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【あらすじ】茅葺首相を脅迫する難民開放機構「仇∞士」。首相の身辺警護にあたる公安九課。同時に仇∞士の正体を突き止める捜査も開始。
仇∞士は「動機あるもの」「個別の11人」とも名乗っている。その根底思想にはパトリック・シルベステル著『初期革命評論集−国家と革命への省察』がある事を掴む。その本の内容は
の10章から成る。そして1932年の五・一五事件を能楽と関連付けて論じた幻の11章「個別の11人」が存在すると噂される。
11章の要旨は「伝統芸能の本質が、既に決定された物事を繰り返しうるという虚像にあるのに対し、能楽だけはその公演をただ一度きりのものと限定し、そこに込められた精神は現実の行動に限りなく近しいとされている。一度きりの人生を革命の指導者として終えるなら、その人生は至高のものとして昇華させねばならない。英雄の最後は死によって永遠のものとなる」というもの。
五・一五事件の11人の青年将校になぞらえ、切断した11本の指を首相に送り付ける仇∞士。寺の御堂で首相暗殺を企てるが公安九課によって阻止される。しかし素子は彼らに殺害の意思がなかっただけと考える。
【感想】○
何だか小難しい本や歴史的な革命事件を持って来る脚本の独走っぷり。
時限立法であった難民措置法を解除した内閣と、それに対する革命戦士の姿勢がだんだん鮮明になってきた。その狭間で公安九課はどう動くのか、また内閣を陰で操ろうとする情報庁の合田一人といった4つが主要な勢力か。
この仇∞士、五・一五事件を能楽と結び付けた「個別の11人」を存立根拠としている思想集団。一度きりの人生を誰かと同じものにしない、繰り返さない、と言っているにも関わらず、やろうとしている事は五・一五事件のシナリオを踏襲する自己矛盾にも陥っているようにも見える。
素子が首相殺害の意図を疑ったのも、仇∞士が同じ轍を踏まないにしたためではないかと考えたからだろうか。とすれば仇∞士は、単に首相を狙うだけでなく別の行動を取る可能性もあるわけで、彼らの真の目的は未だ不明という事になる。
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