行っていたイシカワが帰国し、クゼの経歴が明かされる。
自衛軍に入りPKF仕様のハイブリット義体に換装したクゼは、義体化歩兵部隊に配属され人民軍ゲリラ殲滅に従事。しかしその戦闘とPTSD患者の発生は報道管制され、自衛軍はテントに篭る毎日。ある日クゼはカメラマンのカメラと小銃を交換し、難民キャンプに入っていく。そこでクゼは難民との交流を持つ。自衛軍引き揚げに際して姿を消し現在に至る。
「確かに興味深い話ね」と素子。今、クゼは長崎の出島に居た。
【感想】○
前回が主にネットワーク世界の設定整理だったとしたら、今回はリアル世界の状況整理というか、新たな動きへの序章といった所か。現実世界で起きている色々な出来事をアニメに取り込み、独自の世界へと変換しようとする「攻殻機動隊」らしさは随所に感じられた。
実りの無い会議、組織の退廃、ネットで人と人とが繋がり集まる現象、自衛隊の海外派兵、兵士のPTSD、自分の宿舎にいるしかない自衛隊…など。確かに咀嚼しきれずに無理や矛盾などのアラも出ているが、今の出来事を30年後の世界で表現しようとすれば、多少の齟齬は出て来て当然な気もする。
九課課長:荒巻のタイプの女性が茅葺総理だったと暴露され、その茅葺総理の政治理念・行動原理も明かされた。恋愛感情は半ば冗談として、この二人は「利権を許さない」の一点で共鳴する所があったのだろう。青臭いトグサも荒巻を慕うわけだ。
ハブ電脳の説明で、「従来はカルト教団やアーティストのファンの間に見られた」とあったが、人気電脳ラッパー“DENSETU”のファンもそうだったのだろう。難民に人気のあったDENSETUを射殺し、そこに集まっていた意思を新たなハブ電脳に行きやすくするため、個別の11人はDENSETUを射殺したのだ。
また、茅葺総理の政敵が高倉で、内閣情報庁トップの高倉の下に合田一人がいる。その合田は大日本技研の出身で、高倉と大日本技研が癒着している事も明かされた。
それよりも重要かもしれないのは、難民キャンプに入っていったクゼが、難民に折り紙を折っていたとの証言だ。もしかして#10で鶴を折っていた男の子がクゼなのだろうか。だとすると女の子は素子なのだから、二人の再開は劇的なものに!という展開が待ち受けているのか?
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