テレビ批評的視聴記 - 2005/06/12

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2005年06月12日(Sun)▲ページの先頭へ
ふたつのスピカ #19

【あらすじ】マリカは柴田かさねからアスミとの思い出を聞く。そしてアスミが自分にとって大切な友達であり、彼女に謝らなければいけないと気付く。

アスミは誰かの血が着いた脱出用ポットを見つけるが、そばには誰も居ない。取りあえずゴールを目指し救助を呼ぶ事にする。

ゴールして血を出したのがマリカだと知るアスミ。一目散に血の跡まで駆ける。それが今の私にできることだから。止めようと追いかける圭・府中野・シュウ。

【感想】○
本当に大切なものはゴールした成果ではなく、友達であり助け合う心であり、それが無ければ結果を出せないし、結果を出しても意味が無いのだと気付かせる回。

離れ離れになっても繋がっている友情をかさねのシーンで描き、ゴール地点から遠ざかるアスミのシーンで友情を選ぶ偉大さを描く。

と同時に、アスミ達が宇宙に行けるかどうかは重要ではなく、とにかく仲間との絆と友情、思いやりが大切だとのメッセージを送り込む効果を生み出している。たとえ次回が最終回で、物語的には完結しなくても、伝えたい事は全て出し切ったと言える最後にするために。
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その時歴史が動いた:エンタツ・アチャコ

【あらすじ】昭和初期の万才は、歌や踊りが主体で喋りは場を繋ぐものに過ぎなかった。代役で急遽、舞台に出た横山エンタツと花菱アチャコは、喋りだけの万才を試みる。結果は散々、ミカンをぶつけられ「これがホンマの未完成」とアチャコ。

東京浅草でもチャップリンの真似をした喋りだけの万才をやるが全く受けず、エンタツは芸人を辞めてしまう。やがてサラリーマンが増え、寄席の客層の変化に気付いた吉本興行の総支配人:林正之助は、新しい芸をエンタツに見出す。アチャコとのコンビを復活するエンタツ。

銭湯でネタを仕入れ人間観察をする二人は、身近な家族の話題や生活の実感を伝える喋りが客の気を引くと考える。エンタツ・アチャコの人気は鰻上りで彼らを目当てに寄席に人が集まる。

ラジオで全国制覇を夢見る二人。だが当時の吉本は寄席の客が減るとしてラジオ出演を禁じていた。さらに勝手に桂春団治を出演させたNHK大阪との不仲もあって、二人に大きな壁となる。

ラジオは寄席に相乗効果をもたらすと悟った吉本と、行き過ぎを謝罪したNHK大阪の和解によってエンタツ・アチャコの野球をパロディにした「早慶戦」を放送。彼らの人気は全国に広まる。

【感想】○
今では普通にある漫才も、初めはこんな苦労があったとは。と同時に笑いにも時代によって移り変わりがあり、そこにはメディアの形態も大きく関わっているのだと知った。

確かに視覚効果と臨場感を考えれば、喋りだけよりも歌や踊りがあった方が受けたのだろう。そこを誰もが分かる身近な話題を喋る事で客との垣根を取り払う工夫が必要だったわけだ。

喋りだけの万才がラジオで受けたというのも納得で、テレビ時代にも動きや衣装、身体的特徴で笑わせ、コントが発展していった。やがて笑いの技術が庶民にも分かって来ると、要求されるレベルも高まり、苦しくなって来る。

現在は、視覚効果だけを狙った笑われる芸や、スタジオでの多数の喋りでの数撃ちゃ当たる方式、それを編集技術でカバーしたり、テロップ・ナレーションを使った笑いなど、多彩になったような薄まったような笑いが主流である。

ラジオと寄席の相殺か相乗か、といった点も興味深い。今で言うならネットとテレビ。数年前のテキストサイトブームは、文字を主体に装飾や改行幅でマと強さを生み出し笑わせる技法で新しい笑いの形だった。それをプロではなく素人がやって何十万ものヒットを稼いだのも革命的だった。

今のネットは回線が太くなって動画配信もできて、いよいよテレビを殺すとの声もある。果てさて相殺か相乗か。はたまた新しい笑いが出てきて棲み分けされるのか。
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